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-07-憧れてた純粋な年下の人への恋を諦める話

高校生の頃から変わらないような価値観で、親と友達と周囲を大切にできる人に憧れつづけた。

公務員で、朝から夕方まできっちり働いて。
土日はドライブしたり動画見たりしてのんびりと過ごして。
飛び抜けてアクの強い趣味もなくて。

なんも知らない美しさだなって嫉妬しては、自分もそうなれるかなって思ったけど、なれないかもしれないってすぐに考えなおして。

1人で落ち込んだりしてた。

最初から無垢な人よりも、たくさんの辛いこととか、汚い大人の世界を見てても、そんなんに負けんで好きなものを貫ける人のほうが結局自分に合ってるんだと思った。

無垢な人はキレイだから会うたびに魅力的に見えるけど。悲しいけど。そうやって思った。

こうやって合わない世界の人はできていて、友達なら合う世界線なのに付き合うとなると紐は繋がらなくて。


こうゆって終わるんだなって思った。

私だって変わりたいと思った。デザイナーって職についてから夜行性だけど朝方になれるかなとか。
片親の母や妹のためにできることをやってみようかなとか。
人に丁寧にありがとうとごめんを言おうとか。
好きって言ってた恋愛映画を見て恋の可能性を信じてみたり。

そんなことを密かに実行してる男によって変わる女だ。

それでも朝の早起きはやっぱり辛いし、永遠の恋なんて信じられないし、親と出かけるのは緊張しちゃうし、私はキレイではないなと思うばかりだった。

わたしは変わってしまってここにいて無垢みたいな美しさは中学校の頃くらいに消え失せていたのだと自覚させられた。

でも全部が当たり前に育ってる、温室みたいな優しい君のこと素敵だと思ったことはホントでした。


さようなら、私ではちがったと思うけども。

こんなポエムみたいなことすら思わない、現実を生きる女性とそのうち出会って幸せになると思うけど。

あなたとの未来を少しだけ夢見て、自分が変われるかもって希望を見ちゃったよ。
まだ人生長いんだなって思えたよ。

ありがとう、自分にはありがたかった。

31歳の恋ってこんな感情なんだ。

こうやって終わるんだな。

しっかり悲しいね。

みんなどうやってこういう悲しさを自分で乗りこなして、当たり前の顔して働くんだ?

私はしっかり悲しいよ。

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