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【クリスタル研】好局振り返り


今日指した将棋が熱戦だったので振り返ってみます。

この研究会は毎週木曜午前に都内(新宿区)で朝活と称して行っているもの。10時に集まって詰将棋を4問解き、そののち10分30秒の対局を2局指すのを目標にしています。終わったあとは都合がいい人で昼ご飯を食べて解散という流れで、今年2月から私が早起きの習慣をつけるために始めました。そろそろ半年近くになります。

研究会メンバーは初段のYくん、三段のFさん、五段のMくんと私の4人。平日の昼間からいい年の社会人が集まるのでクリスタル研の名がついています。今回紹介する将棋は五段のMくんとの対局です。

先手:みずたま
後手:Mくん

【初手からの指し手】
▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角
▲7六歩 △4二銀 ▲4八銀 △4四歩
▲6八玉 △5四歩 ▲7八玉 △4三銀
▲5六歩 △8四歩 ▲6八銀 △8五歩
▲7七銀 △3二金 ▲5八金右 △6二銀
▲7九角 △5二金 ▲6六歩 △7四歩
▲6七金 △6四歩 ▲3六歩 △7三桂
▲1六歩 △6三銀 (第1図)


第1図

私の先手で居飛車の出だし。後手のMくんは県代表経験があり、居飛車も振り飛車も指しこなすので序盤から気が抜けません。やり取りのすえ、矢倉対雁木の対抗形に落ち着きました。

【第1図からの指し手】
▲2四歩 △同 歩▲同 角 △同 角
▲同 飛 △2三歩▲2八飛 △8一飛
▲9六歩 △4二玉▲6八金上 △3三桂
▲4六歩 △9四歩▲1五歩 △3一玉
▲3七桂 △2二玉(第2図)


第2図

後手が早めに5筋の歩を突いたのを見て角交換を実行。△5四銀型であれば角の打ち込みの差があるので、その際は角交換はせずに▲4六角から▲5五歩や▲3五歩を狙うような将棋になります。1筋の位を取れたのは実戦の綾で、後手も突き合うのは端攻めの含みがあるので怖いところでしょう。

ここから先手は▲4七銀とするのが自然ですが、△6五歩~△3九角などの仕掛けがあります。また、4筋を突いているので▲5七銀も上がりづらい。そこで次の手になりました。

【第2図からの指し手】
▲1六角 △6五歩 ▲同 歩 △9五歩
▲同 歩 △6五桂 ▲8八銀 △3五歩
▲同 歩 △3六歩 ▲6六歩 △3七歩成
▲同 銀 △5九角(第3図)

第3図

1筋の位を生かして▲1六角が狙いの一手。▲3五歩からの桂頭攻めが表向きの狙いですが、実際はそれまでに後手が暴れてくるのでそれに対して丁寧に面倒を見る展開が予想されます。桂を取らせるところまでは予定ですが、△5九角を軽視していました。

【第3図からの指し手】
▲3八飛 △2四桂▲3四角 △6八角成
▲同 飛 △5七金▲6五歩 △6八金
▲同 金 △3九飛▲4三角成 △同金右
▲2八銀打 △4九飛成▲3四桂 △同 金
▲同 歩(第4図)

第4図

△5九角によって受け切りは難しくなったので、タイミングを見て反撃を開始します。手順中の△2四桂に▲3四角が予定の一手ですが、実際は▲4三角成も有力だったようです。▲3四桂は薄い攻めですが、後手も受け切りは難しく実際ソフトの評価値はここまで互角だった模様です。


【第4図からの指し手】
    △8六歩▲同 歩 △6六桂
▲7七玉 △2五桂▲5三角 △4一飛
(第5図)


第5図

この辺りはとっくに秒読みで、手探りの指し手が続きます。△8六歩から△6六桂は自然な応手ながら、▲7七玉と立った形が妙に寄りづらい(△8九竜には▲7九金)。振り返ると△4二角という攻防兼備の妙手がありましたが、なかなか発見は難しいですね。

この後は好手が逆転して先手にチャンスが訪れます。
第5図からの寄せを考えてみてください。私は間違えました。

【第5図からの指し手】
▲4二金 △同 金▲同角成 △同 飛
▲3三金 △3一玉▲4二金 △同 玉
▲2二飛 △5三玉▲2三飛成 △6二玉
▲5三金 △7一玉▲6三金 △7八金
▲6六玉 △8四角▲7五桂 △同 歩
▲2一龍 △8二玉▲2二龍 △6二桂
▲7八金 △6九龍(第6図)

第6図

第5図からは▲4二金△同金までは必然として、そこで▲4四角成が正着でした。△3三金と高い合駒を請求できるのがポイントで、以下金を取らずに▲6六馬でにらみ倒し完成。これなら先手優勢でした。

実戦は▲2二飛の王手の味にほれ込んで清算に回りますが、これは後手玉が広いので形勢はふたたび難解に。第6図からの次の一手が敗着になりました。

【第6図からの指し手】
▲6七銀 △7六歩 ▲7五歩 △5七角
▲同 玉 △7五角 ▲6六角 △5八金
▲同 銀 △6六角 ▲4七玉 △2九角
▲3八金 △同角成 ▲同 玉 △5八龍
▲2七玉 △3六金 ▲同 銀 △2八龍
▲同 玉 △3七銀(投了図)
まで134手で後手の勝ち

投了図

第6図から▲6七銀が緩手。代えて▲6八金打と手番を取って▲6二金を間に合わせるしかなかったようです。実戦は金を温存したい感情が読みを阻害してしまいました。終盤は二転三転しているのでグラフはバラバラですが、最後はきれいに詰まされての投了となりました。投了図からは▲2七玉に△2六銀打から押しつぶしての詰みです。


本局の形勢を振り返ると、仕掛けから第4図のあたりまでは互角、第5図のあたりで先手優勢になるも、先手が逃して混戦に。第6図での▲6七銀以降は後手勝ちという流れでした。負けたとはいえなかなかの熱戦でとてもモチベーションになりました。また頑張ります。
※参加希望者はお問い合わせください


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