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神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち、現在は都内でイベント制作の仕事をしなが…

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神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち、現在は都内でイベント制作の仕事をしながら「地域興し」にも携わりつつ、海外や国内の離島を中心に旅をする中で、様々なトラブルに巻き込まれ続けています…。そんなトラブルを中心とした、ホッコリと笑える「旅話」をエッセイ形式で配信中!

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  • 【旅のトラブル】インド・シュリナガル編

    インド・ジャム&カシミール州のシュリナガルで体験したトラブル記事をまとめています。

記事一覧

30歳の誕生日、そして…(アメリカ・ニューヨーク)

2012年9月28日の夜、羽田空港を飛び立ち14時間、ニューヨーク「ジョン・F・ケネディ国際空港」に降り立っていた。 「9月28日」日付は変わっていない。 「時差…

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4年前
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2回のカウントダウン(アメリカ・ニューヨーク)

「参加したい気持ちは分かるけど、やめたほうが…」 「なんで?」 「あれは地獄だ! もし行くなら、オムツが必要だね」 オムツという言葉を聞いた瞬間「なぜ?」が、頭の…

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4年前
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最終日、そして…(インド・シュリナガル7/7)

窓の外から吹く、生温い風を浴びながら考える。なぜ、この場所にいるのだろうか。全ては、自分が選択してきたことだ。それは分かっている。この経験を無駄にしたくない。そ…

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4年前

試練は続くよ。どこまでも(インド・シュリナガル6/7)

奴らからの仕打ちは、いつになったら終わるのであろうか。 シュリナガルで過ごした日々は過酷すぎて、もはや精神も限界に近い! 一刻も早く、奴らから解放されて楽になり…

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4年前
3

ボスの家にて(インド・シュリナガル5/7)

毛布にくるまりながら、震えていた。連日の肉体的疲労や精神的な疲労もあり、意識はウツロウツロとしているけど、絶対に寝てはいけない。もしもの時は、実行するしかないの…

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4年前
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一本の電話(インド・シュリナガル4/7)

どこにあるのだろうか。僕が探し求めているモノは。 日本とは違い、インド北部のシュリナガルでは、なかなか見つける事が出来ない。祈るような気持ちで探し続けるうち、僕…

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4年前
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希望の暗号(インド・シュリナガル3/7)

「絶対に許さない!」 インドのシュリナガルで「ぼったくりツアー」に参加しながら、心の中で唱え続けていた。ここを脱出したら、自分を騙した奴らに痛い目に合わせてやる…

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4年前
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目の前にあること(インド・シュリナガル2/7)

目の前に置かれたカレーを右手で掴み食べ始めると、皆が物珍しそうに僕のことを見ている。インドに到着して1週間、既にインド式にも慣れ始めてきたが、どこか恥ずかしい。 …

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4年前
6

旅のはじまり(インド・シュリナガル1/7)

シュリナガル。 言葉として存在は知っていた。しかし、旅に出るまでここに来る計画などなかった。なぜ自分がこの街にいるのか理解が出来ていない。いや違う。頭の中で理解…

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4年前
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旅の始まりとエッセイの開始

はじめまして。Motoと申します。 今後、様々な旅のトラブル話をエッセイ形式で書いていくにあたり、簡単にですが、自己紹介をしたいと思います。 僕は、神奈川県の茅ヶ崎…

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4年前
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30歳の誕生日、そして…(アメリカ・ニューヨーク)

30歳の誕生日、そして…(アメリカ・ニューヨーク)

2012年9月28日の夜、羽田空港を飛び立ち14時間、ニューヨーク「ジョン・F・ケネディ国際空港」に降り立っていた。
「9月28日」日付は変わっていない。
「時差」という誰もが使える魔法を使い、20代最後の1日を伸ばすことが出来た。そして、誕生日を初めて海外で迎えた後、30代をスタートさせる。

「Motoの英語は、聞き取りやすいよ」
宿泊している家のオーナーである、ケニーの一言に「ホッ」と、気持

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2回のカウントダウン(アメリカ・ニューヨーク)

2回のカウントダウン(アメリカ・ニューヨーク)

「参加したい気持ちは分かるけど、やめたほうが…」
「なんで?」
「あれは地獄だ! もし行くなら、オムツが必要だね」

オムツという言葉を聞いた瞬間「なぜ?」が、頭の中を巡り続ける。でも、現地に長年住むルームメイトの話を聞いていくうち、その過酷な状況を理解することが出来た。氷点下近い真冬の寒空の下、ベストスポットを確保するため長時間エリア内に待機し、トイレに行きたくても、エリア外に出ることを許されな

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最終日、そして…(インド・シュリナガル7/7)

最終日、そして…(インド・シュリナガル7/7)

