Bakery pHirai

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第229回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の47回目

7月になっているので、「もう今年も前半が終了か~」とかいう人がいますが、我々大学にいる人間としては、4月に今年が始まったばかりで、まだ3,4か月しか経過していないし、前期も終わっていない。ということは、今年も結構長いのだなあ、と思ったりもするし…。この辺りは世間の人の感じ方と違ってきているのかもしれません。 これに関係しているかなと思いますが、昨日、「第11波のXXか!」とかYahooニュースで見かけました。このようなことをいう人の頭の中はどのようになっているのでしょうか?

    • 第228回:論文30の解説4回目(今回でこの論文も終わり。遺伝子発現の違いくらいまでは良いけれど、その先の細かな遺伝子の発現状況の変動と遺伝子の機能との関係性については、本当に勉強が必要です。若い世代の人たちはどのようにこのような雑多な知識を整理できているというのだ…?)

      はい、今読んでいる論文も今回で最後になります。 今までのデータを簡単にまとめると、高脂肪食を2週間摂食させた群の雄親からと普通食の雌親から生まれた子マウスには耐糖能異常を呈するものが出現することがわかりました。 で、その原因が、高脂肪食群の雄親の精子に含まれているscnRNA特に、ミトコンドリアで転写されるRNAの質と量が関係していることがわかりました。さらに、その精子が受精に使われた時には、胚の遺伝子発現に大きく影響を及ぼすこともわかりりました。 このことは、雄親の精

      • 第227回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の46回目

        またまた、週が明け、本日も別の大学での講義日になってしまいました。本日の講義内容は、ちょっと試験的かつ挑戦的な内容となっています、あの学生の皆様たちは反応してくれるでしょうか? 楽しみです。 ということで、今週のNature誌(Volume 631 Number 8019)にはどのような記事が掲載されていたのでしょうか? 私たちの研究室では、遺伝子組み換え技術によって、様々な研究をしていますので、やはり、技術面での興味というのは非常にあります。ですから、「構造生物学:プラ

        • 第226回:論文30の解説3回目(Fig.3のデータの解釈はう~んちょっと…。やっぱり、私たちもマウスなんかを使った動物実験がやりたくなりました。実際には、私がどこかの研究施設に異動できないと無理でしょうけれど…。うらやましいなあ~)

          論文名:Epigenetic inheritance of diet-induced and sperm-borne mitochondrial RNAs 掲載された雑誌:Nature 掲載された論文に関する情報:2024, Volune 630, p720–727 掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-024-07472-3 マウスを使った実験で、少なくとも精子の内部にミトコンドリアで転写されたRNA分子が含まれているということが示されてき

        第229回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の47回目

        • 第228回:論文30の解説4回目(今回でこの論文も終わり。遺伝子発現の違いくらいまでは良いけれど、その先の細かな遺伝子の発現状況の変動と遺伝子の機能との関係性については、本当に勉強が必要です。若い世代の人たちはどのようにこのような雑多な知識を整理できているというのだ…?)

        • 第227回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の46回目

        • 第226回:論文30の解説3回目(Fig.3のデータの解釈はう~んちょっと…。やっぱり、私たちもマウスなんかを使った動物実験がやりたくなりました。実際には、私がどこかの研究施設に異動できないと無理でしょうけれど…。うらやましいなあ~)

          第225回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の45回目

          今週のNature誌にも面白そうな論文が掲載されていました。 私たちは薬剤耐性菌の研究をしているので、細菌を薬剤耐性化するために必要な薬剤耐性遺伝子の運びやであるところのプラスミドの挙動については注目しています。そういう意味では、「微生物学:細菌のDdmDE防御系によるプラスミドの標的化と破壊」は興味深いといえそうです。 興味深いといえば、同じような論文がScience誌にも掲載されています。でもこちらのほうはFigureが本文の後ろについている、いわゆるオンライン版での

          第225回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の45回目

          第224回:論文30の解説2回目(とうとう、細胞としての精子の内部に含まれる小さいRNAについてのデータを読み時が来てしまいました。まったく初耳。遅耳ですが…)

          論文名:Epigenetic inheritance of diet-induced and sperm-borne mitochondrial RNAs 掲載された雑誌:Nature 掲載された論文に関する情報:2024, Volune 630, p720–727 掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-024-07472-3 で、この研究では小さいRNA(small non-coding RNAs、sncRNAs)について調べていきます。

          第224回:論文30の解説2回目(とうとう、細胞としての精子の内部に含まれる小さいRNAについてのデータを読み時が来てしまいました。まったく初耳。遅耳ですが…)

          第223回:論文30の解説1回目(昨日、慌てて、個々の一言を書くの忘れてた。結構忙しいんだなあ)

          論文名:Epigenetic inheritance of diet-induced and sperm-borne mitochondrial RNAs 掲載された雑誌:Nature 掲載された論文に関する情報:2024, Volune 630, p720–727 掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-024-07472-3 この、雄性が受けた環境変化をどうにかして子孫に伝えていこうとする機構がいろいろとあるということはわかってきました。

          第223回:論文30の解説1回目(昨日、慌てて、個々の一言を書くの忘れてた。結構忙しいんだなあ)

          第222回:論文30の解説0回目(仕事には全く関係ないのだけれど、最近あんまりうまくいかないので、ちょっと目先を変えた論文を読んでみましょう)

          論文名:Epigenetic inheritance of diet-induced and sperm-borne mitochondrial RNAs 掲載された雑誌:Nature 掲載された論文に関する情報:2024, Volune 630, p720–727 掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-024-07472-3 ちょっと、いろいろなことがうまくいきません。私たちの考えていることはあまり広くは受け入れられないようです。困りました

