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  • 読書・鑑賞記録

    読書とか作品鑑賞した時とかの記録、長めの語りしてるやつもあるよ

  • Xの肖像

    筆者の気分とかなり連動しながらぐだぐだ書いてるオリジナル小説です。悩める中学生のお話。割と何もかもがすげー内向的な作品。諸々修正して投稿中です。

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図書室のネヴァジスタについて

※2022/10/2 追記・編集 ◇はじめにこんにちは、見ていただきありがとうございます!本記事は、同人ノベルゲーム「図書室のネヴァジスタ」の布教用まとめになります。たくさん書いてしまったので、少々お時間をいただきます🙏 「図書室のネヴァジスタ」とは、同人サークル「TARHS Entertainment(タース・エンターテインメント)」による女性向けノベルゲームです! 「アイドリッシュセブン」や「魔法使いの約束」でおなじみ、都志見文太先生が脚本及び演出、制作指揮を、そして

    • 生命体はなぜ眠るのか

      「生命体はなぜ眠るのか」  この問いをもってピノコニーの開拓クエストははじまり、この問いへの答えをもって終わる。最後まできちんと一本の軸で話が通っていて、本当に素晴らしかった。それゆえに、私も、ただ物語を読むだけで終わりたくないと思った。  というわけで、ひさびさに、読み終えた物語について自分の言葉でまとめるということをやってみたいなと思う。こういうことをするのはかなり、ずいぶん、久しぶりなので、なんだかとてもドキドキしている。こういうアウトプットをいちばん頑張っていた時期

      • 劇団四季『ノートルダムの鐘』

        2023/07/15 ソワレ ※全て現時点での私の主観 ※ものすごいネタバレがあるので注意! ◇人物についてメモ(全員載せられてなくて申し訳ない) 【エスメラルダ】 ・しなやかで体幹がしっかりしてて、見た目も中身も美しい……彼女が出てきた瞬間の、華やかさがすごくて、周りと全然違う、すごい人が出てきたなって思った。 ・エスメラルダの人生、期待と絶望の狭間で揺れ動きながらも、自分であり続けて生き続けている女性、あまりにも強い。彼女から受け取ったこの在り方が私にかなり衝撃を残し

        • 習作⑥「創作は僕を救わない」

          7月24日 天気:くもり、蒸し暑い  本を読み、感想を言葉にすることは僕が人生において大切にしていることだ。しかし、どんなにインプットとアウトプットを繰り返したところで、いつも心の中にぐちゃぐちゃになった何かがそのまま残っていて、僕の心の中がちっとも満たされない感じがする。  自分のことを自分の言葉で、自分のこととして表現することがこわい、こわいというか、許されないことだと思っていた。  僕のことを、僕のことのままで話そうとして、聞いてくれる人はいるだろうか。不快にして

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          2021年読書記録(13タイトル)

          ※手元のノートにある感想があまりに個人的すぎるため詳細は割愛。 「BANANA FISH ANOTHER STORY」 吉田秋生著 2021/02/27 ・借りたもの。かなり良い。光の庭を読むことで向き合わなければならないものが増える。が、奥村英二の解像度がかなり上がる。 「ナイン・ストーリーズ」 J.D.サリンジャー著 野崎孝訳 2021/03/12 ・サリンジャーを好きになってしまった本。これすごい。 「ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒」 菊石まれほ著

          2021年読書記録(13タイトル)

          「悲しみの秘義」

          若松英輔著 2020/11/30 偶然書店で見かけて、帯の言葉のやさしさに惹かれて買ってしまった一冊。読んでみると、フランクルの夜と霧や宮沢賢治の詩など、私が好きな言葉たちばかり引用されていて驚いた。この本に書かれた言葉は本当にやさしさに満ちているので、心を落ち着けたい夜に読むとすごくいい。人生において、暗がりもかなしみも、それを持つことは不幸ではないと思えた。素敵な言葉たちに出会えてうれしかったと思わせてくれる本だった。

          「悲しみの秘義」

          「家守綺譚」

          梨木香歩著 2020/11/04 初めてこの本に書かれた文章に出会ってから数年経って、再び古本屋にて再会したので頭からきちんと読んでみることにした。景色、音、匂い、全て文章から湧き立つ。原風景を揺さぶられ、わからないものをわからないものとして受け入れる心意気のある世界観と、精神を養おうとする綿貫のあり方に脱帽した。こんなに素晴らしい本にこの年齢で出会えてよかった。若輩者にはとてもありがたく、なんていうか、視界を拓いてくれるような作品だった。誰にでも手放しでお勧めできる本。

          「家守綺譚」

          「人間の土地」

          サン=テグジュペリ著 堀口大學訳 2020/06/07 3年越しの再チャレンジでした。本当にいい本です。特に7章は星の王子さまと合わせて読むと解像度がめちゃめちゃ上がります。文章は難解で、まだまだ理解しきれていないところも多いですが、サン=テグジュペリが伝えてくれる景色が本当に素晴らしくて、空から見える世界はこうなのか、彼が見ている人間の本質はこういうものなのか、と思い巡らすことがとても楽しかったです。この本を通して得られたものは本当に尊いものばかりで、ぜひ多くの方に読んで

