マガジンのカバー画像

三文エッセイ2

100
主に日常のことをつらつらと書いています。 記事が100に達したので、2を作りました。
運営しているクリエイター

記事一覧

そうだ、殴られに行こう。

そうだ、殴られに行こう。

私はかつて自分のことを「打たれ強い」「我慢強い」と思っていた時期があった。

ところがある日、「よく考えたら私、打たれにいってないのでは?」と、気づいてしまった。

不戦敗で「イェイ!無傷!」と大喜びしている自分が恥ずかしい。

周りにいる素敵な人たちは殴られることを恐れずに、挑戦をし、立ち向かっているのに私ときたら・・・。

「こうしたらもっとよくなる」
とか
「こうできたらいいのにな」

と「

もっとみる
知らないところで許されてる。

知らないところで許されてる。

私は怒っている。
とても怒っている。
母に対してとても怒っている。

***

社会人になってしばらくした頃、私は友人の結婚式に着ていくノースリーブのワンピースに合わせる羽織ものを探していた。

できることならノースリーブのまま参列したいが、マナーブックには「結婚式は肌を隠し、二次会では肌を見せる」と書いてあるし、何かしら羽織らなければいけないらしかった。

ただ、量産型謎の羽衣族にはどうしてもな

もっとみる
眼は見るためにある

眼は見るためにある

二重瞼にあくがれわれを責めやまぬ娘らよ眼は見るためにある

と詠んだのは歌人の小島ゆかりさんだ。

この歌を読むと、
「どうして二重に産んでくれなかったの!?」と母に当たっていた思春期の自分がよみがえり、お腹の奥がキュウっとなる。

今でこそ、自分の目の細さには諦めがついたが、少女だった頃の私にとって、「二重じゃない」ということは大問題だった。

学校に行く前に毎朝見る鏡の中の自分は、「今、鏡を見

もっとみる
嫌いじゃないよ。

嫌いじゃないよ。

本日の名古屋の最高気温は31.1℃。
真夏日和だ。

迷わずノースリーブで出かけた。

日焼け止めも厚く塗った。

日焼け止めを厚く塗ると、
「よーし!出かけるぞ!」
という気持ちが高まってきてワクワクする。

だけど、私はずっとずっと夏が嫌いだった。

今は嫌いではない。

いつからかは忘れたが、嫌いではなくなった。

理由は心当たりがある。

冬服よりも夏服の方が可愛いし、

日が長いし、

もっとみる
玉子焼きだよ、人生は。

玉子焼きだよ、人生は。

「玉子焼きは四角いフライパンで焼く」と知ったのは中学生くらいの頃だった。

玉子焼きを焼く時に、薄い玉子焼きをコテン、コテン、と四つ折りか三つ折りにして片側に寄せ、フライパンの空いたスペースに卵液をじゅわーっと流してまたコテン、コテンして・・・という作り方が正式らしい、と知ったのもその頃。

確か「芸能人たちがだし巻き玉子を作る」というようなシーンをテレビで見て初めて知った。

では、それまでは一

もっとみる
新しい靴を履くようなこと

新しい靴を履くようなこと

今日、31歳になった。

8年前に友達に連れて行ってもらった占いで、占い師さんに「30歳でデキ婚する」と言われて、当時23歳の私は27歳くらいで結婚して既に二足歩行をする子どもがいる予定だったのでおじいちゃん占い師に向かって「嫌です!!」と叫んだ。

あれほど切実に「嫌です!!」と言ったはずの年齢よりも1歳多く歳を重ねてしまったので、なんとも言えない気持ちで、「おじいちゃん、ごめんね・・・」と思う

もっとみる
Facebookの好きなところ

Facebookの好きなところ

Facebookの「過去のこの日」機能が好きだ。

過去の今日に投稿した記事を一覧にして教えてくれる機能なのだが、自分でも忘れていることがとても多くて、予期せぬタイムカプセルを届けて貰えたような気分になって、懐かしくて嬉しくて見るのが楽しい。

