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翼を持つ少女BISビブリオバトル部(著:山本弘)【読書紹介もひとりでビブリオバトルをしたけど、それが読書紹介だよ】

ビブリオバトルとは、好きな本をお互いに紹介し合い、審査員の読んでみたい度を高くした方が勝ち。という風変わりな文科系スポーツ。競技なんですね。本への愛が問われるだけでなく、説明力やプレゼン力も求められます。

山本先生はSF中心に書いておられる方ですが、
これはラノベ枠というかジュブナイル枠というか。
青春小説です。

制服がない代わりに学力は高めで自由度の高い高校(BISというのはこの高校の名前その名も美心国際学園なのだ)に進学した主人公の少女は、
SFが大好きなのですが、
それを語ることができずに困っていました。
SFが好きな人が身近にあまりいない。

しかもあるSFに無理解な男子と電車の中でもめてしまいます。
ガールミーツボーイのお話にもなっているんですね。

それでなんだかんだで、ビブリオバトル部と出会い、
件の男子もその部のメンバーでして、
まだ甘酸っぱい展開にはなりませんが、

文章は、彼目線のものと、彼女目線のものが、
交互に現れる一人称形式ですね。

好きな本に対して、うまく語れない所から、知らない人へその魅力をてらいなく伝えられるようになっていく、その成長の過程が描かれています。
もちろん嫌らしい他の学校の生徒とのビブリオバトルという、厄介なサブミッションも同時進行しながら。

青春小説ですね。
シリーズものらしく、これは第1部。
本当は後続の作品も紹介するべきなんですが、
うちの本棚に会ったやつを読んだだけなので、まだ続編シリーズは読めていません。
私が読んだのは以下の単行本バージョン。

***
まあビブリオバトルって、
こんな読書感想文もそのひとつに入るのかどうかわかりませんが、
(集団でやってるわけじゃないし)

あとがきによると立命館の谷口准教授が発明したスポーツらしく、
楽しそうな感じがすごくうらやましい!
私はこういうので、なんかのグループに入れたことないし、入ってもうまくやれたことなかっただろうし、
なんだったらテーブルトークRPGなんかもひとりでやってたし(泣)

いいなあ、と思います。
でも今からだと時間が無さすぎる。

****
もひとつ情報を。
どっちかというと当作品は、左翼的なスタイルのテーマです。
この本が書かれた時代は、左翼が論理を持っていた最後の時代でした。

一昔前は、右翼や保守が情緒的で、左翼が論理的というステロタイプでしたが、今や時代は一周回り、完全に逆になってしまってます。

ですから、本書を読むと、ちょうど戦後民が戦前の文学を読んでるような気が若干しますけど、まあ本書の面白さとはあまり関係ないので、そんなに気にならない個所とは思えます。

いやそれどころか、通にはそこが面白いかもしれない。

20年前は論理的な左翼がまだ生き残っていた最後の時代だったのですね。
だから左翼論法も鋭くシャープなものがあり、相手を論破して納得させるだけの論理的迫力があります。
今でも通用する論理力です。
ふしぎと今の左翼はこういう論理を放棄してしまい、ゲッベルス的な大きな声で怒鳴りまくる手法を愛用するようになってしまいました。そういうのばかりが目立ちます。

これらを読むと、自分たちが生きた歴史の中に住んでいるという、逆説的な痛快さを感じることもできるので、これは悪くない歴史体験ですよ。
余計な事を言っちゃったかな。

以上、とんでもない読書紹介でした。

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