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選挙結果振り返り(2024 3.24投票)


 多くの選挙が行われた昨日。 そこから10件、プラス取り上げ損ねていた1本を紹介します。 件数が多くて埋もれがちな選挙にも “衝撃” の結果が出ていますよ。




◆【取材済】長野県・宮田村議会議員選挙(定数12/17人)

 現職10人、新人7人が立候補し、政党別では公明と共産が1人ずつ立て、女性候補が2人出ている8年ぶりの選挙は現職3人新人2人が落選し女性候補は2人とも当選しました。

 前回が無投票で前々回が “定数プラス1” の選挙だったのに今回は5人落選の大激戦となったため投票率も8年前から約2ポイント増加。 やはり候補者が多くて(更に「アレ」候補もいない)選挙は盛り上がりますね。
 共産候補は8位で3選。 これまで同村で議員も候補も出さなかった公明も6位当選で初の公認議員誕生となりました。
 コチラについては明日以降にレポートをリリースする予定なので、お楽しみに。

 では、残り9件プラス1件の紹介に移ります。


◎北海道・松前町長選挙

 3期務めた現職が退任し内装業の人と前副町長の新人2人が争う、8年ぶりの選挙は前副町長が僅差で制し初当選しました。

 現職退任→副町長立候補という定番の流れは事実上の禅譲であり、それを有権者が信任するか否かという選挙になり多くは副町長の圧勝となるのですが、この選挙で内装業の人が迫ったという結果を見ると現職があまり支持されていなかったか、副町長が実際は後任候補ではなかったかのどちらか。 現職と内装業の新人候補が同じ「石戸」さんですが血縁関係が有るのかどうかは分かりません。 とりあえず自民系が副町長を応援していたようなのでそれが勝因なのでしょう。


◎岩手県・北上市議会議員選挙(定数26/30人)

 現職21人、新人9人が立候補し、政党別では共産が3人、公明が2人、立憲と社民、参政が1人ずつ立て、女性候補が9人出ている8年ぶりの選挙は現職2人新人2人が落選。 女性候補は8人当選しました。

 小沢一郎氏のお膝元で野党系が強い場所で、今回も政党公認候補は全員当選。 立憲候補が4位、社民候補が9位。 そして共産は16位19位23位で下位ながら全員当選で議席を守りました。 衆院選で小沢氏に勝った自民の藤原氏が “女性ダンサー懇親会” の責任を取り青年局長を辞任した影響が有ったのでしょうか。 市議選に自民公認候補がいないので詳細は分かりませんが。
 何より女性議員が6人から8人に増え3割を占める構成となったコトが最大の収穫となった選挙です。(参政党については次に触れます)


◎宮城県・大和町議会議員選挙(定数16/22人)

 現職14人、新人8人が立候補し政党別では公明、共産、参政党が1人ずつ立て、女性候補は3人出ている選挙は現職4人新人2人が落選し、女性候補は全員当選しました。

 先程の北上市議選とコチラに候補を立てた参政党はどちらも当選。

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 大和町議選は「37歳女性」という党にとっての “売れ線” 候補を立てて狙い通り6位という上位当選。 北上市議選の「53歳男性」候補も当選し三沢市議選での敗戦から立て直した形です。 やはり神谷独裁者代表が投票日前日に応援に入る効果は大きかったようですが、その時に神谷独裁者代表は、

「胃ろうの老人に対しお金(医療費)を使ってていいのか?」

 という旨の発言をしているコト、有権者は知って投票したのかなぁ・・・?

 そして共産。 5期目を目指す71歳男性が立候補しましたが、前回 “定数プラス1” でブービー当選という人では6人落選の構図で勝ち抜くのは厳しかったようで、20位落選となり議席を失いました。 とはいえ共産の現状を鑑みれば誰を立てても厳しい戦いだったかもしれません。


◎山形県・遊佐町長選挙

 前の町長が病気で亡くなられたコトを受けた選挙で、いずれも町議を辞して立候補した男性と女性の一騎打ちは女性候補が当選。 町で初の女性首長が誕生しました。

 女性候補が現職の後継候補をアピールしていたので「現職の死去」という状況を考えれば当選は固かったのでしょうが、気に留めておく点ハ女性候補に対し知事と国民民主の舟山康江氏が応援していたコト。 このコンビが応援する候補が県内の首長選で勝ち続けているので、両者の次の選挙でも現状では盤石だと思われます。


◎秋田県・羽後町議会議員選挙(定数12/14人)

 定数を一気に4人も減らし、現職11人、新人3人が立候補し政党別では共産が2人立てた、全員男性の選挙です。

 今週のポイントのひとつ、「定数プラス2の選挙に共産候補が2人」の選挙、その①です。 2人とも安定の70代で、2期目を目指す人が前回10位。 6期目を目指す人が前回15位でした。 定数が減る中でコレを見る限り、1人に絞った方が良かったような気もしますが現職を降ろすなんて非情なコトが出来ないのが良くも悪くも共産党。  さて、吉と出るか凶と出るか・・・ と思っていたら、案の定2人とも落選の共倒れ! 1候補に絞れば余裕の当選圏内で1議席は死守できていたのに・・・ もう少し戦略を練ろうよ、マジで。


