𝑯𝒂𝒎𝒂𝒋𝒊|Natsumi Shibata

💭 絵・陶芸・文章。のんきに暮らしてる

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自給自足で暮らしたい

私の故郷は秋田の小さな町で、父はお米と野菜を作る農業、母は個人で配達式のパン屋を営んでいる。 我が家では、父が作ったお米と野菜が食卓の主役だ。上京してからも、ずっと父のお米を食べているし、春から秋にかけて、旬の野菜や果物がひっきりなしに送られてくる。一人暮らしをするようになってから、お米を買ったことがないし、野菜を買うことも少ないので、たまにスーパーで値段を見るとびっくりする。これは本当に幸せなことだ。 私が幼い頃からパン屋に勤務していた母は、独立して今年で15年目になる

    • 流るるもの

      京都に来てから、川を身近に感じるようになった。 毎日隣にある景色で、考えごとがある時は鴨川に行く。友人と飲む時も、コンビニで缶ビール買って鴨川へ向かう。 鴨川沿いには、老若男女問わずいつも人がいて、散歩したり、談笑したり、絵を描いたり、楽器の練習をしたり。京都の日常に溶け込んでいる。 この景色を眺めていると、他人の人生の景色を見ているような感覚になる。他県だとここまで人が集う川ってあんまりない気がするなぁ。 思考はふつうに生活しているとたまっていくものだから、川はそうい

      • タイムレス

        2024年1月16日 火曜日。 この世に誕生して、38年経過。 4年前から、誕生日に手と石の絵を描いており、 今年も早起きしてアトリエへ向かった。 今朝の京都は極寒。肌を刺すような冷たい風が、寝ぼけた脳を覚醒させる。 秋田で生まれた私は、雪で大荒れの早朝に生まれたらしい。そんなタイミングで「おっしゃ、人間界行ってきまーす!」と意気揚々と母のお腹から出てきたかと思うと、そのタイミングのチョイスからすでに、自分ぽくて笑える。晴れの日に行けよな。 気がつけばnoteの更新も

        • 気合い入れて撮影した今年最後のオンラインショップのビジュアル。 額縁も什器もペイントしました◎ 12月9日(土) 21時オープンです🕊️ https://www.instagram.com/p/C0Lu0utPXKY/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

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          さざなみ

          京都でむかえる初めての夏。 先日も34℃くらいまで気温が上昇し、ちょっと外を歩いただけでも日差しが肌に焼き付いて、汗が滲む。日焼け対策しなきゃなと思いつつ、太陽を思いっきり浴びるのが好き。生きてる感じがする。 6月で1年の半分は終わるわけで、毎年この時期になると色々と焦ったりしていた気がする。この時間の流れにもすっかり慣れたもので、こんなもんだったねぇとぼんやり日々を見送っている。 1月から毎月続いていたイベントも5月で一段落したので、6月は毎日のように呟いてたtwit

          二つの手

          ウクライナとロシアの戦争が終わらないまま1年。 私の家にはテレビがないので、自ら情報を探しに行かないと世界情勢もわからない。これほど情報が溢れている時代なのに、みんなが摂取したい情報は、残酷な異国の現実より、波風のないやさしい情報なのだろう。 もちろん私も同じで、頭の片隅にはあるけれど、遠い国のことより自分の日常を平和にすることに専念しようと何度も思った。 昨年、はじめて踏み出したチャリティ企画。 ありがたいことにたくさんの人に協力していただき、わずかだけれどユニセフ

          内側にあるもの

          "見えないものを、想像する" 最近の思考の種。 いかに新しいことをするか。時代の先をいくか。 そんなことを考えていた時もあった。 コロナ禍で社会とのつながりも人間関係もリセットされて、ゼロになった。絵を描き始めて、陶芸をはじめて、仕事以外でデジタルに触れることが少なくなってから、未来への解像度がぐんと下がった気がする。 「未来を見据えて進む」から、シンプルに「今日1日を生きよう」に変わった。 情報が溢れる世の中で、自分も他人や情報に振り回されている部分はある。インター

          年の瀬に

          京都へ移住して、二ヶ月。来た頃にうっすら色づき始めた紅葉ももう終盤。東京で暮らしていた時よりも、冬の寒さは厳しい気がする。 友人と移住を考えはじめたのはコロナ禍に入ってすぐのことだったので、2年が経過していた。着実に準備を進めてきたはずだったが、実際住んでみるといろんな問題が起こる。想像できなかった事態に困惑したり、歓喜したり。感情も大忙しの年末。 先月はイベントで東京に一週間ほど出張していた。友人も入れ違いで出張が続いたので12月に入ってやっと、共同で借りたアトリエが機

