見出し画像

【七転び八起きの六起き目②】

【七転び八起き】マガジン

 PIZZA STAND passatempoを盛り上げるためにも世界大会出場の資金を稼ぐためにも、まずは積極的に色々なイベントに出演することに。
 パフォーマンスだけだったり、実演でピザを焼いたり、ピザ作り教室や体験会をしてみたり……オファーがあればなんでもやってみるスタイル。
 駅マルシェだったかな……食べマルシェと同時開催の駅の構内でやるイベントに出店した際に、ピッツァインテーリアっていうケーキのスポンジを焼くような鉄板に広げてから焼くタイプのピッツァを販売したんだけど、そのあたりからタクちゃんはピッツァインテーリアに没頭し始めた。

 FinoGrossoという新しいフリースタイルピザアクロバットパフォーマンスチームを結成して映像を作ったり、イベントに出演したり……お店以外でも自分たちをアピールしたりお金を稼げるコンテンツを持っているってのは強みだなと改めて思ったり。

 その頃から意識し始めたというか、タクちゃんと並んで一緒にパフォーマンスをするとどうしても技術の差が出てしまうから、いかに自分の存在に説得力をプラスするかという作業。
 もちろん世界一だ、すごいのは知っているし認めているけど、ステージの上ではそれでも負けたくないもんだ。むしろ憧れや羨望でそういう気持ちを失ったらもう一生勝てなくなる。
 自分だけのオリジナルトリックを考えたり、手持ちのトリックの組合せを真面目に考えてみたり、タクちゃんのマネをしてちゃんとフリを作ってみたり、色々試してみた時期。
 日本で優勝して直後に世界で最下位になったから、何が正解か本当に分からなくはなっていたよね。
 隣に世界一という確実な正解がいたのはすごく大きなことだと思う。深く考えずに、隣にいる奴に勝つ方法を考えれば自ずとそれが正解になるだろうという安易だけど間違いのない結論。

 そしてタクちゃんがピッツァインテーリアに没頭して試作を繰り返し、日々クオリティが上がっていくのを間近で見ていて、自分も料理部門に出場してみたいと思うようになった。

 挑戦は新たなステージへ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?