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ジャスティス!

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ステキな文章を寄せています。お読みになって!
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2020年1月の記事一覧

ネガティブに勝った話

ネガティブに勝った話

12月、あまりにも忙しくやらなければいけないことが溜まり脳がぐるんぐるんとしてきて叫び出しそうになりました。
すると本当に頭の中で脳がぐるんぐるんと回り始めた。
縦に。
まず「何で?」と思った。
しかしその「何で?」という思いも脳が縦に回るものだから餅つき機の餅のように引っ繰り返ったりこねられたりして「何で?」は原型をとどめず結果、餅になった。
自分でも「あれ?なんで今餅?」と思ったけれどもやっぱ

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お部屋を片付けなくても綺麗にする方法

お部屋を片付けなくても綺麗にする方法

カーテンの揺れ方が発狂している。
なんかめちゃくちゃな方向に揺れ続けている。
その動きが「おんまかちん!まかちん!!」みたいなわからない無意味なことを永遠に言われ続けているように感じる。
それが人間だったらもう殴ってる。
こんな状態が続けばこっちも発狂してしまう。
その動き、頼むからやめてくれないか。
布のくせに。
普通がいいな。
普通に揺れてほしいな。
もっと軽やかに。
スピッツの歌みたいに。

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世界の感じ方

世界の感じ方

ゴミみたいな日々だけど心の底から「どうでもいい」と感じたときなんかは「生きよう!さらに!」とひっそりと思ったりします。
うどんをすするのと同じです。
自分のバンドの歌はそんな想いを自分なりに形にしています。
地獄の底でもラブソングを聴くでしょうか?
前向きも後ろ向きも無い。
ただすべてがどうでもよくなると鬼の前でも嬉しみが自然に湧いてくるはず。
そのことに関しては「絶対に曲げない!」と思うけれど悲

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パンク

パンク

この歳になってもシドビシャスにシビれる。
ああいうふうにぐちゃぐちゃに生きたい。
思いのまま突っ走って両手を広げて勢いよく地獄に飛び込みたい。
今頃になってよけいに思う。
その思いが強すぎて切なくなって涙が出ちゃうときもある。
男の子だから。
なんとかなれないものだろうか、シドビシャスに。
ドラッグは大変そうだからすいませんがやらずに。
ベースもややこしそうだから弾かずに…。
許してくれるなら長い

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幸福の条件

幸福の条件

アホほどいっぱいの子犬に囲まれながらピストルズのレコード聴いて、
カレーうどん食べながら貯金通帳に100万円くらい入ってて、
ズボンの長さはちょうどよくて、
棚にはジャッキーチェンのブルーレイが全部揃ってて、
冷蔵庫にブドウがたんまりあって、
玄関にサイズ大っきいけどキュッと締めればキチンと履けるブーツがあって、
マリワナは解禁されて、
空は曇りで雨が降るか降らないかの感じやって、
生きている恐竜

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頭の中に何匹もいる話

頭の中に何匹もいる話

頭の中に翼竜が住みついたなんて誰に相談をしたらいいんだろう。
この忙しいときに何でこんなことに。
何匹もいる。
そんなはずないのに。
頭の中に生き物が住めるわけがないし。
これは変だ。
俺は普通だ。
ミュージシャンだけどドラッグもやってない。
できるだけわけのわからないことが起きないように生きてきた。
翼竜のことなんて今まで真剣に考えたことが無いし意識もしたことがない。
でもいる。
奴らは確実に頭

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タイムスリップの方法を思いついた

タイムスリップの方法を思いついた

右目は現実が見えるのに左目は江戸時代が見える。
うどんを食べてる最中に突然思いついたタイムスリップの方法を中途半端に試した結果がこれだ。
「何事も中途半端はいけない」と中学3年のときの先生の言葉が身に沁みてわかった。
「あの先生どうしてるかな」とか思ってる今もフンドシ一丁で桶を運ぶ魚屋が左目の前を通り過ぎ、アイフォン片手にポケモンを探す子供が右目の前を通り過ぎた。
そのあと何度もタイムスリップを実

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クールの誕生

クールの誕生

そのレコードは俺の人生を変えた。
スピードを持って回転しながら飛んできたレコードは鋭利な刃物みたいになってズルリという音と共に俺の腹をえぐった。
今お腹の途中のとこでそのレコードが停まっている。
立ってられないのでその場で寝っ転がることにした。
勝手にボッピュボッピュと噴き出す血。
逆に冷静になるくらい痛いから意識がはっきりしててツラい。
苦痛が瞬間ごとに襲ってくる。
朝日が昇ってる方向だったから

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眠り

眠り

寝て見る夢は顔面から始まる。
自分にとっては毎回そうだから「絶対にそうだ!」と言い切れるのですがまわりの友達にこの話をしても全く納得されません。
くやしい。
夢のカメラは確実に顔面にピントを合わせて始まり、カメラはふわ~っと後方に下がりバックの情景を映し出していく。
みんなきっと毎朝起きた瞬間に忘れてしまっているのだと思う。
今夜も布団に入り眠りについたらやっぱり夢は顔面から始まりました。
今夜の

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そういうことだからそういうことなのか、でも言わせてもらう

そういうことだからそういうことなのか、でも言わせてもらう

俺はその刀をよけきれなかった。
今、奴の刀が俺の額に触れようとしている。
今!今!今!
来る!
そう思いながら待つ。
あら?
どうしたんだろう?
もう来てるはずなのに刀が当たった感覚が無い。
ああ、すでに死んだっぽい。
なぜなら全感覚が無い。
視覚も聴覚も触覚も嗅覚も味覚も。
うどん屋でうどんを喰ってる最中に切りかかって来られたからわかる。
出汁を感じない。
香りも感じない。
うどん屋のグツグツも

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商売

商売

「あなたの情けなさ、私が買います」という言葉と電話番号を記した紙を町内中の電柱に貼りまくったらさっそく電話がかかってきた。
「まずお名前を」そう私が聞くと彼は「…どこか」とだけ答えた。
「どこか?」と返すと彼は「消えたい…」と答えた。
もう彼の独白は始まっていた。
「その話の旨によって値段を決めさしてもらいます。よろしいですか?」と答えると彼は「…聞いてくれるだけで結構です、場合によってはこの世か

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愛があれば

愛があれば

愛があればゴミも喰える!
と言ってゴミ箱のゴミをペロリと平らげ、どうだ!と振り向いたら彼女の姿は消えていた。
「サヨナラ」と書いたメモを机に残し。
彼女の残像かのように揺れるカーテンを見つめながら思った。
死のう。
それしかない。
ゴミもさっさと喰えるくらいだから首もすぐに吊れるさ、とタカをくくっていたら、どういうわけだか縄輪っかの前で躊躇している自分がいる。
やはり愛か。
愛が無ければ何にもでき

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