第222回:論文30の解説0回目(仕事には全く関係ないのだけれど、最近あんまりうまくいかないので、ちょっと目先を変えた論文を読んでみましょう)

論文名:Epigenetic inheritance of diet-induced and sperm-borne mitochondrial RNAs
掲載された雑誌:Nature
掲載された論文に関する情報:2024, Volune 630, p720–727
掲載された論文のDOI:doi.org/10.1038/s41586-024-07472-3

ちょっと、いろいろなことがうまくいきません。私たちの考えていることはあまり広くは受け入れられないようです。困りました。どうしたらよいのでしょう。負けずに頑張るといっても、限度がありそうです。

ということで、Nature誌の論文紹介(というか雑感)を書いているのですが、そこで、立て続けに、世代を超えて雄性の遺伝形質を伝える論文が掲載されておりました。

ということで、選んだ論文は、精子の中に含まれているミトコンドリア由来のsmall non-coding RNA(sncRNAと略します)が精子(一つの細胞と考えてよいと思いますが)の中に含まれていて、それが子の代謝に影響しているということです。

このような論文を目にしたときに、STAP細胞のことを思い出しますが、この論文で書かれている精子の中に含まれているsncRNAが子の発達や大人になった時の状態に影響するということがいくつかの研究で明らかになっているということで、どうやら本当にこのようなことが起こっているということです。

また、私が非常に興味を持っている、解析技術も、このような論文ではふんだんに使われていて、ますますこれらの国との差があるのだと感じられます。

個人的なことでいうと、現状、私たちの研究費は限られていますから、オープンアクセスの論文掲載に一つの論文当たり30~50万円必要とされる状況は、好ましくありません。というか、研究を持続的に行うことは不可能です。ということは、研究費を獲得することは難しくなるし、お先真っ暗という状況になりかねません。というかなりつつあります。

話を元に戻すと、このNatureの論文では精子細胞のシングルセル解析をおこなっています。精子細胞に含まれるRNAを解析しているということです。

いまや、次世代シーケンサー(NGS)という解析機器が普通に使われるようになっていますから、そのような状況では、NGSを使った様々なアプリケーションというか、様々な解析法が駆使されるという研究が多くなされていきます。

でも、上に書いたように、50万円くらいの論文掲載料も支払えない状況の研究室では、NGSを常用して研究成果を出すことは難しいです。

また、脱線してしまいました。

ということで、次回から、この論文を解析していこうと思います。

ちょっと研究のやり方を考えなければいけませんね。本当に、つらい状況が襲っています。



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