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「科学の世界を、語り合おう」

京都大学高等研究院(Kyoto University Institute for Advanced Study; KUIAS)のシンポジウムに当たったので行ってきた。
楽しかったんだけど、先に嫌なことを一つだけ。
ナビゲーターのサイエンスコミュニケーター桜井進氏は…知識が無いのか、あれを狙ってたのか不明だけど…いないほうが良かった。
ナビゲーションもサイエンスもコミュニケーションも…苦笑
よし。ここからは楽しいことを記録しましょう。

1.森重文先生を見られた!
2.高校生の鋭い質問
3.「あなたに解いて欲しい問題があなたを待ってる」
4.雑多なやつ

1.森重文先生を見られた!

僕が、京の都の大学笑に進学した時に決めていた目標の一つが、「自分の知っている京大の有名な先生を生で見る」だったのですが、そのお一人が森重文先生でした。
さすがにフィールズ賞を受賞された先生は僕でも知っていた。笑
今回のシンポジウムに応募したのも、森重文先生がいらっしゃったのがとても大きかった。

素敵ですね。「宇宙に興味はないです。地に足がつかないのは嫌なので。」
僕もどちらかというとそちら側の人間です。笑

色々なフレーズが登場しましたが、やはり印象に残っているのは

「(科学とは)見えないものを見えるようにすること」
「(それ故に)科学は芸術に通ずる」

engineerではなく、scientistらしい綺麗なフレーズだと思いました。
森先生はまさに見えないものを見えるようにすることが専門ですが、見えている分野でも同じことが言える気がします。
地惑分野なんかは、「見えていなかった、見てなかったものを見えるようにすること」がよりニュアンスを陽に示す表現なのかな。
物腰の柔らかい方で、きっとリーダーなんてやるタイプではないと思っているのにのに色んな人に推されてやられているんだろうなと勝手に思いました。
今度はもう少し研究に突っ込んだ話を伺えたらいいなあ。

2.高校生の鋭い質問

1時間半ほどのトークセッションでは参加者の質問に答える形でした。
その中で、一般向けに自身の研究を「チンパンジーを詳しく見ることで、ヒト(人間)との比較で人間を研究する」とお話されていた松沢哲郎先生に、最後の最後で高校生の青年から鋭い質問が飛びました。

「チンパンジーが数や色を認識・理解してというのは、"数や色という人間の物差し・概念"をチンパンジーを認識・理解しているかであって、"チンパンジー自身の物差しやオリジナルの概念"がどのように進化していくかを、調査することは出来ないのか」

というものでした(メモを頼りなので一言一句違わぬ…というわけではありません(._.)
※ちなみに松沢先生の研究の記事はこちらのホームページ(【ぴいぷる】チンパンジーとヒト比較 人間はたやすく絶望、彼らは「今・ここ・私」 霊長類学者・松沢哲郎氏)

これは非常に鋭い質問だと思いましたし、松沢先生も同様の感想を述べてらっしゃいました。

そもそも科学は、"人間の物差し"において客観的であることが前提である気もする。
けれども、彼の言うチンパンジーの物差しにおける概念もきっとあるだろうし、むしろそれのほうが重要と考えるのは至極当然のこと。

なぜ科学は、"人間の物差し"において客観的であることが前提である気がするかというと…
科学(≒自然科学)のおおよそ全ての分野は、数学によってその再現性と共有性を維持しているわけです。
数学は、人間の公理と推論規則が定めた体系一般のことで、人類最大の産物の一つです。
つまり、数学は100%人間の物差しであると推測できます(推測に留めているのは、人間と同じ公理や推論を出来る何かがいる可能性も…

チンパンジーの概念をチンパンジーの物差しで見た時に、数学で再現性が維持できればそれは科学なのか。
でもやっぱりピュアにチンパンジーの概念をチンパンジーの物差しで評価したいよなあ…人間がチンパンジーになるしかない。笑

3.「あなたに解いて欲しい問題があなたを待ってる」

このシンポジウムで一番響いたというか、研究者(の見習い)として信じていたいなあと思った言葉が、見出しにした、金出武雄先生のこの言葉。
AI系の話題で、他の先生から押され気味になるシーンもありましたが。笑

やっぱり、たまに思うじゃないですか

「僕じゃない、優秀な人だったらもっと上手く解析できて、早く論文にできて…」

というようなことを。
でも違うんだと。僕の好きな言葉の1つ、作家の中谷彰宏さんの

したい人、10,000人。始める人、100人。続ける人、1人。

も解釈を寄せれば、同じですよね。
続ける人1人が、解くべくして解く問題に出会うと。

僕の数少ない取り柄の1つは、止めずに続ける粘ることだと思っていますが、きっと今向き合ってる課題も、それを解いた先に出会うであろう問題も、僕に解いて欲しい問題だと信じたいですね。

4.雑多なやつ

参加者は高校生が半分(枠の半分がそもそも高校生対象)、科学好きのおじさん・おじいちゃんと思われる人が4分の1くらい。
あとは付き添いとか、少数派の大学生とか…
なんかリモコンみたいなやつ使ってその場でアンケート取ったり、某TV局が編集したであろうかっこいいVもあったりと、凝ってて。
案外、化学って人気無いんですね…余裕で物理が最下位だと思ってた。
「薬学」とか、ちょっと生物寄りだけど「バイオ」とかに名前が変わるときっと一気に票数が増えるんだろうなあと思ったり。

ちょっと場違い感あったけど、楽しくてよかったです。笑

大学の先生は好きな女優も答えなきゃいけないんだと。

ね。大学院生がよく言う、「たまに他分野の人の話を聞くとすごく面白いですよね」状態。笑
がんばりましょう。モチベーションが高まっているわけですし。
早速、論文のドラフトを書き始めたい(希望

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