みずたま

みずたま

記事一覧

【レビュー】『斎藤慎太郎の将棋観』がよかった

最近出版された斎藤慎太郎先生の本が面白かったのでレビューしてみます。 この本は斎藤先生が指した2019年から2023年の公式戦を題材に、実戦での読みを披露していく自戦記…

みずたま
7か月前
29

社団戦2日目振り返り

先週の日曜に行われた社団戦2日目の戦いを振り返ってみたいと思います。 いつも通りに書いてもいいんですが、今回は私が普段やっているソフト先生との一問一答形式でポイ…

みずたま
1年前
7

【クリスタル研】好局振り返り

今日指した将棋が熱戦だったので振り返ってみます。 この研究会は毎週木曜午前に都内(新宿区)で朝活と称して行っているもの。10時に集まって詰将棋を4問解き、そののち…

みずたま
1年前
6

社団戦1日目振り返り

先週末に行われた社団戦1日目に参加してきたので、自戒を兼ねて対局のポイント図を振り返ります。 今期の私は大学将棋部時代の友人とのチームで、4部での参加です(1部…

みずたま
1年前
15

2023年春季職団戦振り返り

週末に行われた職団戦での戦いを振り返っていきます。 職団戦は同一職場のメンバーで戦う5人制の団体戦で、ねこまどチームは前回に引き続いてAクラスでの出場となりました…

みずたま
1年前
33

飛先の歩交換のメリット(角換わりと相掛かりのちがい)

こんにちは、みずたまです。 今回は飛先の歩を交換することの得について、相掛かりの将棋と角換わりの将棋のちがいを題材にして考えてみます。この比較を通して、「飛先の…

みずたま
4年前
15

手番のはなし

今回は似た形でも手番が違うと結果も違うねというお話。 さて、一間龍(いっけんりゅう)は寄せの好形とされています。 このように、攻めの龍が玉を1マス開けて(1間ト…

みずたま
4年前
6

序盤をデザインする

たまには真面目に将棋の話。 将棋の序盤は、基本的に自分の好きなように陣形をデザインできるということ。ただし、相手の駒組みによってはできないこともあるということを…

みずたま
4年前
8

大不況には棋譜並べ

いまは時間の使い方が問われている時期という気がします。 もちろん人生のどのタイミングを取ってもベストを尽くすのがいいんですけど、過去を後悔しても始まらないのでい…

みずたま
4年前
10

Abema TVトーナメント楽しいね

お久しぶりです、みずたまです。 ここ数日は刻々と移り変わる感染症事情に敏感に反応するあまり精神的に参っていました。ツイッターなんかも、ツイートを2つみればどちら…

みずたま
4年前
10

詰めろのはなし(練習問題1題つき)

まずは詰みの形からお見せします。 これは詰みの状態の一例です。 この一手前の状態に戻って... 上図の状態から、▲21龍と指して最初の詰みの形にしました。 この、…

みずたま
4年前
6

取られたら一拍おいて取り返す

「取られたら取り返す」というのは将棋の基本動作のひとつです。 歩を交換する、銀を交換するなど、持ち駒を増やしたり攻め駒を前に進めることによって、将来の攻めの可能…

みずたま
4年前
8

オンラインレッスンをしました

今日は、教室のオンラインレッスンをしました。 主に使ったのは、オンライン通話ソフトと対戦サイト・棋譜アプリの3本立てです。 本格的にオンラインでレッスンをやるの…

みずたま
4年前
10

盤の裏まで読む

この表現が好きです。 やっぱり将棋は読む作業を怠ってはいけません。 今日見ていた将棋の変化を考えていて気づいたこと。 居飛車穴熊対振り飛車穴熊の図。 以下は頭の…

みずたま
4年前
4

noteはじめます

こんにちは。みずたまです。 noteはじめます。 今回はここまで、といってもいいのですが、まあすこしなにか書いときますか。では私の身の回りの執筆環境について。 ●棋…

