破綻と成長(破綻を認められない井の中の蛙)
日本はもうすでに破綻している。もっと言えば、世界もまた破綻している。
けれど、私たち人間というのは面白いもので、その破綻を絶対に認めようとしません。
完全に破綻している世界がここにはある。でも、その破綻を認める事が出来ないから、私たちは、その破綻から目を背ける様に、幻想にしがみつく。科学技術というものにしがみつく。
この世界は、もっと早く、もっと便利に、もっとスマートにを今全面に押し出している。
けれど、ここで一歩立ち止まって考えてみてほしい。
どうしてもっと早く、そして便利に、スマートにする必要があるのか?
それって、よくよく考えれば、何かから私たちは必死に遠ざかろうとしている様にも見える。
何かを恐れている。だから、息つく暇もなく、開発、開発に追われる。
何のために開発する必要があるのか?何のためのスマート構想なのか?最近こうした事を考えているがよくわからなくなってきた。
幻想ばかり作り出したって、いつか必ず、私たちは自分の目の前の現実に向き合わなければいけなくなる。
ならば、今あるこの現状を今、幻想で覆い尽くしてしまうのではなく、今がもうすでに破綻しているんだ!!と言うことを私たちは多くの人に知らせる必要があるんじゃないかと思ったりする。
社会も、そしてその社会を構成する人も、そのすべてが破綻している。これが現実。破綻していると言うことを認められない。だから、私たちは幻想にしがみつき、その幻想が崩れると、まるで自分の足場が崩れてしまったかのようになり、生きる術をなくしてしまう。
マトリックスという映画もそうだったけれど、外の世界は、もう完全に破綻していた。ロボットに人間は支配され、そしてつながれていた。そして幻想を見せられていた。これが事実。
こうした事を受け入れ、そして認めない限り、私たちはずっと井の中の蛙だ。
何も知らない。そして未だこの日本は幸せな国だ!なんて楽観主義的な事を言っている。
幸せでなんかない。もう日本人は不幸の中に足を半分以上突っ込んでいる。この現実に私たちは直面しながらも、それを直視しようとしない。
これらを直視する事を避けさせるように、外の世界には、その目を背けさせる様々なものが開発される。
その化け物の口の中に入って、私たちは生きている。
そのバケものの口の中が世界だ!なんて言って。
何も世界を知らないで、化けものの口の中で安泰している。
その中で自分と誰かを比較してみたり、何かを競争してみたり。
そして、このバケもんの口の中で起こることに、その心縛られて、あーだのこうだの言っている。
毎日毎日、わたしたちは、そのバケもんの臭気をかぎ続けているというのに、その匂いももうわからないくらいに、鼻が機能していない。
でも、自分の鼻が機能していると皆、思い込んでいる。それとも、そのバケもんが出す臭気がもはや、芳香剤の様にでも感じているのか?
あまりにも小さな世界で戦う日本人が、虚しい。
もっと広い視点を持って世界をとらえ、そしてその世界から、この日本を捉えてほしい。
経済大国だと言われた日本のエントロピーは、今でもずっと増大し続けている。
その事に気づかずに、今の日本に、そして世界にこれまでと同じ永遠を見るなら、その時点で私たちはもう終わっているのかもしれない。
世界は明らかにその様相を変えてきている。でも、人間だけがそれに気づかない。特に日本人は気づかない。
周りの世界は明らかに変化してきている。でも、人間だけが、その活動を変えようとしない。
明らかにおかしくなってきているこの世界に対して、社会に対して、これまでの慣習的なあり方で対応出来るとそう信じ込み、何も変えずにこれまで通り進めていく私たち人間に果たして未来なんてものがあるんだろうか?
最近こうした事をよく考える。
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