毎週土曜日ゴールデン街のソワレというお店で日替わりママをしています。
コロナ禍に創作活動も、仕事も激減、リモートワークばかりの生活に飽きあきしたことからはじめてみたゴールデン街…
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#ゴールデン街
寂しさを癒す旅 : 今日はGUCCIをブっ壊したっすね
朝の4時半。26歳だと言うモンゴル人のお兄さんが入って来た。背は小さいが筋肉質でガタイが良い。服装から、肉体労働者だとすぐに分かった。
仕事が深夜に終わり、始発を待つため、ふらりと入って来たと言う。なんの仕事か聞いてみた。
「カイタイっすね」
「カイタイ?」
「そうっす。店舗を壊してスケルトンの状態にするんっす」
解体業の会社に5年ほど勤めていると言う彼は、訛りもなく自然な日本語で話しやすかっ
モモコのゴールデン街日誌 「身に沁む」〜南米の黒縁メガネくん
店を開けたらすぐ、コロンビアから来たという若い男がひとりで入ってきた。28歳だという。
「イイデスカ?」
黒縁のメガネをかけており、大きな目が余計におおきく見えた。カールした髪も、上下で揃えたアディダスのスウェットも真っ黒だ。
入ってきてから、日本語しか話さない。しかし、ものすごくヘタだった。携帯の画面でグーグル翻訳を見ながら
「ビールイチ」
「クダサイ」
というので、
「そういう時は
モモコのゴールデン街日誌 「薔薇」5月17日
I am a cat.
夏目漱石の「吾輩は猫である」の英訳タイトルだそうだ。漱石の英語版など読んだことがない。
先週お店にきたカナダ人の若い男性が、英訳されたこの小説が好きで、日本に興味を持ったといい、初めて知った。
さらっとした涼しげな素材の白い半袖のシャツに、シルバーの薄いフレームのめがね。いかにも頭の良さそうな感じがするから聞いてみると、大学院生でAIの研究をしているという。
「前