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個性に出会う旅~るんびにい美術館~

るんびにい美術館

るんびにい美術館へ再びの旅。

岩手県花巻市内にある『るんびにい美術館』を約半年ぶりに訪れました。
前回は会えなかったアトリエの利用者さんですが、今回はその利用者さんに会うことが目的です。
無事に会うことが出来ました。

10時オープンとのことですが、待てなくてそれよりも早い時間に到着してしまいました。
るんびにい美術館の外観の写真を撮ったりして、オープンを待っていましたが、5分前に入館させてもらいました。

オノデラ1世展

企画展は『オノデラ1世展』です。

オノデラ1世は1976年、岩手県一関市に生まれました。勤めていた東京の会社を20代前半で退職した後、服飾の世界へ転向。さらには舞踏や絵画へと、その探求を広げていきます。

しかし、彼にとってそれらの活動の場は、本来自然に発露すべき人間の表現が、様々な約束事や社会の要求によって束縛される世界でした。深刻になる違和感に心身の疲労が重なり、20代後半に心の病を発症します。時間の感覚さえ失われた苦悩の中、一切の表現活動は不可能となり、オノデラは郷里に戻りました。

長い年月を経て回復の兆しが見え始めた頃、一関市で開かれた絵画ワークショップに参加します。そこには、他者の価値観に縛られず、自分という存在そのままで居られる場がありました。強張っていた何かが解けたような感覚を抱き、これを転機として爆発的に絵画制作が再開されます。

描かれるモチーフは、その後も広がりを見せながら変化し続けています。鮮やかな色彩と静かな気配をあわせ持つ花や山。この世界に存在する多様な生命体が縦横無尽に入り交じり、細胞を煌めかせるかのように躍動する光景。我が子を抱く異形の生命体の肖像。

風と木の葉の運動のように、全ての存在は互いに影響し合いながら、いまこの瞬間の世界を形づくっています。無数の存在が一体となって創り上げているこの世界を、まるごと肯定して生きていけたなら。オノデラの祈りが込められた絵画に触れるとき、私たちの世界はさらにまばゆく、喜びに満ちたものになるかもしれません。

るんびにい美術館ホームページから引用

オノデラさんの作品は、骸骨が描かれていたり、魚に足があったり。
不思議というか、ちょっと怖さを感じる作品もありました。

オノデラ1世展

変化があって面白いという言い方もできますね。

水が背景にある共通点
文章を見る
作品を見る
足が気になる

オノデラ1世さんが書かれているらしきブログを見つけて、読んでみました。
画像らしきものも貼られていますが、残念ながらわたしの環境では見られません。

こんなことが書かれています。

朝、目が覚めました
生きていました
今日もいい日
何故ならこの地球で
私を形成している身体で
地球全体を体験経験できるので
今日もいい日

オノデラ1世ブログより引用

常に死を意識して生きているんだ。
それは同時に、生きることへの感謝になっています。

友や仲間が良かった事、嬉しかった事があった際は、一緒になって
自分事の様に喜びを分かち合いたい思うのだ。
それこそが本当に喜びだと思うこの頃である。

オノデラ1世ブログより引用

アトリエ見学

アトリエにいるのは、光林会の入所施設やグループホームを利用している方などの創作グループ「こころと色の工房 まゆ~ら」のみなさんだそうです。

SNSへの写真の掲載がNGとのことですが、わたしの作文で何かが伝われば幸いです。
アトリエ見学はとても有意義なものだったので、ぜひとも体感するために訪れてほしい場所です。
もちろんわたしも、また見学に訪れます。

ラジオ体操・朝礼

開館と同時に利用者さんたちが2階へあがっていきました。
ラジオ体操から始めるそうです。
「まだラジオ体操・朝礼をしています」
と言われましたが、それも見てみたいと思ったので、さっそく2階へあがります。
わたしがアトリエに入ったときには、朝礼が終わろうかというタイミングでした。

散歩

朝礼が終わった後は、制作に入るひともいましたが、近くの公園に散歩に出かけるひとたちも。

わたしが入室すると、握手を求めてくれるひともいたし、背中や肩を掻いてくれという方もいました。
わたしを見ながら絵を描いてくれた方もいましたよ。

歓迎してくれたのかなぁ。

制作

10人弱いた利用者さんの半分ほどが、散歩に出かけていきましたので、残った利用者さんの制作を見させてもらいました。

白い糸を淡々と織り続ける方。
ホント、淡々と続けていました。
後ろから見ていても、話しかけても意に介さず、ただひたすら淡々と。

そういう作業が得意な方っていますよね。
わたしもそういう作業が大好きです。

制作にあたる方に、強い拘りを持っている方がいました。
細かいことなんだけど、それが出来ていないと嫌だという。
そういう個性が強いのが特徴のひとつかな。

散歩から帰ってきた利用者さんも、その日の作業や制作に取り組みます。

わたしを見ながら絵を描いてくれた方に、似顔絵を描いてもらったら、メガネやその日被っていたものなど、特徴をとらえてくれていました。
そして、先ほど描いてくれた絵も同じなんですよね。
ってことは、さっきも似顔絵書いてくれていたんですよ。

とても嬉しいです。

制作というより、作業なんでしょうね。
楽しいこと、やりたいことをしている。

ある方は、商品に描かれた絵が自分のものだと気付いて、ポケットに入れて大切に持ち帰ったそうです。
その方を前に話を聞いて、どんな気分だったんだろうなんて想像しちゃいました。

個性な

カメラを向けるとピースをしてくれるひと、ここを掻いて(触って)欲しいとねだるひと、淡々と描き続けているけど、時々わたしを気にするひと。
たくさんの個性が集まっていることが感じられる場所です。

個性を出しているひとたちの真逆、わたしたちは個性を封じ込め、隠しながら生きているんじゃないかとも思いました。

いのちの形がみえたなら 光林会
いのちの形がみえたなら 光林会

御礼

お忙しい中対応していただいた担当者のみなさま、利用者のみなさまのおかげで楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
また訪問する機会を楽しみにしています。

では。



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