第216回:論文29の解説1回目(今回は本当に、自分の研究というか、明日から、いや、そんなにはすぐではないけれども、ともかく実験や研究の企画に役立ちそうな論文を簡単に読んでいきたいと思いました。)

先週の、研究報告会は、いわばディファレントワールド。もう、私の不勉強さが露呈されまくり、しかも、ノリがヤバイ。何だろうね。研究領域の違いというのはやっぱりありますが、研究領域ごとの雰囲気というのもやはりあるような気がいたします。基本的に、懇親会のようなお酒が入ってみんなでエンジョイみたいな場が得意ではないので、本当に困ります。逃げ出したくなります、というか逃げ出します。

でも、頑張らなければいけませんという気持ちになりました。4月から始まっていた講義・実習もひと段落したので、また、新たな講義は始まっていますが、こちらにも書き始めようと思いました。続けられるのでしょうか?

論文名:Interaction with a phage gene underlie costs of a β-lactamase
掲載された雑誌:mBio
掲載された論文に関する情報:2024, Volume 15 Issue 2
掲載された論文のDOI:https://doi.org/10.1128/mbio.02776-23

薬剤耐性菌は薬剤耐性になる原因の遺伝子を外部から収集することで発声してきたと考えられていますが、この発生と、自然選択の間には、学説的なミゾがあるような気がしています。

遺伝子組み換えの膨大な実験からわかったことは、少なくとも大腸菌のような遺伝子組み換えで用いられてきているホストの中ではプラスミドは不安定で、抗生物質を入れていないと、プラスミドを持っていない細菌細胞が比率的に増えるということがあります。

このことから、プラスミドを持つということは、最近宿主にとっては重荷になるということで、フィットネス問題が出てくるようになりました。

でも、私たちの観察では、プラスミド、それも非常にサイズの大きいプラスミドを持っていても、それほどフィットネス、つまり発育速度にマイナスな点はなくて、十分に発育しています。

いままで、いくつかの論文を読んできていますが、やはりプラスミドを持つことで宿主細菌のフィットネスはあまり下がらないのかな? と思わせる結果になっています。

ということは、抗生物質を使わないということで、薬剤耐性菌の増殖を増やそうとしているWHOや各国のアクションプランはここでもやはり、エビデンス無視ということになるような気がしています。

ですから、私の頭の中には薬剤耐性菌を失くすということとフィットネスの関係がいつもあります。で、今回の論文も読んでみようと思っています。

Abstractを読みましたが、今一つピンときません。どうなっているのでしょうか?

ちょっと読んで、この論文の解説を書いてみようと思います。この論文は、自分の研究領域に関係ありますから、当然孫引き(引用文献をさらに読むこと)も必要でしょうから、脇道にそれたりするのでしょうが、それもまた新しいやり方でよいのでしょうね。

ということで、決意を述べた回になりました。勉強します。


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