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百億の昼と千億の夜(著:光瀬龍)【読書紹介を語るうちに、なにか奇妙なものが自分の中に出現し始めた。それは自分の境界線を越えて】

こ、今回は日本が誇る古典SFの大名作。
あまりにも巨大すぎるスケール感は、ちょっと他では見当たらない。
宇宙の始まりから生命の勃興とその滅亡まで。
それでもSF界隈では探せばあるっちゃあるけど、まあまあ見当たらない。

しかも終末ものである。
核戦争とか理解できるレベルの終末ではない。
もっと超越的で一方的な終末である。
基本的に下がっていくストーリー展開である。
だからといって盛り上がらないということはなく、
解けない謎がどんどん悪魔的に膨らんでいくのに、
胸が落ち着かない気持ちにさせられる。

これは、陰謀論とか考えるときと、
同じ脳の分野を使っていると思う。

とにかく、私たちの不安さにダイレクトに語り掛けてくるのだが、
まあ、そこはお話なので、楽しめる不安です。

****
視点は、最初のうちは複数あり、

アトランティス伝説を探るプラトン、
宇宙の謎について調べる釈迦、
そしてナザレのイエスとローマ総督ピラトゥスの話が出てきて、

さらに共通編へと、地球の荒廃した未来の話へと進みます。

この世界では、滅びが何度も繰り返されるようです。
なぜか、必ず繁栄は失われ、
ものさびしい滅亡という結果に必ずなるのです。
しかも、それに謎がある!
作為的なのです。

さらにアトランティス滅亡の記憶を思い出すプラトン、
プラトンは前世で実際にそこにいたのですが、
アトランティス王族は建物くらいの大きさがある人たちばかりで、
もうすでに何かがおかしいです。
そして王族の人たちは、あるとき唐突に自分の国を滅ぼします。

いったいなぜ?

共通編に至って、
あしゅらおうと呼ばれる謎の美少女が、
一行に参加してきます。
原作だと女性感を感じないのですが、
コミック版だと紅一点です。

コミック版は萩尾望都先生である。こっちの方がいいかも。
ただし私は未読。

まあそんなことより、
滅亡する世界の果てにて、ものすごい結末にまで、
最終的にたどり着きます。
読者はこの途方もない結末に、圧倒されるでしょう。

これ、ハミルトンの「あの作品」と同じネタかあ。
と後で知りました。
BISビブリオバトル部の伏木ちゃんが大好きなSF作家です。
これを紹介したらもうネタバレになっちゃうけど・・・

これは教養レベルに知名度の高いSF小説です。
読んで損をすることはないでしょう。

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