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水宮うみ
2021年5月30日 16:41
秒針は砂漠の中にとけていく夜行バスのように星を抱える人いつも、この手は温かさ放ってるやわらかいカーテンと世界がゆれる
2021年5月29日 23:33
青色の携帯電話で撮った空風のように心がまだ動いてる雲のあいだを歩いてる人と犬立ち止まっては朗らかに青く澄む
2021年5月28日 09:06
実感から生まれた空のはしっこ意味もなく地味に一味を探してる知らないよ 一字一句の一の字も思考の渦を泳いでる金魚の眼
2021年5月27日 14:51
タワレコのCDの匂い吸いにいきたいピックじゃなくパンツを投げるミュージシャンまったく輝いていない謎の明かりスーパースターが光速で飛んでいく
2021年5月23日 14:34
抽斗で抽象的な像になる雨上り 昼下りの坂道下る記憶から見ると光になる笑顔目を瞑るように箱の中をあるく
2021年5月22日 22:03
虚無感と実感混ざって複素感歩くという行為がわたしの家だった良い酔いの宵、いよいよよ よよいのよい。時計みたいなメトロノームだけ鳴っている
2021年5月19日 19:53
水槽に流れるおだやかな時間他者だったことを忘れて声になる春色の初夏 黒板へ吹いた風思い出せない想い出を持っている
2021年5月16日 19:20
ベランダの風が本体の人だったあの時代自体が次第に時代劇甘いお菓子は甘い記憶になった過去と陸続きの海が鳴っている評論がひょろーんと長く伸びていく
2021年5月14日 16:35
立ち止まり止まらない川を見ていた太陽のおかげで日蔭ができている風が吹きクジラのように動く影自転車と同じ速度の夏が来る
2021年5月9日 17:00
誰もいない町に佇んでいる言葉つめたさに目覚めた朝の冷めた夢有限の湯気が光になっていくここにない声を再生している風何もないただ大切な季節だった
2021年5月8日 22:08
一秒ごとに散っていく桜たち雨粒のひとつひとつに町がある絶滅した場所に手紙を書いているワカメたち一秒ごとに増えていく数年の呼吸 だれかとともにいた
2021年5月7日 16:45
夕焼けが寝転んでいるニ年前何も知らないから知らない場所にいる俯くと五臓六腑も俯いた夕暮れが立ち上がるまで影と待つ
2021年5月7日 16:40
校庭の日かげで涼しい風浴びたいつまでも響く十七音だった雪解けのように時間が解いた問い読んだ人それぞれにうまれるフィクションその週に周囲の鯛を調べたい旅人のビートが日々に響くんだ