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「愛するということ」読書ログー次は歪じゃないかたちで愛せる気がするー

半年前に彼と別れてから、なぜ別れたのか、わたしたちの間に愛はあったのか、そんなことをふと考えては時間が経っていることがある。
こじれた別れ話になったけど、別れ際、長く付き合ううちに私は愛だと思っていた感情が、相手には「家族みたいに思われてる」としか伝わっていなかったことがわかった。彼からすると自分に対してもう愛情がないと思っていたと言われた。

愛情がないってなんで思ったんだろう?
人に長年恋をし続けることは可能なの?
愛してるって思っていたけど本当に愛だったのかな?
そんな疑問が、喉か胸かわからないけどなんかそのあたりをずっとざらざらさせていてしんどかった。

そんな中出会ったのが「愛するということ」。
「傲慢と善良」を読んだあとで、人に勧めてもらって読み出したけど、一生の中でベスト10に入るんじゃないかくらいに響いた本だった。

愛への言語化、一つの定義が欲しかったから、読んでいて気持ちよかった。下記は気持ちよかった定義の要約を羅列したもの。

  • ひとは孤独で、誰かに愛されたいと望んでいる

  • 愛することには技術が必要で、努力して身につけるものである

  • 自分のことを愛せない人は他人のことも愛せない。

  • 自立した大人同士の中に愛は生まれる

  • 未熟な男性は母性愛を求める

  • 愛することには勇気が必要

  • 自分と他人を信じることが愛するためには必要

  • 愛を与えられることを待つのではなくて、まず自分が他人を愛する働きかけをすることから


読む前になんとなく思っていたこと

多分「他人を愛せるか」を考える時に、自分を省みる必要があるんだろうとは思っていた。
彼と別れた直後、友達に視野を広げようと言われて、かれこれ3ヶ月くらいマッチングアプリを使ってみたけど「いい出会い」に恵まれなかった。たくさんの人から興味を示してもらいはしていたし、相手を選ばなかったら今ごろ恋人という存在はできていたと思う。

でも、次に付き合う人のことを好きになれそうか?って考えると毎回決まりきらなかった。次の人がいると思って安心しているわけでも、テキトーにしてるわけでもないつもりだったのに。
興味を示してくれた人のことは全員プロフィールを見にいってたし、話の取っ掛かりがありそうな人で外見の好みに当てはまる人には連絡してみたりもした。

実際会った人たちはみんないい人だった。相手に興味がわかないくせにどこから目線なんだって感じだけど、優しくて、この人のことを好きになれたら幸せなんだろうなってほぼ全員に思った。
でも、この人のことを大切にできるのかって考えると難しいなと思った。

出会う人を良いと思えなかった理由

良いと思えなかった理由は、自分を知らないせいだった。私が異性の何に惹かれて、自身の何を大切に思ってて、どんな人生を歩みたいのか、相手をジャッジするにも「軸」みたいなものがふわふわしてたから決まりきらなかった。

とことん内省した今は結構クリアになった。

読む前の自分のふわふわとした思考は、方向もわからず闇雲にただよってるだけでまとまらなかったけど、読んでいたら色々なことがつながった。

別れた原因も腑に落ちてきた。

そして思わず元カレにこの本のリンクを送った。君に足りないものが書いてあるよって。エグいね笑(2度目)
(関係ないけど、お互いのSNSも電話番号も実家も親御さんの連絡先も分かっていて、いつでも連絡が取れてしまう別れってもうわけわかんないよね)

私と彼の間にあったのは愛だったのか問題も解決した

読んだ今なら別れた原因が言語化できる。
私は、自分の軸を捻じ曲げてずっと彼に母性みたいな愛を捧げてた。彼の言葉や彼への相談は、わかったつもりで解釈をして、聞き返したり相談をしたりせずに目先のことだけ見ていた。

もっと具体的な生活レベルの話にすると、家事全般していた。深夜まで働きながら、毎日夕食は作って、土日は掃除して、ゴミは出しに行って。
彼はというと、家事をしたくない人だったし汚さを感じる度合いも人より鈍感だったし、価値観も曲げたくない人だった。

結局「彼が家事をしないこと」は「自分が嫌だと思うことを相手は聞いてくれない」=大切にされてる気がしない、と不安になることになった。
自分が相手に期待をして行動を促すことは、愛ではなくて支配みたいな姿だったと思う。
大切に思う気持ちはありながらも与える愛には一歩足りない、不完全な愛だった。

彼側の問題も読んでいてスッキリした。


彼は愛を人に与えられない人だったんだなあと思う。

彼の昔からの話を聞いていたら、注いでもらう愛になれてしまっていることはわかっていた。その結果大人になった彼は、自己中心的な行動しかできない人だった。自分に見返りのあるもの、自分の欲求を満たすことが最優先。損をしたくない人なんだなとは付き合ってる時に見ていたけど、損をしたくないは、与えたくないが近いと思う。
彼はいわゆる恋がしたい人だった。
ドキドキしたい、人に求められていたい、だから自分に好き好きって言ってくれる人に執着する。そんなタイプだった。
彼は自分を他人に期待しないタイプだと言っていた。けどそらは自立ではなくて、関心がないだけで、本で書かれているような「信じている」わけではなかったと思う。

愛を注いでもらうことが当たり前な自己中心的な人と、愛を注ぐことに生きがいを感じて尽くす他人中心な人。彼と私はそんな関係だったんだろうなと思う。

読み終わったら別れへの整理がついてきた

この本を読むまで、私はずっと、あの時間に戻ってやり直したいと思ってた。もっとうまくやれるって思ってた。す

でも、私だけに問題があったわけではなくて、彼にも問題があったんだなって今は思う。なんなら人を愛する技術は私のほうが彼を上回っているとも思ってしまったら、戻ったところで愛は生まれないのだと確信してしまった。


人生で大切にしたいもの2023verがわかった

読んでから自分をまず省みて、「芯」を探してみた。
自分の中でどんなに環境や人が変わっても変わらないものが芯であり「信念」だけど、それを見つけられた気がする。(幼少期から全部振り返った)

誰かに不足を埋めてもらわなくても、私はひとりでも心を豊かに暮らせるという自信がついた。(もちろん孤独感はあるけど)

人を見るときは、相手には私の信念と相容れなさそうな部分がないかを見ようと思った。
自分を曲げないとこの人を大切にできないなら、その関係は遠くない将来に破綻するから。

ぐちゃぐちゃな文になってしまったけど、次は歪じゃないかたちで私は誰かを愛せる気がした。

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