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井の中の蛙

連日うだるような暑さが続いているけれど、梅雨に続いていた頭痛もだるさも取れて、洗濯物も粘土もすぐ乾くので、毎日家事と陶芸を楽しんでいる。

先週は名古屋出身の友人の帰省に合わせて名古屋・多治見旅行へ。

行きたかった雑貨屋さんや器屋さんへ行って、友人の実家でご飯会をした。

作家さんの器などを扱っているセレクトショップNODE

コロナ前にも一度名古屋へ来たことがあったけど、その時は一人で常滑観光と陶芸をしたのみだったので、今回は友人がいて倍楽しめた気がする。

岐阜の多治見は、陶磁器の生産地としても有名な地。今回行ったのは、陶芸作家の安藤雅信さんと奥様で衣服作家の安藤明子さんが主宰するギャラリー百草。古民家を移築したそう。

ギャラリーの中も作品も、うっとりするほど美しかったけど、何よりも外の緑と苔達が好きだったなぁ。雨上がりの緑は元気いっぱいで生命力に溢れている。いつか窓から緑が見える小さいお家に住みたい。

百草の入り口。雨上がりの緑のトンネル。

もう一つ印象的だったのは、多治見のモザイクタイルミュージアム。日本でタイルがどのように作られているか、使われてきたかの歴史がわかりやすく展示されていた。古い銭湯の壁に使用されている富士山の絵のタイルや、ばあちゃんちのお風呂場にあった石が集合したみたいな昔ながらのタイルとか。いろんな種類があることに驚いた。

お魚タイル、かわいい。
鶴?のタイルの集合は切手みたい。

いろんなものを見て、心も満ちた。友人が、名古屋や多治見を拠点に活動している作家さん達とご飯を食べる機会を作ってくれた。自分もSNS等で活動を追っていた作家さん達だったので、彼らが話すことの一言一言に重みがあった。今後どんなふうに活動していくか迷走していた自分にとって、とてもありがたい時間となった。

名古屋の居酒屋、わかば屋さんのお刺身。器は多治見で活躍されている宮木英至さんの器。

先週、いつか出してみたいと思っていたイベントの選考通知が届き、9月は初の浜松にて2日間通しで出店することが決まった。8月も初のオンラインでの販売をするのでとてもわくわくしている。

そうそう、この「わくわく」。私が自分の中で一番好きな感情。

今年も半分が過ぎ去って、振り返るとずっと陶芸に向き合ってきた。去年の今頃は本づくりと絵を描くことでいっぱいだったので、一年後何してるかなんてほんとわからない。

一人で黙々と作業をすることに慣れているので、今回のように色んな作家さんやお店の人達とじっくり話をする機会はかなり久しぶりの感覚だった。人と話すことで見えてくる自分もいるのだね。

旅から帰って、たくさん生まれた感情を描き出して、自分が向き合うべきものをまとめる作業をした。

周囲に振り回されることなく、井の中の蛙でいること。
このnoteでもずっと書いてきたけれど、結局私の軸にあるものは、
" 好きなものを好きのまま、ずっと、いっぱいつくること"

みんな老後楽したいとか、早く退職したいとかいうけれど、私は一生手を止めたくない。たくさんつくって最期までつくって、残して、死にたい。絵も、陶芸も、もっと自分がいいと思えるものを描けるように、つくれるようになりたい。

それだけを軸に、子供の時からずっと、描いたりつくったりしてきたのだよね。メンタルはくそほど弱いけど、絶対折れない図太い芯がある。

「井の中の蛙大海を知らず」は、見識が狭く自分の範囲内でしか物事を考えられないということの例え。もとは中国の思想家である荘子の言葉が由来だそう。

この言葉が日本に伝わった後「されど空の深さ(青さ)を知る」と誰かが続きを付け加えたそう。「狭い世界で自分の道を突き詰めたからこそ、その世界の深いところまで知ることができる」という意味。

なんかしっくりきた。自分だけの世界には、争いも嫉妬もない。ただ自分の作りたいものを追求して身を委ねること。昨日の自分よりちょっとでも成長できたならそれでOK。休むことも、サボることも、大切な課題。誰に認められなくても、自分がいいと思えるものを生み出せたなら、日々幸せを更新していけるだろう。しばらくはそれでがんばってみようかな。自分の軸だけを信じて、わくわくしながら。

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