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京都西陣の海外文学専門店モンターグ・ブックセラーズです。

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記事一覧

気になるエピグラフ 12月号

エピグラフ(epigraph)=書物の巻頭などに引用されている銘句 両手を叩く音は知る、 ならば片手を叩く音は? ――禅の公案 『ナイン・ストーリーズ』(ヴィレッジブック…

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12月の注目の海外文学

12月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『英国王の暗号円盤を解読せよ 上・下』/クライブ・カッ…

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海外文学注目の新刊

11月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『十三の謎と十三人の被告』/ジョルジュ・シムノン (著),…

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海外文学注目の新刊

10月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦』/デニス・E・テ…

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海外文学注目の新刊

9月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『数字を一つ思い浮かべろ』/ジョン・ヴァードン (著), 浜…

海外文学注目の新刊

8月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『長くつ下のピッピ リンドグレーン・コレクション』/ア…

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海外文学注目の新刊

7月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『十人の小さなインディアン』/アガサ・クリスティ/渕上…

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海外文学注目の新刊

6月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『マスター・スナイパー』/スティーヴン・ハンター/玉木…

海外文学注目の新刊

5月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『影の子』/デイヴィッド・ヤング/北野 寿美枝/早川書房…

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『アーダ』[新訳版]ウラジミール·ナボコフ 著/若島 正 訳/早川書房

「鏤(ちりば)める」 読めませんでした。無作為に何かを散らすのではなく、慎重に場所を決め、そこに「嵌め込む」。この作業を「鏤める」というのだとか。  ナボコフが『…

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海外文学注目の新刊

4月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『最後に鴉がやってくる』/イタロ・カルヴィーノ/関口英…

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海外文学注目の新刊

2月下旬以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』/ケン・リ…

海外文学注目の新刊

2月に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『織られた町の罠』/エンミ・イタランタ/末延弘子/西村書店…

『デイヴィッド·コパフィールド』チャールズ·ディケンズ 著/石塚 裕子 訳/岩波文庫

 同じギャグやボケを繰り返して笑いをとる技法を「天丼」というのはご存じですか?天丼には海老が2本乗っているからなのだとか。  『デイヴィッド·コパフィールド』は…

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海外文学注目の新刊

1月下旬以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『善いミリー、悪いアニー』/アリ・ランド/国弘喜美…

1月海外文学注目の新刊

1月(以降含む)に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。 ■『モナ・リザ・ウイルス(上)(下)』/ティボール・…

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気になるエピグラフ 12月号

気になるエピグラフ 12月号

エピグラフ(epigraph)=書物の巻頭などに引用されている銘句

両手を叩く音は知る、
ならば片手を叩く音は?
――禅の公案

『ナイン・ストーリーズ』(ヴィレッジブックス)
ジェローム・デーヴィド・サリンジャー=著/柴田元幸=訳

集団のなかではとるに足りない男だ。
せいぜい一個人といったところだ
ルイ=フェルディナン・セリーヌ『教会』

『嘔吐』(人文書院)
ジャン・ポール・サルトル=著/

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12月の注目の海外文学

12月の注目の海外文学

12月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『英国王の暗号円盤を解読せよ 上・下』/クライブ・カッスラー (著), ロビン・バーゼル(著), 棚橋 志行 (翻訳)//扶桑社// 2018/12/2
■『死刑囚最後の日』/ユゴー (著), 小倉孝誠 (翻訳)//光文社/光文社古典新訳文庫/ 2018/12/3
■『過ぎ去りし世界』/デ

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

11月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『十三の謎と十三人の被告』/ジョルジュ・シムノン (著), 松井百合子 (翻訳)//論創社/論創海外ミステリ/ 2018/11/5
■『名探偵ルパン』/モーリス・ルブラン (著), 矢野 歩 (編集), 保篠龍緒 (翻訳)//論創社/論創海外ミステリ/ 2018/11/5
■『カフカの父親

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

10月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『われらはレギオン 3: 太陽系最終大戦』/デニス・E・テイラー (著), 金子浩 (翻訳)//早川書房/ハヤカワ文庫SF/ 2018/10/4
■『賢者の怖れ 6』/パトリック・ロスファス (著), 山形 浩生 (翻訳)//早川書房/ハヤカワ文庫NV/ 2018/10/4
■『用心棒』/

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

9月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『数字を一つ思い浮かべろ』/ジョン・ヴァードン (著), 浜野 アキオ (翻訳)//文藝春秋/文春文庫/ 2018/9/4
■『元年春之祭』/陸 秋槎 (著), 稲村 文吾 (翻訳)//早川書房 /ハヤカワ・ミステリ/ 2018/9/5
■『プレイバック』/レイモンド・チャンドラー (著)

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

8月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『長くつ下のピッピ リンドグレーン・コレクション』/アストリッド・リンドグレーン、 菱木 晃子//岩波書店// 2018/8/4
■『ロビンソン・クルーソー』/ダニエル・デフォー、 唐戸信嘉,//光文社/光文社古典新訳文庫/ 2018/8/6
■『トニオ・クレーガー』/トマス・マン、 浅井晶

