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【七転び八起き】

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起業からの七転び八起きの一転び目から八起き目までをまとめてみた。
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#ピザ

【七転び八起きの四転び目⑤】

【七転び八起きの四転び目⑤】

 ラスベガス大会にエントリーを決めてから、その前に日本でもJAPAN PIZZA EXPOというフリースタイルピザアクロバットの日本大会が初開催されることを知って急遽エントリーすることに。

 第1回大会はラバー部門というのがあったからそれにエントリーしてみた。恋人同士の部門ではない、ゴム製の練習用ラバーを使用してパフォーマンスする部門だ。
 実はラスベガス大会にエントリーしていながら、どんな生地

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【七転び八起きの五起き目①】

【七転び八起きの五起き目①】

 スノーボードW杯のフェアウェルパーティーでパフォーマンスしたり、サンドウィッチマンの番組で紹介されたり、ビアガーデンで投げ銭ライブしたり、NHKラジオの取材受けながらオータムフェストのステージでパフォーマンスしたり……路上で酔っ払いに絡まれたり……チカホでボートを漕ぐフリしてみたり……好き勝手に無邪気に駆け抜けた自称プロパフォーマーの無職30代男性。

 よく考えたらフリーペーパーの広告集めたり

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【七転び八起きの番外編】

【七転び八起きの番外編】

 JAPAN PIZZA EXPOに初出場したときはラバー部門という部門で、練習用のゴム生地を使用してパフォーマンスする部門だった。
 2度目のチャレンジで初めて本物の生地でやる部門に挑戦して、結果は4位だったか5位だったか。その頃は大会用の生地のレシピもなにも知らなかったから、本番のみ本生地でパフォーマンスして、それ以外は全部ラバーで練習していた、アホである。

 3度目の出場時には白いマスクを

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【七転び八起きの六転び目②】

【七転び八起きの六転び目②】

 PIZZA STAND passatempoはゆるりと営業していたけど、もちろんローンを組んだから返済はしなきゃいけないし、潤滑な資金があるわけでもないから、水飛沫を上げないように水面下でバタつく感じでスタートした。
 知人友人家族親戚が順繰りと来てけれれば良いかなと、そんな悠長なノリ……この時にはすっかり忘れていたが、こういうのが1番良くないパターンだ。ハングリーさもアグレッシブさもない状況で

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【七転び八起きの六転び目③】

【七転び八起きの六転び目③】

 これほどまでに散々な結果のために多額の旅費をかけて、1年間練習してきたと思うと、過剰なほどの自信にヒビがはいることもあるだろう。メンタルが強いわけではない、傷が目立たない程度に傷だらけなだけ。

 タクちゃんがお店に加わることが決まり、その流れで初めてのイタリア大会に出場してみることも決めた。タクちゃんは毎年イタリア大会に出場していたので、逆に初めてのラスベガス大会に挑むことに。
 意気揚々とし

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【七転び八起きの六起き目①】

【七転び八起きの六起き目①】

 ピザ世界選手権、世界2大大会同時最下位という記録は、この記録だけはもしかしたらこの先、誰にも破られないし、前人未到だったかもしれない。なにかないか、なにかくれないか、なにもいらないが。

 タクちゃんも中国のb-boyに敗れ、納得のいく結果にはならなかった。期待と希望に胸を膨らませて挑んだ結果がこれだ、幸先が良いか悪いかと言えばおそらく悪い方だろう。それでもどうだったかと聞かれれば楽しかったとし

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【七転び八起きの六起き目②】

【七転び八起きの六起き目②】

 PIZZA STAND passatempoを盛り上げるためにも世界大会出場の資金を稼ぐためにも、まずは積極的に色々なイベントに出演することに。
 パフォーマンスだけだったり、実演でピザを焼いたり、ピザ作り教室や体験会をしてみたり……オファーがあればなんでもやってみるスタイル。
 駅マルシェだったかな……食べマルシェと同時開催の駅の構内でやるイベントに出店した際に、ピッツァインテーリアっていうケ

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【七転び八起きの六起き目③】

【七転び八起きの六起き目③】

 JAPAN PIZZA EXPOを2連覇するのは目標ではなく使命だった。大会史上初の連覇を成し遂げれば少しは自信になるかなと、そのぐらいのことは余裕でクリアしないと世界選手権では一生ただのいち参加者で終わる気がしてたし。

 あんまり思い出せなくてGoogleフォトを眺めてみたら、わりと楽しそうに好き勝手ピザ焼いたりパフォーマンスしたりしてる写真や動画ばかり残っていたから、そんなに思い詰めて必死

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【七転び八起きの六起き目④】

【七転び八起きの六起き目④】

 ラスベガス大会は不運だった。

 パフォーマンス用の生地の配合を勘違いしていて、いざ本番ってタイミングで使えないってことが分かり、急遽主催者が用意していた生地を借りて挑むことに。
 「大丈夫、勝てば問題ない」
 とか言ってみたけど、まさかこのタイミングでいつもの生地が使えないとは思ってもみなかったトラブルだったのでかなり動揺したよね。
 結果的には惜しくも4位で予選敗退。確かに手放しに素晴らしい

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【七転び八起きの六起き目⑤】

【七転び八起きの六起き目⑤】

 予選で全てを出し切ったぐらいに疲れ果て、終了後にはパルマのメディアの取材を受けたりました。
 前年はたくさんの人たちがタクちゃんに話しかけてきて、写真撮影しているのを世界チャンピオンってスゲェなと横目で見ていたけど、この年はみんなが2人と写真を撮りたいと話しかけてきてくれて、嬉しくてね、本当に、けどまだ信じられない気持ちでドキドキしたまま、写真を撮っている時も目は泳いでいたと思う。
 YouTu

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【七転び八起きの六起き目⑥】

【七転び八起きの六起き目⑥】

 世界選手権のファイナリストになり、ファナルのステージからの景色も目に焼き付けたからある程度満足している自分がいた。
 でもやっぱり表彰式で表彰台の1番上に立っているタクちゃんを見たら、あそこに自分も立ってみたい、そういう願望や目標も燻り始める。
 それはもう夢とかじゃなく、現実的な目標。

 終わってからすぐに2019年大会に向けて動き始めた。まずはフィレンツェでジェラートを食べよう、ボローニャ

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【七転び八起きの六起き目⑦】

【七転び八起きの六起き目⑦】

 3度目の慣れってやつだ。

 どのタイミングで予選がスタートするからどのタイミングで生地を仕込んで、直前の準備はこのくらいの時間にスタートすれば必ず間に合う……そういうスケジューリングが上手になっていた。
 ホテルからアパートメントに変更したのも部屋のキッチンで仕込みができるからだったし、いつも以上にやることが多くてバタバタながら良い準備のできた大会だったと思う。
 ハインツベックトロフィーだけ

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【七転び八起きの七転び目①】

【七転び八起きの七転び目①】

 七転び目なんて書きたくはないさ。思い出したくないだろ、それはみんなも同じだと思うんだけど。

 イタリアでプリモピアット部門に出場してみたことが大きく影響して、そこで出会った老シェフたちとの出会いが将来の理想像みたいに頭に張り付いて、結果、日々料理に打ち込むことだけがそこに辿り着く術だと理解していたから、そこに向かう覚悟を決めた。
 飲食店経営に失敗して、そこからピザのみに絞って尖ったからこそ運

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