みずたま
4年前
7
【レビュー】『斎藤慎太郎の将棋観』がよかった

【レビュー】『斎藤慎太郎の将棋観』がよかった

最近出版された斎藤慎太郎先生の本が面白かったのでレビューしてみます。

この本は斎藤先生が指した2019年から2023年の公式戦を題材に、実戦での読みを披露していく自戦記本です。1局につき15ページくらいをかけて仕掛け~終盤の入り口くらいまでの攻防を紹介しています(全12局)。類書としては永瀬先生の「全戦型対応版 永瀬流負けない将棋」や、古くは「戦いの絶対感覚」シリーズがこれに当たるでしょうか(初

もっとみる
社団戦2日目振り返り

社団戦2日目振り返り

先週の日曜に行われた社団戦2日目の戦いを振り返ってみたいと思います。
いつも通りに書いてもいいんですが、今回は私が普段やっているソフト先生との一問一答形式でポイント局面を検討していきたいと思います。

1局目

1局目は将棋の強そうな若者と。対局が終わったあとチームメイトに「さすがでした」とほめられていたので重鎮なのかもしれません(笑)

私の後手番で矢倉/相掛かり系の序盤に。

ソフト先生(以下

もっとみる
【クリスタル研】好局振り返り

【クリスタル研】好局振り返り

今日指した将棋が熱戦だったので振り返ってみます。

この研究会は毎週木曜午前に都内(新宿区)で朝活と称して行っているもの。10時に集まって詰将棋を4問解き、そののち10分30秒の対局を2局指すのを目標にしています。終わったあとは都合がいい人で昼ご飯を食べて解散という流れで、今年2月から私が早起きの習慣をつけるために始めました。そろそろ半年近くになります。

研究会メンバーは初段のYくん、三段のFさ

もっとみる
社団戦1日目振り返り

社団戦1日目振り返り

先週末に行われた社団戦1日目に参加してきたので、自戒を兼ねて対局のポイント図を振り返ります。

今期の私は大学将棋部時代の友人とのチームで、4部での参加です(1部~7部まであり1部が最上位)。昨年は3部での参加だったのですが、メンバーが増えて2チーム編成になりました。

1局目

初戦はとある会社将棋部のチームとの対局。お相手は知らないおじさんですが、なんか強そうな雰囲気。

相矢倉になり飛車先を

もっとみる
2023年春季職団戦振り返り

2023年春季職団戦振り返り

週末に行われた職団戦での戦いを振り返っていきます。
職団戦は同一職場のメンバーで戦う5人制の団体戦で、ねこまどチームは前回に引き続いてAクラスでの出場となりました(S, A, B, C, D, E, Fの7クラス)。今回のAクラスは持ち時間30分の切れ負けで戦われます。

1局目:日本製鉄(1)

初戦のお相手は四段くらいの若者。私の先手で相掛かりの序盤になり、後手が△2四歩と突いて銀冠を目指すの

もっとみる

飛先の歩交換のメリット(角換わりと相掛かりのちがい)

こんにちは、みずたまです。

今回は飛先の歩を交換することの得について、相掛かりの将棋と角換わりの将棋のちがいを題材にして考えてみます。この比較を通して、「飛先の歩を交換することが攻め筋の幅をひろげている」ということをわかっていただければと思います。(級位者を対象として想定します。)

●序論●

まず、居飛車の戦型は大まかに4つに分けられます。矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取りですね。

これら

もっとみる

手番のはなし

今回は似た形でも手番が違うと結果も違うねというお話。

さて、一間龍(いっけんりゅう)は寄せの好形とされています。

このように、攻めの龍が玉を1マス開けて(1間トビに、いっけんとび)対峙している形のことです。

一間龍の王手に対しては龍と玉の間に駒を打って王手を防ぐことが多いですね。このように、玉と、王手をしている飛、角、香の間に割り込んでくる守り駒を合駒(あいごま)と呼びます。

