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OJTじゃなくてOET (vol 216)

  OJT (On the Job Training)で学びました

聞いたことありますか? 私の記憶の限りでは聞いたことありません。

新人教育の場面でよく使われる言葉ですよね。基礎教育に続くステップとして、実際の作業や業務でのより実践的なカン・コツ・スキル、仕事の肝を学びます。「OJTで教育します」とよく言われる一方で、「OJTで学びました」の発言は少ないように感じます。OJTが、単に仕事をさせているだけのほったらかし、となってしまう組織も多いからでしょう。

人は失敗経験から学ぶ、と言われます。ミスをミスとして認め、次回からは軌道修正することができます。2000年に入ったころから?「失敗学」という言葉も耳にするようになりました。
(この記事はタイトル画像の書評ではないです。ゴメンナサイ😓)
ところが、悲しいことに、製造の現場でミスが発生すると、新人だから、標準を守らなかった、不注意だから、と失敗した本人を責めることが横行します。カナダの場合、移民だから英語が理解できていない、といった差別的な話も飛び出したりします。とても残念です。
マネジメントのミスや誤った判断に対しても、原因のありかを個人に求めてしまう。これでは失敗を恐れて、迷った時に指示を待ってしまう体質から抜け出すことは難しいでしょう。

そこで思い出したのが「OET=On the Error Training
前の職場で学んでいた言葉の受け売りです😅😅。
OJTというのではなく、敢えてOETと言うことで、思考パターンを変えるきっかけを狙いました。「人為ミス」を単なるミスとしてとらえるのではなく、
  本人の学習漏れ、
  指導側の課題、
  仕組みの潜在課題、
  上司の側の課題
を考えるきっかけになるはずです。
再度、学びの場として関係者で共有する。という考え方です。
広い意味では、OJTの中に含まれている活動と言えます。いや、OETが焦点を当てているところこそがOJTの本質なのだと理解しています。

新人のミス一つが色々な課題を見つけるきっかけになります。スキルの高い人のミスの分析から潜在的な仕組みの問題が発見されることがあります。マネジメントのミスはバイアスのかかった視点や誤解がブラインドスポットを作っていたと気づけるかもしれません。

多くの人はOJTを意識せず、失敗から学んだ、と感じています。しかし、それでは失敗経験からの学びは個人に貯まるだけで共有されません。組織の中で共有して改善に結びつけるには、個人の問題で済ませない共通の言葉が必要です。

Everyone knows the word OJT (On the Job Training).
This is an activity to find opportunities for improvement and learning in daily work (on the job), and to link it to human resource development.
In the same way, why don't we think of the "mistakes" that occur in our daily lives as opportunities to learn and use them to improve our behavior and systems?
We can call it OET (On the Error Training)
Rather than blaming the occurrence of a mistake, view it as a potential problem becoming apparent as a mistake.
Let's aim for zero human error by analyzing the problems hidden behind the occurrence of mistakes and promoting improvements.

社内ツイート

OJT(On the Job Training) という言葉を知っていると思います。
日常の業務(On Job)の中で、改善や学びの機会を見つけ出して、人材育成につなげる活動です。
同じ考え方で、日常発生する「ミス」を学びの機会として捉え、行動や仕組みの改善に活かすことを考えませんか?OET(On the Error Training)です。
ミスが発生したことを責めるのではなく、潜在的な問題がミスが顕在化したと捉えてください。
ミス発生の裏に隠れていた問題点を分析して改善を進めることで、人為ミスゼロを目指しましょう。

社内ツイート日本語訳

ミスをしたら、本人は痛みを感じて、普通の人なら次からは気を付ける。ならば、責めること、再教育だ、で済まさないこと。
高い勉強代を払ったね」と言いますが、払ったのは組織も同じ。払った勉強代を投資ととらえて改善で回収する思考も必要です。

ミスを奨励するわけではありませんが、ミスを報告したら「学びや組織改善の場をありがとう」と言われる環境になれば、心理的安全性も高まって、隠さず共有、一緒に学ぶチームワークも生まれるとの確信から情報発信しました。

一朝一夕にできるものではありませんが、OJTと言う言葉をOETに変えるだけでも変化を生むのではないかな、と思うのです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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