宮崎駿の雑草ノート(著:宮崎駿)【わしはちょっと読書紹介を見てくる。内容がぜんぜんわからん。「一時間でもあやしいのに・・・」】
あんまり怖くない戦記マンガ。
御大は全共闘ど真ん中世代の人なので、かなりの赤なのですが、
それはそれとして、ミリオタで、ドイツ軍とか大好きな人です。
かわいいですね。
さて本作は短編マンガオムニバス。
何かのはずみでちょこっとだけ書いてた戦記物を、
90年代にまとめて本にしたやつ。
一話数ページくらいで、小さなエピソードが並びます。
パズーとシータみたいなのが、巨大多砲塔戦車をやっつけるラピュタな話。
そういう空想系の話もあれば、
日清戦争の定遠と鎮遠、清国の巨大戦艦の話。
中国空軍の数少ない日本爆撃作戦の話。
アメリカの巨人爆撃機と戦う日本の通報漁船。
スペイン内戦の時の、不格好なフランス爆撃機。
陸軍の小型空母がマダガスカル沖で海洋冒険小説する架空戦記。
第一次大戦のUボートとQシップの戦い。
あと、ドランシ大尉とハンス兵士の、ロンドン爆撃行。
またしてもドランシ大尉とハンス兵士の、使えないことで有名なポルシェティーガー戦記。
(この狂言回しコンビは時代を超えて出現するのです)
コミカルなタッチで作られている作品群で、
あんまり怖いシーンはないのですが、
戦争の悲惨さを完全に忘れさせないくらいのシリアスなカット程度はあります。
どちらかというと、悲惨さというよりは、
こんな無理のあるメカでだましだまし戦わなければいけないという、
悪戦苦闘する部分に、フォーカスを絞っている作品です。
どいつもこいつも欠陥兵器と急造兵器ばかり。
そう、今作は技術と人間がテーマです。
最新兵器とか、定番の主力戦力とか、名機とか、
そんなもんは少なくとも味方側では出てきません。
「この槍、使いがたし」
(野中中佐のセリフじゃないけど)
そんなんばっか出てきます。
御大の趣味志向がわかりますね。
ゼロ戦とかキングタイガーとかは、かすりもしないので、よろしく。
欠陥メカがスキな人にはオススメ。
続編は「泥まみれの豚」です。
最新編集版だと「紅の豚」の原作が追加されてるみたいです。
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