合駒の守りに

もっとみる

序盤をデザインする

たまには真面目に将棋の話。

将棋の序盤は、基本的に自分の好きなように陣形をデザインできるということ。ただし、相手の駒組みによってはできないこともあるということを伝えます。

矢倉の序盤戦で、いま相手が△52飛と回ってきたところがテーマ図。

(1)失敗例

先手が矢倉囲いを目指すのであれば、ここで▲77銀と上がります。

しかしこの手に対して、後手は△55歩▲同歩△64銀と攻めてきます。

こう

もっとみる

大不況には棋譜並べ

いまは時間の使い方が問われている時期という気がします。

もちろん人生のどのタイミングを取ってもベストを尽くすのがいいんですけど、過去を後悔しても始まらないのでいまできることをやる。取りつくろっている暇がもったいない。

去年の夏頃、ふと思い立って1人でホテルを予約しました。最寄駅から電車で2駅のところで、日曜だったので安く予約を取ることができました。

盤駒と着替えだけ持って行って、ホテルにつき

もっとみる

Abema TVトーナメント楽しいね

お久しぶりです、みずたまです。

ここ数日は刻々と移り変わる感染症事情に敏感に反応するあまり精神的に参っていました。ツイッターなんかも、ツイートを2つみればどちらか1つはコロナ関連というような状況ですね。意図的に情報を遮断するというのも現代社会を生き抜く手筋なのかもしれません。

(体調が悪くてもおやすみ詰将棋が続いたのは不思議でした笑)

そんな状況の中において、ABEMAのトーナメントは一時の

もっとみる

詰めろのはなし(練習問題1題つき)

まずは詰みの形からお見せします。

これは詰みの状態の一例です。

この一手前の状態に戻って...

上図の状態から、▲21龍と指して最初の詰みの形にしました。

この、詰みにする1手前の状態を詰めろといいます(下図)。

詰めろの状態で攻方の番であれば、詰みになります。

玉方の番であれば、受ける手を指して詰めろの状態を回避できることがあります。玉方は一手だけ受けるチャンスがあるので、詰めろ=1

もっとみる

取られたら一拍おいて取り返す

「取られたら取り返す」というのは将棋の基本動作のひとつです。

歩を交換する、銀を交換するなど、持ち駒を増やしたり攻め駒を前に進めることによって、将来の攻めの可能性がひろがります。

このような形で、図の▲24歩からは、△24同歩(歩を取られる)、▲24同飛(取られた歩を取り返す)という動作がワンセットです。

今回紹介するのはそのちょっとした応用形。

取られた駒をすぐに取り返すのではなく、1手

もっとみる

オンラインレッスンをしました

今日は、教室のオンラインレッスンをしました。

主に使ったのは、オンライン通話ソフトと対戦サイト・棋譜アプリの3本立てです。

本格的にオンラインでレッスンをやるのはほぼはじめてだったので緊張しましたが、大人の方のレッスンと子どものレッスンを無事こなすことができたのでほっとしています。

ひとつ気づいたことを書いておきたいのは、画面共有という機能があってとても便利ということ。

ひとつの棋譜を二人

もっとみる

盤の裏まで読む

この表現が好きです。

やっぱり将棋は読む作業を怠ってはいけません。

今日見ていた将棋の変化を考えていて気づいたこと。

居飛車穴熊対振り飛車穴熊の図。

以下は頭の中で考えた内容です。

▲66歩と打ちます(図)。

△同角には▲同角△同飛▲55角(図)で飛香両取りがかかって先手良し。

この時、▲55角に代えて▲77角では△76飛で、78金が浮いているのでまぎれます(図)。

で、▲66歩に

もっとみる

noteはじめます

こんにちは。みずたまです。

noteはじめます。

今回はここまで、といってもいいのですが、まあすこしなにか書いときますか。では私の身の回りの執筆環境について。

●棋書:数えるのも嫌になるくらいの数の本が私を取り巻いています。

「棋書は買ってから考える」が信条。すぐに絶版になりますし、読みたいときに手に取れないのはストレスなので。実戦に出てきて思い出せなかった変化を考えるには piles o

もっとみる