ピエタ

人間としての誇りと尊厳をその胸に

自分たちが見ようとしないで目を背けてきたその全てが今、私たちの眼前につきつけられている。

私たちはこれまで向き合おうとしてこなかったその全てとこれから向き合わなくてはいけなくなる。

これまでなんだかんだで逃げてきたその全てから、もはやこれからは逃げられない。何をどういった所で、何をどうした所で、私たちはその全てを全部自分の責任としてその眼前にたたきつけられる。

誰も責める事は出来ない。何もかも全て自分の責任で行わなければいけない。

これまでは、これといって何かを深くまで考える必要はなかった。私たちは思考というものを置き去りにして、感情動物として生きてきた。でも、これからは、それが一気に変わる。私たちはもはや感情動物のままでは生きてはいけない。今まで通りでは生きてはいけない。変わらなくてはいけない。

物事を深くまで考えるという事を、私たちはこれまで放棄し続けてきた。何かを深く考えずとも、物が私たちのこの心を慰めてくれた。私たちは何もかも、自分の外の世界にあるものに依存する事で生きる事が出来てきた。でも、これからはもうそうはいかない。自分の心を埋めようと、物に依存してきた私たちはもう物に依存は出来ない。物には限りがある。それが終われば、私たちはもう何にも依存する事は出来なくなる。もちろん人に依存する事も出来なくなる。私たちは誰も責められないし、誰に責任転嫁する事も出来ない。

自分を慰めてくれるものは何もなくなる。その時、今のままの状態で私たちが在れば、その私たちは完全に崩壊する。

私たちは今、考えるということ、自らの思考を放棄し続けたその代償を払わされるところに来ている。

自分の思考を使わずに、外の世界にあるものに何もかも依存し、そのものによって、自分の心を一時的に慰めようとしてきたその罪を今此処で償わされようとしている。人間的な生き方を放棄したその罪を私たちは今償わなければいけない。

自分たちの持っているその力を進化させようと努力する事無く、何でもかんでも、外の世界にあるものに依存してきた私たち人間が支払う代償とはとても大きなもの。

私たちは自ら、努力して、自分を進化させるという事を日々怠ってきた。その償いを今取らされようとしている。

何もかも放棄して、楽に生きる事を選んだ。自分たちが苦労する事は嫌で、私たちは、ありとあらゆる事を放棄してきた。

人間であるという事を放棄し、私たちは今や動物的な状態にまでこの人間としての機能を落としてきた。何も考えずに、物に今の私たちは支配されている。

私たちはもっと自分自身に目を向けその自分を進化させなければいけない。その為には、何もかも、その全てを全部自分の責任として引き受けなければいけない。誰のせいにする事もなく、何かに依存するわけでもなく、何もかも全部自分の力で成していくという事が出来なければいけない。

あれは嫌だ、これは嫌だ!と言って目を伏せてみてこなかったその全てを私たちはこれから見ていかなければいけないというか、これからはそう言ったものを皆、その眼前につきつけられる事になる。

こんな現実は受け入れられないといくら泣いても騒いでも、その現実が私たちの眼前には突きつけられる。これが、現実なんだ!!あなたたちが目にしなければいけない現実なんだ!と、様々な事が私たちの眼前に立ち現れてくる。

これからは、もう泣き言は通用しない。何をどういっても、誰も助けてはくれない。自分を救うためには、眼前に突きつけられたその現実を自分のものとして受け取るしかない。そう言ったものを受け取る心の強さ、それを持たなくてはいけない。

何もかも自分のものとして受け取らなければいけない。これまではこうした事から逃げようと思えばいくらでも、逃げる事が出来た。都合の悪い事は、自分ではない他人のせいに出来た。社会のせいに出来た。でも、これからは、その他人も、社会も誰も責任を取ってはくれない。誰も、あなたの身代わりになどなってはくれない。あなたの代わりに傷ついてくれる人は誰もいなくなる。

自分の身代わりに出来るものが何もなくなる。誰もいなくなる。

これまで自分を正当化する為に存在していたありとあらゆる全てのものがこの世界から消える。その時、私たちはもう自分の事を正当化など出来ない。何もかもその全てが自分にかかってくる。自分の言動、行動、思考、その全てが自分の責任として、その肩にかかってくる。

今、その全てを受け止める強さを身につけ、自分を進化させておかなければ、確実にこれからの世界では生きてはいけない。

これから、何もかもがものすごいスピードで変わっていく。これまで通用していた事が何もかも通用しなくなる。そんなことある訳がないと言って、今何も自分に変革を与えようとしなければ、確実にこの先、この世界で生きて行く事は難しくなる。

私たちは、今こうした状況下になっても、まだ自分自身のその全てを自身に受け入れようとはせずに、あれこれと言っている。何もかも自分の責任として受け入れ進化する。それが今とても重要な事なのに、それになかなか気づかない。

今こうした状況が私たち人間に伝えようとしている事は何なのか?それをよく考えなければいけない。

人間というものが、怠惰になり、今ものすごいスピードで退化してきている。だから、今此処で人間であるという事を思い出させる為にこうした事が起こっているのではないだろうか?

人間としての誇り、それを今一度取り戻す為に、今こうした現象が世界各国で起こっているのではないだろうか?人間としての誇り、そして、尊厳、それを私たちはこの胸に取り戻さなければならない。

それには、何もかもその全てを外の世界に依存してきた自分自身と私たちは向き合わなくてはならない。その自分をその目でしっかりと見て、今あるその自分の現状をしっかりと把握した上で、その今ある自分に必要なものを与えていかなければいけない。

人間として失ってしまっているもの。それを、私たちはこの胸に取り戻さなければいけない。今こそ、私たちは、自分たちが何よりも誇り高い存在であるという事を思い出すべきなのではないだろうか?

私たちはバカじゃない。必ず、人間としての誇りを、そして尊厳を取り戻すために立ち上がる事が出来る。


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