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

7月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『十人の小さなインディアン』/アガサ・クリスティ/渕上痩平/論創社// 2018/7/4
■『犯罪コーポレーションの冒険 聴取者への挑戦III』/エラリー・クイーン /飯城勇三/論創社// 2018/7/4
■『あなたを愛してから 』/デニス・ルヘイン/加賀山 卓朗 /早川書房 /ハヤカワ・

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海外文学注目の新刊

6月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『マスター・スナイパー』/スティーヴン・ハンター/玉木 亨/扶桑社// 2018/6/2
■『死者と踊るリプリー』/パトリシア・ハイスミス/佐宗鈴夫/河出書房新社// 2018/6/5
■『虎の宴』/リリー・ライト/真崎義博/早川書房 /ハヤカワ・ミステリ/ 2018/6/5
■『要秘匿』/

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

5月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『影の子』/デイヴィッド・ヤング/北野 寿美枝/早川書房/ハヤカワ・ミステリ / 2018/5/2
■『死刑囚』/アンデシュ ルースルンド/ヘレンハルメ美穂/早川書房/ハヤカワ・ミステリ文庫/ 2018/5/2
■『彷徨える艦隊 ジェネシス 先駆者たち』/ジャック・キャンベル/月岡小穂 /早

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『アーダ』[新訳版]ウラジミール·ナボコフ 著/若島 正 訳/早川書房

『アーダ』[新訳版]ウラジミール·ナボコフ 著/若島 正 訳/早川書房

「鏤(ちりば)める」
読めませんでした。無作為に何かを散らすのではなく、慎重に場所を決め、そこに「嵌め込む」。この作業を「鏤める」というのだとか。
 ナボコフが『アーダ』に潜ませた様々な隠喩、皮肉、洒落、オマージュ、そして作中の言葉で言うところの「華麗な美文」 (purple passage) には、「鏤め」られているという言葉がぴったりだと思います。

 物語の舞台は「アンチテラ」という地球とよ

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

4月以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『最後に鴉がやってくる』/イタロ・カルヴィーノ/関口英子/国書刊行会// 2018/4/2
■『ホース・ソルジャー(上)(下)』/ダグ・スタントン//早川書房// 2018/4/4
■『コールド・コールド・グラウンド』/エイドリアン・マッキンティ //早川書房/ハヤカワ・ミステリ文庫/ 20

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

2月下旬以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』/ケン・リュウ/中原 尚哉/早川書房// 2018/2/20
■『サイレント・スクリーム』/アンジェラ・マーソンズ/高山 真由美/早川書房// 2018/2/20
■『アベルVSホイト』/トマス・ペリー/渡辺 義久/早川書房// 2018/2/

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

2月に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『織られた町の罠』/エンミ・イタランタ/末延弘子/西村書店// 2018/2/1
■『孤島の祈り』/イザベル・オティシエ/橘 明美/集英社// 2018/2/5
■『盗聴』/ザ・ゴードンズ/菱山美穂/論創社// 2018/2/5
■『闘争領域の拡大』/ミシェル・ウエルベック/中村 佳子/河出書房

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『デイヴィッド·コパフィールド』チャールズ·ディケンズ 著/石塚 裕子 訳/岩波文庫

『デイヴィッド·コパフィールド』チャールズ·ディケンズ 著/石塚 裕子 訳/岩波文庫

 同じギャグやボケを繰り返して笑いをとる技法を「天丼」というのはご存じですか?天丼には海老が2本乗っているからなのだとか。

 『デイヴィッド·コパフィールド』はモームの「世界の十大小説」にも選ばれている名作です。この作品、至るところにディケンズの「天丼」が炸裂しているんです。
 滑稽さだけではなく、人物の純朴で暖かい人柄や、不気味さ、哀愁などを同じ行動やフレーズを繰り返させることで表現しています

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海外文学注目の新刊

海外文学注目の新刊

1月下旬以降に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『善いミリー、悪いアニー』/アリ・ランド/国弘喜美代/早川書房/ハヤカワ・ミステリ文庫/ 2018/1/24
■『アルテミス(上)(下)』/アンディ・ウィアー/小野田和子/早川書房/ハヤカワ文庫SF/ 2018/1/24
■『わが闘争2 恋する作家』/カール・オーヴェ・クナウスゴール /

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1月海外文学注目の新刊

1月海外文学注目の新刊

1月(以降含む)に発売予定の注目の海外文学作品をリスト化しました。網羅しているわけではないのでご了承ください。

■『モナ・リザ・ウイルス(上)(下)』/ティボール・ローデ/酒寄進一/小学館/小学館文庫/ 2018/1/4
■『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』/ジョイス・キャロル・オーツ/栩木玲子/河出書房新社/河出文庫/ 2018/1/9
■『刑事ザック 夜の顎(上)(下)』/モンス・カ

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