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詩とエッセイ

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ぽえまーよはんのひとりごと。
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#眠れない夜に

紙袋

紙袋

木曜夜の零時少し前
凍てつく夜も温かく
下り電車の賑わいは
健やかなる無法地帯

幽霊の様な境界線を
何でもない風に跨ぐ
通路という概念など
誰も覚えてはいない

ど真ん中に置かれた
高級百貨店の紙袋は
その威厳も虚しく、
なんてことでもなく

夢現の主人よろしく
やけに堂々とした姿
それこそ実に本来の
私だとでも言う様に

昼のいきぐるしさが
存在すら不確かな夜
ただそこに在るのは
星と空と少し

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お浸し。

お浸し。

ハグなんてされたら
泣き崩れてしまいそう

そんな夜にわたしは
ひとりでハンバーガーを頬張る

ひとりでたべるくらいなら
食べても食べなくてもいいやなんて
思いながらもお腹はへるし

寂しい思いに任せると
わたしじゃなくなるから
でも無理に強がったのを
わたしだといっていい?

ちっぽけなこと
なにを勝手に傷ついてるのか
誰かそばにいてほしいと
願うのはにんげんの必然

ひたすらに食べたこの満腹感

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決壊。

決壊。

なみだって、
溜まってくものなんだ。

昨日は
逆転した立場を
大人になって
受け入れるしかなくて
ぐっと堪えて

今日は
悔しくても
もう大人なんだからって
胸を叩き叩き
飲み込んで

笑ったら
気分が変わって
どっかへ行くんだと
思ってたけど

笑いながら
扉を閉じたら
なみだがとまらない、
とまらない

もうだめだ、
今日はだめだ、
喉から息を吐きながら
そう思う自分と
そうやって泣け泣け、

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よふかし。

よふかし。

夜更かししないと
ダメな時って、あるんだよ
赤ちゃんが夜泣きするみたいに
そっかそっか、って
そのままにしておくの

ちょっとつらいし疲れるけれど
時間は過ぎてく、
無駄なんてことないよ

からだが重くて
ベッドよりもっと沈んでいく
罪や科が
地の底と共鳴してひっぱられてく

心を蝕む毒虫の咀嚼も
聞こえるうちは実況して
そこら中のいたみを
飽きるまで紛らわせて

だんだん泣くことが面倒になって

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ナイフ。

ナイフ。

久しぶりに、泣いた。

もっと悲しみを知れ、 と思った。

でも、悲しみを知った人は
決して言わない、そういうものだ。

人生に優劣はない。

でも、たくさん負う人はいる。

別に、何を言ってもいい。
自由だ。
湧くものはどうしようもない。

だけど、
流されてると馬鹿にしながら
その雰囲気に流されるとか
そんな情けないこと、絶対すんなよ

ここだけの話。
本人には届かないから。

そうだといいね

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