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映画「戦雲(いくさふむ)」―②宮古島、石垣島

前回からの続きです。




宮古島と石垣島も軍事要塞化されつつあるのです!!


宮古島

与那国島の次に自衛隊の基地計画を進んだ宮古島。
すでに航空自衛隊の分屯地がある野原という集落の向かいに、ミサイル基地を作るべく、2017年11月、工事が着工されました。
そして地元住民の反対運動もむなしく2年後の2019年3月に宮古島駐屯地が完成し、野原に住む人々はすっかり基地に囲まれてしまいました。
地元住民の畑の目の前が、基地の正面ゲートとなってしまったのです。


住民は門の外から反対を叫びます

「月日がたつにつれて戦争の準備だよね。というのが分かってきてどうするのという気持ち」「なんで安心して子どもを育てる未来を奪われなければならないのだろう」


宮古島駐屯地が完成すると島の南東の端にある保良にも工事のトラックが押し寄せるようになりました。
集落のすぐ隣の採石場にミサイルや火薬を保管する弾薬庫が新設される計画なのです。
工事を少しでも送らせるための地元住民による牛歩作戦もむなしく弾薬庫を備えた保良訓練場は完成し、2021年11月島にミサイルが運び込まれました。

さらに2023年7月、保良訓練場に長さ300メートルの射撃訓練場が完成します。



集落にまで響き渡る銃声に、地元住民は射撃音の大きさを測定し防衛省に抗議しています。
決してあきらめない住民たち。

「黙って、しょうがないさ、になることは絶対にないと思う。やめる理由がない。まだここが戦場になっていなくて、まだ誰も死んでないから、諦める必要がないでしょう。」

 

石垣島

石垣島にもミサイル基地が作られる計画がありましたが、予定地である於茂登、嵩田、開南、川原の4つの集落が結束して反対していたためになかなか話が進んでいませんでした。
これらの集落は戦後に移住してきた人々が命がけで開拓してきた場所です。
住民の一人は先祖の土地を米軍の嘉手納基地建設のために奪われたので石垣に移り住んだのです。
当時は石ころだらけでマラリアが蔓延する土地でしたが、困難を乗り越え豊かな農地に作り上げたのです。
「若者と仕事を作って一緒に協調して暮らせるよう静かな環境を渡したい。」というのが反対する理由です。

しかしです。
地域の若者たちが島の未来は自分たちで決めたいと「石垣市住民投票を求める会」を作って2018年に住民投票を求める活動に乗り出し、住民投票実施を求める条例案を1万4千票を超える署名が集まったのですが、石垣市は否決したうえ、市の「自治基本条例」から住民投票の条文を削除しました。
住民の声は無視され、2019年3月、石垣駐屯地の基地建設が始まりました。



2023年3月、住民投票を求める声を無視して建設が始まった石垣駐屯地がついに開設。
その2日後には石垣港にミサイルが到着し、抗議の声を浴びながら石垣市の繁華街を堂々と通って基地に運ばれていきました。

2023年の秋、南西諸島全域で民間港湾や空港が軍事演習に使われました。
石垣港に14年ぶりに米軍掃海艇が寄港。石垣空港にオスプレイが飛来し、島は軍事色が一層濃くなっています。


戦争準備は着々と進んでいます。
もはや戦争はあるかないかではなくいつあるかの問題になってきています。

この流れを止めることができるのでしょうか?



執筆者、ゆこりん

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