因みに1年前の今日は歌丸師匠が笑点の司会を引退する宣言をした日。

noteではこんな記事を書いた日。
https://note.mu/mkpng/n/n

もっとみる
飲みニケーションとタバコミュニケーションに代わる何か

飲みニケーションとタバコミュニケーションに代わる何か

私はお酒が弱く、タバコも吸わない。

お酒を飲む場は色んな人の意外な一面を知ることができたり、みんな明るくて陽気で楽しいので嫌いではない。
嫌いではないが、「よーし!お酒飲みに行こう!」と自発的にはそういう場に行かない。
「よーし!」と思うのはお肉を食べに行く時くらい。

一方、タバコは煙も匂いも無理なので喫煙室に入ることはほとんどない。

ほとんどないのだけれど、喫煙室って、色んな世代の色んな立

もっとみる
私の「こより」

私の「こより」

自分の髪の毛が嫌い。

伸ばせない髪の毛だから嫌い。

「伸ばしたい」の気持ちはあるのだけど、ある長さを超えると顔の横の毛が鼻の穴に向かって伸びてくるから嫌い。

何もしていないのにこよりを鼻にこちょこちょしている状態になるから嫌い。

こよりの長さを我慢したら伸ばせるのかも知れないけど、こよりに耐えられる忍耐力がない。

耐えられずに大体切ってしまう。

こよりになる原因は心当たりがある。

もっとみる
面白い人

面白い人

20代前半の頃は「好きな異性のタイプ」を聞かれても、「あ・・・」とか「う・・・」しか言えなくて、「わたし、カオナシかしら?」って真剣に悩むくらいダメな回答しかできなかったけれど、30歳に近づくにつれて考えが固まってきたのか、スパンスパンっ!と答えられるようになった。

聞かれてもいないのに言うと、私は

「性格の面白い人」

が好き。

性格の面白さにはその人のバックグラウンドが関わってくると勝手

もっとみる
やっぱり高校生が好き

やっぱり高校生が好き

私は色んなところで「高校生が好き」と言いまくっているのだけど、今日改めて思った。

やっぱり高校生が好き。

前にも書いたと思うが、高校生の感性がとても好きなのだ。

なんでもかんでも面白くしちゃうところとか、

いつも笑い転げているところとか、

色んな誘惑や欲望と闘いながら勉強に部活に頑張るところとか、

三ツ矢サイダーやアクエリアスやポカリスエットやカルピスソーダが似合うところとか、

もっとみる
ずるい答え。

ずるい答え。

女の人に好きなタイプは?
と聞いて「星野源です」と答えられると「ずるい!」と思う。

男の人の場合は「黒木華です」だと「ずるい!」と思う。

この感覚、私だけだろうか。

「確かに好きなんだろうな」と感じさせつつ、高望みをしていない印象を相手に与え、「私は中身重視の人間です」とも思わせ、心の距離を縮める効果もある。

「な、なんてずるい答えなんだ」

と逆に腹が立ってくる。

こういうずるい答えっ

もっとみる
我を失くしたい。

我を失くしたい。

最近読んだ本に共通して似たようなことが書かれていて、全てがグサグサと心に刺さった。

「自分らしさはいらない」

「自分という概念がなくなったときにとても良いものができる」

「うまく人に伝えられない人は『自分が自分が病』にかかっている」

という言葉だ。

「私って自分のことばっかりだな。自己顕示欲すごいな。」

と少し恥ずかしくなり、過去の自分の行動を思い返してお腹のあたりがヒュンッとした。

もっとみる
「ダサい」との闘い

「ダサい」との闘い

私が怖いもののひとつに「ダサい」がある。

「ダサい」は実態が曖昧であるうえに、移り変わりが激しいため、何が「ダサい」のか、常に気をつけていなければならない。

昨日イケてたものが今日ダサくなったりする。

今日ダサかったものが明日イケてたりもする。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」である。

つい最近までシャツをパンツにインすることはダサかったはずなのに、今は「脚長効果バツ

もっとみる