          第222回:論文30の解説0回目(仕事には全く関係ないのだけれど、最近あんまりうまくいかないので、ちょっと目先を変えた論文を読んでみましょう)

          第221回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の44回目

          なんだかおかしい。1週間たってしまっている。おかしい。 ということで、今週のNature誌()にはどのような論文が掲載されていたのでしょうか? おかしいなあ、1週間たっちゃってた。 おかしいなあ、と思った論文が「代謝:食餌が誘発する精子由来ミトコンドリアRNAのエピジェネティック遺伝」です。第212回で紹介した「微生物学:父系マイクロバイオームの乱れは仔の適応度に影響を与える」と同じような(厳密には違いますが)系統の論文です。 このような父系の遺伝形質が子孫に伝わると

          第221回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の44回目

          第220回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の43回目

          今週号のNature誌(Volume 630 Number 8016)にはどのような論文が掲載されていたのでしょうか? まずは、製薬業界の仕事の在り方をさらに換えるだろうと思われる「計算生物学:生体分子間相互作用のAlphaFold3による正確な構造予測」です。 コロナのワクチンくらいから、製薬業界の暗躍がとか、製薬業界の陰謀がなどと語られることも多くなってきています。ある意味本当だと思いますが、製薬業界も、副作用や副反応のない薬やワクチンを生み出せるのならば存在意義があ

          第220回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の43回目

          第219回:論文29の解説3回目(今回でこの論文はおしまい。次のアイデアはやや浮かびましたが、まだまだ足りない。論文を読んでいくのだ~)

          論文名:Interaction with a phage gene underlie costs of a β-lactamase 掲載された雑誌:mBio 掲載された論文に関する情報:2024, Volume 15 Issue 2 掲載された論文のDOI:https://doi.org/10.1128/mbio.02776-23 Fig.4には、プラスミドのない状態で、Fig.1~Fig.3まででわかった、relAの遺伝子変異がフィットネスにどのように作用するかということ

          第219回:論文29の解説3回目(今回でこの論文はおしまい。次のアイデアはやや浮かびましたが、まだまだ足りない。論文を読んでいくのだ~)

          第218回:論文29の解説2回目(ちょっとこの論文にはおかしいところがあるような気がするけれど、それはきっと方法のところに詳しく書いていないからだろうか?)

          論文名:Interaction with a phage gene underlie costs of a β-lactamase 掲載された雑誌:mBio 掲載された論文に関する情報:2024, Volume 15 Issue 2 掲載された論文のDOI:https://doi.org/10.1128/mbio.02776-23 さて、南の島は先週から大雨が降り続いていて、機能久しぶりにジョギングに出かけることが出来ました。 ということで、この論文の解読なのですが、それ

          第218回:論文29の解説2回目(ちょっとこの論文にはおかしいところがあるような気がするけれど、それはきっと方法のところに詳しく書いていないからだろうか?)

          第217回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の42回目

          昨日は、超強烈な雨のなか外部の講義に行ってまいりました。よその学生が非常によく映るのはどうしてなんでしょうね。不思議です。 さて、今週のNature誌(Volume 630 Number 8015)にはどのような記事が掲載されていたのでしょうか。 まず目についたのは、「社会科学:企業は消費者の反発にもかかわらずオンラインの誤情報に意図せず資金を提供している」と「社会科学:1月6日事件後のプラットフォーム排除により、ツイッター上での誤情報の到達範囲は縮小した」ですが、社会科

          第217回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の42回目

          第216回:論文29の解説1回目(今回は本当に、自分の研究というか、明日から、いや、そんなにはすぐではないけれども、ともかく実験や研究の企画に役立ちそうな論文を簡単に読んでいきたいと思いました。)

          先週の、研究報告会は、いわばディファレントワールド。もう、私の不勉強さが露呈されまくり、しかも、ノリがヤバイ。何だろうね。研究領域の違いというのはやっぱりありますが、研究領域ごとの雰囲気というのもやはりあるような気がいたします。基本的に、懇親会のようなお酒が入ってみんなでエンジョイみたいな場が得意ではないので、本当に困ります。逃げ出したくなります、というか逃げ出します。 でも、頑張らなければいけませんという気持ちになりました。4月から始まっていた講義・実習もひと段落したので

          第216回:論文29の解説1回目(今回は本当に、自分の研究というか、明日から、いや、そんなにはすぐではないけれども、ともかく実験や研究の企画に役立ちそうな論文を簡単に読んでいきたいと思いました。)

          解説した論文リスト(適宜アップデートされています)

          通常の論文解説はこちら 解説論文28(解説ならず…) 論文名:Temporal dynamics of the multi-omic response to endurance exercise training 掲載された雑誌:Nature 掲載された論文に関する情報:2024, Volume 629, pages174–183 掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-023-06877-w 解説論文27 論文名:Infant microb

          解説した論文リスト(適宜アップデートされています)

          第215回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の41回目

          はい、今週号のNature誌(Volume 629 Number 8014)です。 Nature誌に掲載された論文の多くは(比率は忘れましたが、50%くらいでしたでしょうか?)、引用されないという話(都市伝説ではないと思います)がありますが、Nature誌に掲載されている論文は、いろいろな意味で「極み」だったりします。 ただ、このような論文がトレンドを作っている可能性もありますし、これが製薬業界など大きなお金が動く経済と結びついて、それにさらに政治が絡んできたりしたときに

          第215回:毎週「Nature」誌から一つ、論文のabstract(日本語要約)を選んで、解説しながら紹介するとどんな風になるか? の41回目