窓の外から吹く、生温い風を浴びながら考える。なぜ、この場所にいるのだろうか。全ては、自分が選択してきたことだ。それは分かっている。この経験を無駄にしたくない。そのためにはどうすれば? ゆっくり考えよう。時間はあるのだから。

朝起きると、レミーはすぐにシュリナガルへと戻っていった。これで、悪者軍団の一員はサジャーンだけだ。今日の夜、ついにカルカッタに向けて出発する。平穏に22時発の電車に乗るまで過

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試練は続くよ。どこまでも(インド・シュリナガル6/7)

試練は続くよ。どこまでも(インド・シュリナガル6/7)

奴らからの仕打ちは、いつになったら終わるのであろうか。
シュリナガルで過ごした日々は過酷すぎて、もはや精神も限界に近い! 一刻も早く、奴らから解放されて楽になりたい。でも、現実は甘くなかった。

シュリナガル最後の夜を、悪人軍団のボスの家で、命からがら過ごした後、ついに、インド3番目の大都市「カルカッタ」へ向かう時が来た。2つの都市間は、直線距離で約2300キロ離れている。前日にボスから渡されたの

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ボスの家にて(インド・シュリナガル5/7)

ボスの家にて(インド・シュリナガル5/7)

毛布にくるまりながら、震えていた。連日の肉体的疲労や精神的な疲労もあり、意識はウツロウツロとしているけど、絶対に寝てはいけない。もしもの時は、実行するしかないのだ! 僕は人生最大の決意を固めていた。

シュリナガルを脱出して、カルカッタへ向かうことが決定したが、その前に大試練が待ち受けていた。必死の思いで「希望の暗号」を作り、バックパックに荷物をまとめていたら、突然、ボスが信じられないことを言い始

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一本の電話(インド・シュリナガル4/7)

一本の電話(インド・シュリナガル4/7)

どこにあるのだろうか。僕が探し求めているモノは。
日本とは違い、インド北部のシュリナガルでは、なかなか見つける事が出来ない。祈るような気持ちで探し続けるうち、僕の心に焦りの色が出始めていた。

初の海外一人旅に旅立つ前、インドに到着したら、連絡する事を両親と約束していた。しかし、シュリナガルは、電話回線が通っていないエリアが多く、携帯電話も役に立たない。入国して1週間以上が過ぎているが、未だに連絡

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希望の暗号(インド・シュリナガル3/7)

希望の暗号(インド・シュリナガル3/7)

「絶対に許さない!」
インドのシュリナガルで「ぼったくりツアー」に参加しながら、心の中で唱え続けていた。ここを脱出したら、自分を騙した奴らに痛い目に合わせてやる。騙した相手が悪かったと思い知らせてやる。しかし、ツアーの最中にドライバーから、こそっと言われていた事が気になる。
「ツアー代金の支払いを拒否しないほうが良い」
「値段が高いと口にするな」
「それが自分のためだ……」
そのため、移動する車内

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目の前にあること(インド・シュリナガル2/7)

目の前にあること(インド・シュリナガル2/7)

目の前に置かれたカレーを右手で掴み食べ始めると、皆が物珍しそうに僕のことを見ている。インドに到着して1週間、既にインド式にも慣れ始めてきたが、どこか恥ずかしい。
思い切って“グッド!”と親指を立ててみる。すると、自分たちの食事が認められたことが嬉しいみたいで、緊張が解けたのか、様々な質問が投げかけられはじめる。
「日本はどこにあるの?」
「ニューデリーから日本までの飛行機代はいくら?」
「結婚をし

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旅のはじまり(インド・シュリナガル1/7)

旅のはじまり(インド・シュリナガル1/7)

シュリナガル。
言葉として存在は知っていた。しかし、旅に出るまでここに来る計画などなかった。なぜ自分がこの街にいるのか理解が出来ていない。いや違う。頭の中で理解はしているのだが、現実として受け止める事ができない。

一体いつになったら、この場所を出られるのであろうか?

街中に目線をうつすと、真冬の防寒具を着用し、ライフルを手に構えた警官らしき人の姿や、古びた色のない衣服を纏った人達が見える。これ

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旅の始まりとエッセイの開始

旅の始まりとエッセイの開始

はじめまして。Motoと申します。
今後、様々な旅のトラブル話をエッセイ形式で書いていくにあたり、簡単にですが、自己紹介をしたいと思います。

僕は、神奈川県の茅ヶ崎市という海沿いの街で生まれ育ち・海遊びを中心に生活をしてきました。旅というと、父親が休みの際に、家族で行く国内旅行が中心で、海外は1度だけ「ハワイ」に行ったことがありました。正直、特に旅が好きな少年ではなかったし、大学生の終盤に差し掛

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