テレビから追い出された芸人がいる?!映画紹介「テレビで会えない芸人」🎬
皆さんは芸人、松元ヒロを知っていますか?
松元の舞台は年間120本。毎年春と秋に開催するソロ公演「ひとり立ち」はチケット入手困難です。
彼はかつて社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」に属し、数々のテレビ番組に出演していました。
ダウンタウンがデビューしたころと同時期にブレイクし、彼らとも共演していたようです。
しかし、90年代末から活動の場を舞台に移し、テレビに出ないようになりました。
彼のトークは政治や時事問題をネタにした社会的なものが中心になっています。
時の政権に厳しく、(第三次安倍内閣を大惨事安倍内閣と言ったりします。)原発や憲法といったセンシティブなテーマのネタもどんどんでてきます。
舞台では大変な人気者なのに、なぜテレビに出ないのか?あるいはテレビが出せないのか?
松元の故郷、鹿児島のローカルテレビ局が、「テレビ自身が出せないと言ってしまうものは何か。そこにチャレンジしたい」
ということでテレビドキュメンタリーの制作をしました。
松元ヒロの芸と舞台裏に密着し、「放送できない芸」を放送してみせた番組は、2019年7月に放送すると話題になり、日本民間放送連盟賞など各賞を獲得。
受賞を受けて、全国で再放送されましたが、放送時間は午前4時ごろから・・・。これじゃ見れないということで映画にすることになりました。
この映画は、なぜテレビが芸、人気ともに優れた芸人を手放したのかを考察し、自己批判するドキュメンタリーなのです。
監督を務めた、94年入局の鹿児島テレビの四元良隆さんによると、入局当時の制作の基準は「面白いかどうか」だったのに、現在は「大丈夫か、抗議が来ないか、という言葉が先に出る」と苦笑しながら言及しています。
テレビ局がいろいろな方面からの批判を恐れ、自分たちで空気を読み、勝手に自主規制してしまっているのでしょう。
テレビ自らが表現を萎縮させてしまい、結果、どのテレビ局も同じような内容の番組かつ同じような雰囲気の出演者を使い、あたりさわりのないものを流して、結果として、テレビそのものをつまらないものにしてしまっているのでしょう。
松元ヒロは言います。
「風刺をやりたいというより、制限なしにしゃべりたいだけです。自民党の人が呼んでくれたって、ちゃんと面白い話ができますよ。」
「お客さんも僕も政治的には少数派でしょう。その少数派の声を代弁したい。庶民の笑いをやりたい。」
「タブーといわれることをみんなが恐れて触れなければ、やっぱりタブーは肥大しますよね。
でも多くの人は言えない。タブーですから。だから僕が言う。それによって気づく人はきっといる。所詮はお笑いですが、だから逆に強いんですよね。」
松元が、20年以上語り続けるネタに日本国憲法を擬人化した「憲法くん」があります。
立て板に水のごとく前文をそらんじ、「現実」にそぐわないから私を変える?私って「理想」だったんじゃないですかっ!と語りかけます。
続きは、皆さん映画や、舞台で見てください!
パンフレットには、映画の自主上映会の募集をしていました。
参考文献
『テレビで会えない芸人』公式プログラム/東風+鹿児島テレビ放送発行・編集/2022年1月14日発行
執筆者、ゆこりん
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