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目的と目標と課題の違い

プロ野球・千葉ロッテマリーンズの投手コーチである吉井理人さんの
最高のコーチは、教えない。
という本を読みました。

海を越えて活躍する大谷翔平選手やダルビッシュ有選手をはじめ、
複数のパ・リーグ球団で数々の投手を育ててきた、
球界でも随一の名コーチと言われる吉井コーチが、
そのコーチングにおいて大切にしていることを丁寧に解説してくれています。

ビジネスパーソンに向けた内容にもなっており、
プロ野球選手とコーチ、という間柄だけでなく、
上司と部下、教師と生徒という関係にも充分に活かせるコーチング術を、
余すことなく僕たちに提供してくれています。

その珠玉の指南の数々の中で、特に僕が感銘を受けた箇所を今回は皆さんに紹介したいと思います。

それが、タイトルにもあるとおり、
目的と目標と課題の違い」です。

あなたはこれら3つの明確な違いを言うことができますか?
何となく違うということはわかるけど…
という方が多いのではないでしょうか。

これらの違いを明らかにし、自分にとってそれらが何なのかを把握することが大事、と吉井さんは書いています。

吉井さんによる「目的」「目標」「課題」の区別は以下のようになっています。

①目的:「何をしたいか」「何をするべきか」「どのような状態になりたいか」という抽象的な未来像最終到達点
例)「お金持ちになりたい」
②目標:目的に対する手段目的達成のためにクリアするべき成果
例)No.1の営業成績を出す
③課題:目標を実現するために障害となっている状態や行動
例)アポイントを10個取る

抽象度は③→②→①と高くなっていき、
時間軸では③が日々の業務などになり、②→①といくに連れて先の話になります。

これら3つが混同してしまうと、間違った課題設定を行なってしまい、
無意味な努力の果てに何の成果も得られない、ということになりかねません。

上にあげた例の場合、いきなり現状に対する課題として「営業成績No.1」を設定しても、具体的に何をすればいいかわからず右往左往してしまい、結果的に日々の業務に追われることになるでしょう。

この3つの棲み分けを僕に当てはめてみると、
①目的:「生きづらさのない社会の実現」
②目標:「学校設立→教育改革」
③課題:教育現場での経験、生きづらさの研究、仲間を見つける、etc。

となるでしょうか。

さらに重要なのは、「小さな課題をクリアし続けること」と吉井さんは言います。

小さな課題を日々クリアし続けることで、朧げだった目的や目標が明確さを増していく。

いくら努力してもそれがクリアになってこなかったならば、
課題設定が間違っていることになる。
課題を変更し、細かい修正をかけていく。

そして、一般的には「目標はブレてはいけない」と言いますが、
吉井さんは、「この言説の正当性はない」と言います。

小さな課題をクリアし続けることによって、
自分のできることは変わっていき、ステージが上がり、これまでとは見えてくるものも変わってくる。

それならばむしろ目標は変わらなければおかしいし、ステージが上がっても目標が変わらない人は、努力を怠っているとも言える。

変えない方がいいのはむしろ「目的」の方で、
大きな目的を定めたらその範囲内で目標が変わっていくのが、成長を続ける人間のあるべき姿なのではないか
と吉井さんは述べています。

僕も、目的である「生きづらさのない社会」を実現できるのならば、
その手段は、つまり「目標」は「学校設立→教育改革」でなくてもいいと思っています。
現時点でそれがベストだと思っているだけで、
他に有効な手段があると思ったら目標は変えていくつもりです。

と、「目的」「目標」「課題」の3つについて、吉井さんの著書を元に書いて行きましたが、
他にも勉強になることがたくさん詰まった一冊でした。

リンクを貼っておくので、皆さんも良ければ読んでみてください。
ちなみに、Amazon Prime会員なら、kindle読み放題で電子版を読むことができます。


それでは今回はこの辺で。
ほな、また。

小野トロ

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