          流れ星

          一週間前、浜松でのイベントを終え、週末はアトリエを決めるため京都へ飛んだ。9月はゆっくり生きてる自分には早すぎる1ヶ月だった。 浜松のイベントは、初めての単独出店。これまでのイベントは、母と妹が作ってるお皿がメインだった。自分の作品は時間がかかってしまい量産が難しいため、この一ヶ月は毎日陶芸をしていた。 浜松入りした日はひどい台風の日で、イベント前夜はひっきりなしに洪水警報が鳴り響いていた。当日もどうなるかと思っていたけれど、嘘みたいな夏空の二日間。感情に委ねてつくった作

          大家さんと、わたし

          今の家に引っ越してきてから、もうすぐ2年。 それまでは長年妹と暮らしていたので、一人で暮らすことに寂しさを感じていた。家探しをしていたのもちょうど2年前の今頃。色々まわったけど、なかなか気に入る物件がなくて、最後の最後に見たのが今住んでいる部屋。古いお家だけど、日当たりがよくて、広くて、どこか素朴で。自分の身の丈に合っている気がした。 引越し当日、朝一で新しい部屋に来てバルサンを焚いた。その後、引越し業者が来るため前の部屋へ。荷物の積み込みが終わって、前の家の鍵を引き渡し

          新たな地へ

          16年目の東京。デザイナーになるために上京したけれど、今や私の仕事はパソコンさえあればどこでもできる時代になった。 フリーランス6年目の私は、コロナ前に地元の秋田に移住しようと計画していたが、瞬く間に広がったパンデミックで地元に帰れなくなり1年が過ぎてしまった。その間に家の更新で引越しをして、地元に戻ることも白紙になり今に至る。それも一つの運命だったのかもしれない。 コロナ前と今で、仕事も生活もガラッと変わった。長年描いていなかった絵を再開して、本格的に陶芸をはじめて。そ

          井の中の蛙

          連日うだるような暑さが続いているけれど、梅雨に続いていた頭痛もだるさも取れて、洗濯物も粘土もすぐ乾くので、毎日家事と陶芸を楽しんでいる。 先週は名古屋出身の友人の帰省に合わせて名古屋・多治見旅行へ。 行きたかった雑貨屋さんや器屋さんへ行って、友人の実家でご飯会をした。 コロナ前にも一度名古屋へ来たことがあったけど、その時は一人で常滑観光と陶芸をしたのみだったので、今回は友人がいて倍楽しめた気がする。 岐阜の多治見は、陶磁器の生産地としても有名な地。今回行ったのは、陶芸

          いつか還る

          関東が梅雨入りしたらしい。 自分の統計的に、梅雨の時期に思考が滞るということがここ数年の日記を見ているとわかる。梅雨のせいか、体調のせいか。「人間」疲れがすごい。 SNSを開くだけでも、広告などのキャッチしたくない情報がバーっと目と頭に飛び込んでくる。昔はどのSNSもこんな状態ではなかったが、今はほぼ広告だとか知らない人の投稿とか。ブロックしても次から次へと湧いてくる。そんなのばかり見ていると「人の欲」が目に見えるように伝わってくる。不自然に美しく整えられた写真も、心のな

          石を磨く

          「みなさんこんにちは。今日から校長になります石橋です。とってもワクワクしています。」そう言って先生は、シャツの下に仕込んでいたプッシュ式のライトを押して胸のあたりを光らせた。 これは私が中学の時、新しい校長先生が赴任してきた時の最初のあいさつ。穏やかな笑顔に、つるっと光る頭。それまで校長先生=偉い人、厳しいというイメージがあったので、気の抜けたあいさつに驚いた。 その後も先生は、むずかしい言葉を一切使わず、ストレートな言葉でユーモアに富んだ話を続けた。思春期真っ只中の中学

          これでいいのだ

          戦争について嘆いたり、考えたり、思ったことを書いてきたけれど、自分ができることの第一歩を実践してみました。 Komoriさんは色んなものづくりをしている作家さんで、twitterで知り合った。お会いしたことはないけれど、好きなものや考え方がとても似ている(たぶん笑いのツボも似てる)のでこの人とは絶対にいいものが作れる!と思って声をかけさせていただきました。案の定めちゃくちゃいい人&仕事が早くて、瞬く間に企画が実現した。 チャリティ企画をやってみたいと思っていたものの、なか

          2022年、あっという間に3ヶ月が過ぎ去った。今年に入ってから2ヶ月、地元の秋田で仕事をして、毎日雪景色を見ていた。先日東京に戻ったら雪景色はピンクの桜吹雪に。同じ日本でも、こんなに景色は違うのね。 地元では町を歩く人の速度もゆっくりで、人にぶつかることはない。2ヶ月ぶりに新宿駅に降りたら、人混みをうまく歩けなくなっていて、たくさん人にぶつかってしまった。なんだか上京当時を思い出した。 目を背けたくなるような戦争がはじまってから1ヶ月。いつも口だけの停戦協議で、全く終わる