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【配給会社ムヴィオラの映画1本語り】『春江水暖〜しゅんこうすいだん』⑦山水画の絵巻を映画にする、と簡単に言うけれど。
「ストーリーを通じて現代の町の変化をいかにとらえるかを考えるうちに、英題にもなっている『富春山居図(Dwelling in the Fuchun Mountains)』という絵巻物からヒントを得て、映画を絵巻物のように描くことを思いつきました」(グー・シャオガン監督/2019年11月24日 東京フィルメックスでの上映後Q&Aより)
*フィルメックスでのQ&A 左は市山尚三さん、右は、今監督取材で
【配給会社ムヴィオラの映画1本語り】『春江水暖〜しゅんこうすいだん』⑤「これは驚いた」「これは映画史に残る」。10分53秒の自由。
リュミエール兄弟によって、パリのグラン・カフェ地階の「インドの間」で、『工場の出口』を含む10本の短編が上映された1895年12月28日。この日を「映画が誕生した日」と呼んだりもするが、それから125年。それだけ経てば、映画の撮り方・作り方はセオリーだらけで、もう「映画の表現」は出尽くしたろう、新しいことなんかないだろうと思う人がいるかもしれない。映画に愛着のない人だと「映画はもう古いメディアです
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『春江水暖〜しゅんこうすいだん』は1988年生まれの中国新世代監督グー・シャオガンの長編劇映画第一作。うっかりすると、これまでも中国映画で見たことのある「ある家族の大河ドラマ」という印象を与えてしまう面もあるのだが、私の初見での印象は何をおいても「驚き」だった。こんな映画が出てくるなんて!という嬉しい驚きに溢れていた。
その後、監督に話を聞いたところ、さらに驚かされたのが、「クルーと一緒に撮った