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風俗街からアートのまちへ。「黄金町バザール」に行ってきましたレポ


こんにちは、眞野いるかです。
毎年行って見たいと思っていた「黄金町バザール」にやっとこさ行くことができたのでご紹介します。

「黄金町バザール」とは?

公式HPを見てみると、

『黄金町バザール』は、横浜市中区黄金町エリアアートによるまちの再生に取組む、NPO法人黄金町エリアマネジメントセンターが主催するアートフェスティバルです。「街」という日常の空間を舞台に、2008年より毎年秋に開催し、国内外のアーティスト、キュレーター、建築家を招聘してきました。『黄金町バザール』の開催をきっかけに、若手クリエイターの実験の場として街を開放し、地域コミュニティに新たな可能性が生み出されることを目指しています。

とされています。
ん?「まちの再生」とは?

黄金町の歴史

戦後の混乱のもと、「ちょんの間」と呼ばれる違法風俗店が立ちならぶ街と成り果てていた黄金町。赤い照明に彩られた間口2m足らずの店先から女性が男たちをさかんに誘う光景がつい最近まで見られていたとのこと。
また、黒澤監督の『天国と地獄』では麻薬街としても描かれており、「黄金町=治安の悪い街」として知られていました。

ところが2005年、「バイバイ作戦」と言われる街全体を包囲しての一斉摘発作戦が実行され、「ちょんの間」は姿を消すこととなったのでした。

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↑「暴力のない明るいまち」の標語に、かえって過去の黄金町のイメージが頭をよぎります

街の大部分を占めていた「ちょんの間」が追い出されたことにより治安は向上したものの、ゴーストタウンと化してしまった黄金町。
そこに来たのが、「創造都市政策」を推し進めていた横浜市側の「『アートの街』としての再生を目指すのはどうか」という提案だったのでした。

「黄金町バザール2019」レポ


京急黄金町駅を出て大岡川沿いに進み、インフォメーションでパンフレットをもらいます。会場はこんなかんじで日ノ出町までの高架下周辺に密集しており、見学しながらうろうろするスタイル。

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今回のテーマは「ニュー・メナジェリー」。
「メナジェリー」はフランス語の家畜の管理(マネジメント)を意味する「menage」を語源とした 、近世ヨー ロッパ(16-18 世紀)の王侯貴族たちが、アメリカ大陸やインド洋航海ルートの「発見」により、これまで見たこともなかった動物や植物を一堂に集めた動物飼育舎のことだそうです。


印象的だったもの紹介


◉東ヶ丘のアパート(「Koganecho in Wonderland」展)

舞台は京急線日ノ出町駅からほど近い、独特の雰囲気を持つアパート。
(ここだけ少し会場が離れていました)
電車が通るたびに通過音が聞こえます。

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この檻は動物園の檻をイメージしているそう。
見る側だったわたしたちが、いつの間にか見られる側に。

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映像作品も放映されていたのですが、鑑賞者も含めてひとつの作品のような、異様な空気感がありました。

◉黄金ミニレジデンス(吉田ゆう)

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ここがかつてちょんの間と呼ばれていた建物であり、生きるための手段として売春を選んだ人たちがいたことを水族館の狭い水槽に生きる動物と関連付け、かつて海だった地域の歴史と交えて黄金町の特色をあらわした作品とのこと。

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階段を上がると、突然部屋をくるくると回るサメに迎えられます。かわゆい。のだけど、部屋の狭さも際立ちます。


◉八番館(エレナ・ノックス)
自己完結型環境の水槽で繁殖しなくなったエビをモチーフに、持続可能な社会とはなにか、エビのためのポルノ(!)とはなにかを考えるというテーマ。

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「エビ専」というパワーワード。

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そのほか

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こんなおいしい企画も。(カレーパンおいしかったです)

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古本屋さん。


終わりに

街全体が美術館のようで、うろうろ迷うのも楽しいイベントでした。
(展示場が普通の家やお店のような外観なので、入るときに「本当にここでいいのか......?」という戸惑いがありました。そこも含め好き)

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↑路地を歩いていると突如映し出された、ナゾの巨大スニーカー。


横浜市民・20代の眞野ですが、大学で勉強するまでは「黄金町=アートのまち」というイメージを抱いていたのでこの施策は成功しているんじゃないかな、と思います。

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↑イベントに参加する子供達。


そしてこの「黄金町バザール」、レポを書くのが遅くなってしまい実は昨日で終了とのこと......(圧倒的無能)
でも毎年行われているので、気になったかたはぜひ来年行ってみてくださいね。わたしもたぶん行く。





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