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でもだから・だからでも/いつかの未来と今の話

日曜日、来年2月で引退する武藤敬司の年内ラスト試合を配信で観た。
火曜日、休業前のNHK某の番組にラスト出演する氷川きよしをテレビで観た。
そんなこんなで、なくなってしまったある芝居小屋のことを思い出したりもしてた。
 
10年前に閉館した小屋。大阪は深江橋にあった。
閉館する前日夜の客は8人だった。
「なんで閉まるん」
私の感傷的な言葉に劇場スタッフはぴしゃりと言った。
「お客さん入らんもん」
思い入れもへったくれもない顔で。
「私好きだったのに。よぉ通ったのに」
睨まれた。不審そうな顔をされた。
よぉ通ったと言っても当時よく観ていた劇団の一か月公演に通っていたくらい。
以外は一か月に1度2度くらい。
それくらいでなにを今更? とでもいうような顔だった。忘れられない。
感傷に浸るのは簡単。きれいな言葉を後から言うのも簡単。
もしかしたらそれはほぼほぼ自己満足にも近いかもしれない。
潰したのは自分かもしれない。それも思い上がりなのだろうけど。
 
「泣きたいですよね」
感謝とか尊敬とかを込めて〝お兄さん〟と呼ばせていただいている方の言葉だ。
「最後、ちゃんと泣ける自分でありたいですよね。そのときまで後悔しないように」
推しを追うにあたっての想いを聞かせていただいた際のこと。
ちょっと、ずっと、胸の中に残っている。
いつも私が思っていること(に本当に近いと思うこと)を言葉にして下さる方で、
話された大事な言葉はたくさん私の中に大事に仕舞っている。
そんな中でも忘れられない言葉のひとつだ。
泣くのすら自己満かもしれない。けれど、でも、
私たちは舞台には立つ人ではないし、立てないけれど、
推しの気持ちも相手や他人の気持ちもきっとすべて本人にしかわからないけど、でもだから「一緒になりたい」「一緒にいたい」よなあ、と思ったりする。
 
いつかなくなってしまうから。いつか無くなってしまう前に。今を大事に。
そんなことをより思うようになった最近なのだが、
それも傲慢なのかもしれないな。とも、思ったりもする。
人は皆いつか死ぬし、永遠に続くものなどほとんどない。
皆皆が不老不死だとたいへんだ。わかってる。
 
でも。でもそれでも。だから。
 
今。今を、ちゃんと。
「すべき」とかじゃなく、「したい」、したいなあ、っていう自分の気持ち。
だからって殊更に気負い過ぎることはないとも思う。
いつ〝その日〟が来るかはわからない、わからないその日が来ても、
自分以外をもっと思いやれるようでありたいなあ、
そしてその「いつか」が、もし、不当なこと……
誰かや何かによって理不尽に迎えなければならないときやこととなったら、
なるのであれば、そこは全力で声をあげたり、たたかったりはしなきゃだし、していきたいな。
そのために知識やすべやをは持っておかないと、おきたいな、とも思う。
誰かやなにか、不当なそれ、は、なかなか巨大なことやときが多いけれど、多くても。ま、その究極に生老病死があって、それにはどうしようもないことも多いのだけれど、それをも、だから、ちゃんと考えていきたい、とも思う。
 
全然まだまだで、日々反省の中にいるばかり。
でも、いろんな皆に気持ちや力をいただいて、だから、私も、へたくそなりとも、
ちょっとでも、ちょっとずつでも、返したり、伝えたり、出来たらな。です。
 
武藤敬司はもうええんかもしれへんなあ。
あの日の声援についてバックステージで「去り行く者に対しての声としか思えないね」みたいなことを言っていた。ああ、武藤さんやあ、って思った。
我が師匠(の一人)であり亡くなった関西を代表する喜劇作家・檀上茂の言葉も思い出した。
「成し遂げた、頂点に立った人にしか見えない景色があるねん」
そうすると、もう、あとは……なのかもしれない。体は限界、でも、こころは?
同じ日フワちゃんのプロレスデビュー密着番組のスタジオで雛壇に座っていた武藤さんが本当に楽しそうにVTRを観ていた姿が忘れられない。ま、元々飄々とした人みたいだけれどさ。
そして、あの試合のフワちゃんは、めちゃくちゃ綺麗だった。
いい景色がみれたんだろうな、って思った。
氷川きよしはもう今生をやりきったのだろうな、かもしれないね。しんどかったね。
でも、いつかの未来へ「おめでとう」を言いたい。
2年前の『限界突破』、ほんまにええステージやった。きっと、大丈夫。そして、ありがとうだ、マジで。
 


なんかまとまらんかった。が、このまま。(そんな日もある(かな))


文中の芝居小屋の過去記事と、〝限界突破〟の過去記事はこちらです。


と、書いていて、と、アップしようとして、なんか思い出した(きっと同じようなことを書いている)ので貼っておこうかな、な2つです。

 





以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
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ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。
大阪の物書き、中村桃子と申します。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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秋。体も気持ちもしんどくなりがちやけど。皆、無理せず、どうぞどうぞ、元気でね。

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