          「人間の土地」

          「流浪の月」

          凪良ゆう著 2020/04/13 本屋大賞受賞作、そしてどうやら、犯罪の話を扱っているらしいと聞いて、本屋に飛んでいって買いました。 自分の近くにいる人の笑顔や泣き顔が、違うものに見えてくるような感覚に襲われてしまって、読後は涙が一滴も出ず、ただひたすら空虚な想いで満たされているような気持ちです。 文章はきれいに整えられていて非常に読みやすく、作品のテーマとして通されている思想も極めて現代的だと感じました。読んで損は無いと思います。 自分とは違うものに出会ったときに、自分の

          「流浪の月」

          「星の王子さま」

          サン=テグジュペリ著 河野万里子訳 2020/03/06 サン=テグジュペリはちゃんと知っているのだけど、「人間の土地」しか読んだことがなくて、この歳になって初めて読みました。とても愛情に満ちた作品でした。砂漠で王子さまに会えたなら、「きみは大人がきらい?」って聞いてみたい。

          「星の王子さま」

          習作④-6「橋間④」

           昨夜、別れる前に、橋間が言っていたことを思い出す。 「俺は生きるのが怖いけど、君は死ぬのが怖い。だから俺たち2人とも不幸だろ、それじゃ、生きるのも死ぬのも怖くなくなったら、幸福になれると思うんだ」  そのときは思わず橋間の顔を見たけれど、彼はいたって真面目な顔をしていた。今自分の言ったことが真理であると言わんばかりだった。      私はそんな安直な考え方に不覚にも、なるほど、と思った。世間の幸福な人たちはもしかしたら、死ぬことも生きることも怖くないのかもしれない。うまく想

          習作④-6「橋間④」

          習作④-5「橋間③」

          「君の気持ちはわからないけど、ある意味ではわかるかもしれない」  ある夏の日の夕方、橋間はチューブのシャーベットを吸いながら足をぶらぶらさせていた。 「死ぬのが怖いのと死にたくないってことは違うんだろ」  私はうなずいた。あまり実感の伴わないうなずきだった。 「俺たちはみんな人生に終わりがあるからまともに生きようと思えるんだよ、終わりがなきゃ、何したって構わなくなるからさ」  俺は怖い、と橋間はぽそりとつぶやいた。 「生きることが怖い」 「生きることが怖い」と私は復唱した。言

          習作④-5「橋間③」

          「BANANA FISH」私は救われなくていい

          ◇はじめに 本記事はBANANA FISHという作品に出会った筆者が、最終話視聴から3ヶ月経った今、どうにかして気持ちを整理したいと思い立って書き始めたものである。言語化が下手な奴が苦しみながらどうにかこうにかやっているんだなという気持ちで見守っていただければ幸いである。  また、どうしても作品についてはネタバレになってしまうと思うので、今見ているよ、とか、これから見るよ、という方は、くれぐれもご注意願いたい。できればこんな記事は読まずに、どうか先に作品を見てくださいm(_

          「BANANA FISH」私は救われなくていい

          習作④-4『幽栖の夢』

          『絶望とは憎むべき感情だろうかというのが、長らく私にとって最大の考察テーマだった。息苦しく、気がふれそうなほど苦しみに喘ぐ夜に、それでもその苦しみを愛せるかということが、この人生の行く先を決めると信じていた。』  手に取った本の冒頭には、そんなことが書いてあった。 「苦しみを愛せるか……」  難しいことを言っているなと思った。苦しみを愛せればそれはもう苦しみではないのではないか。  僕は、発作で絶望に満たされた夜を思った。僕が僕であることを最も憎む時間のひとつだった。  この

          習作④-4『幽栖の夢』

          習作④-3「或る文学少女」

           がたんごとんと、世界が音を立てて揺れていた。繋がったまま走るいびつな箱の中には、信じられないくらいたくさんの人間がびっしりと詰め込まれていて、箱が揺れるたびに僕は知らない人間とぶつかってしまう。優しい人は、ごめんなさい、と言ってくれるし、僕も会釈くらいは返せるけど、酷い人は舌打ちしてくる。  なかなか不愉快な乗り物だと思う。  時刻は午前10時過ぎ。  僕は隣市にある駅前の大きな本屋さんに行くため、電車に揺られていた。今日は休日だ。どこから湧いてきたんだと思うくらい多くの

          習作④-3「或る文学少女」

          習作④-2「橋間②」

           橋間に出会ったのは、私が仕事で手ひどく失敗した日のことだった。帰り道はめそめそしていたけれど、だんだんやけくそになって、コンビニに突入してお酒を買い込み、その足で公園に向かった。  ベンチよりブランコの方がきれいだったのでブランコに座った。そのまま黙々とビールを喉に流しこんでいるとだんだん気が大きくなってきて、私はおもむろに靴を脱ぎ、靴下も脱ぎ、ブランコを漕ぎ始めた。ブランコに乗ったのは久しぶりだったのだけど、あれほど必死に漕いでいたのはあのとききりだろう。気が大きくなるに

          習作④-2「橋間②」