◎茨城県・阿見町議会議員選挙(定数18/22人)

 コチラが「今週の選挙」で取り上げ損ねた選挙。  現職11人、元職2人、新人9人が立候補し政党別では公明2人と立憲が2人ずつ、共産と幸福実現党が1人ずつ立て、女性候補2人出ている選挙は、現職1人新人3人が落選し女性候補は2人とも当選しました。

 地方選挙に、ひょっこり候補を立てるコトでお馴染み幸福実現党。 女性の新人候補を立て、15位で当選。 またもやちゃっかり地方議員を増やすコトに成功しました。
 幸福実現党は所謂 “落下傘候補” は立てず、その地区に所縁が有る人を立てる戦略なので、候補者個人に人望や人気が有れば当選するのです。 もちろん党名を極限まで隠す戦略もいつも通りとっていたと思われますが、何はともあれ国政ではサッパリな同党ですが地方ではジリジリと勢力を伸ばしている点はご記憶いただければ。

 共産は14位で当選し議席を守りましたが、75歳で今回が初公認となる現職と県議選に出て落選した元職の2人を立てて現職が落選。 前回最下位当選だった人に公認を出して、更に元職を立てたならばこういう結果となるのは明らかで、結果として議員入れ替わりの議席維持となったとはいえ「落選」という結果自体が党に悪影響が出ます。 立憲はこの現職のような強くない候補に公認を出して落選するというパターンが割と多いので、もう少し公認を出すコトに慎重になるべきでしょう。


◎石川県・かほく市長選挙

 6期目を目指す現職に市議を辞した女性の新人が挑む、20年ぶりの選挙は現職が6戦を果たしました。

 元市議は初当選時に選挙運動経験がある一方、現職は初当選時を含め一度も選挙を戦ったコトが無く、もしかしたら・・・ と思っていましたが結果は現職がダブルスコアで圧勝。 能登半島地震から間もない中で有権者が首長を変えるというテンションにならなかったコトが大きいのでしょうが、現地で取材した選挙ウォッチャーさんによると、新人はあまり強そうにも見えず、現職はあまり選挙運動していなかったようなので余裕の戦いをしていたと思われ、然るべき結果だったのだろうと。 ともあれ、5期連続無投票を避けるために町議を辞して立候補した新人には、無条件でリスペクトです。(もちろん “選挙出まくりマン” は論外です!)


◎三重県・明和町長選挙

 町長の死去に伴う選挙で元副町長と3回連続立候補の人、そして元会社員の新人3人で争う選挙は元副町長が9割の得票を得て圧勝。 初当選を果たしました。

 選挙となった背景と他の2候補が「アレ」と思われる人なので「皆まで言うな」という結果なのでしょう。 これ以上申すコトは御座いません。


◎京都府・南山城村議会議員選挙(定数10/12人)

 現職9人、元職1人、新人2人が立候補し、政党別では共産が2人、公明が1人立て、女性候補は1人出ている選挙は現職新人1人ずつが落選。 女性候補は当選しました。

 コチラが前述の「定数プラス2の選挙に共産候補が2人」の選挙、その②です。 羽後町議選では “共倒れ” という最悪の結果でしたがコチラは4位5位の上位当選。 サスガ京都、共産の強さは健在です。


◎鳥取県議会議員・鳥取市選挙区補欠選挙(定数2/3人)

 議員の辞職と失職に伴い、自民推薦公明支持を受ける猟師、立憲・国民民主・社民の推薦を受ける元連合鳥取副事務局長と、維新公認の元市議の3人で争う選挙は自民推薦候補と維新公認候補が当選しました。

 失職した議員は公選法違反で有罪が確定した自民公認県議なのですが、それを隠すために「42歳女性」しかも「猟師」という政党色の薄い人を擁立した自民の底力が表れた結果です。 一方で県連代表の石破氏が全力支援していたようですが一連の裏金問題に石破氏が関わっていないコトも良かったのでしょう。

 そしてもうひと枠に入ったのが、維新。 昨年4月に市議に初当選し1年足らずの転身ですが、失職県議に対する批判票がコチラに集まったようです。

(クリックやタップで拡大してご覧ください)

 統一地方選後では中国ブロックで初当選です。 国政議員や地方議員が総出で支援していた成果が出たのでしょう。
 その煽りを喰って国政野党系の連合出身候補が落選。 当選した2候補が40代に対し65歳という候補では見劣りしてしまったのでしょうか。 自民が政党色の薄い候補を立てたせいで最も組織(連合系企業)頼りの戦いをせざるを得ず、それだけではやはり厳しかったのでしょう。

 それにしても、投票率が「27.60%」って・・・  選挙行こうよ(涙)。


以上となります
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