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記事一覧

「女ふたり、暮らしています。」

初めて韓国文学を読んだ。とてもおもしろい。
友人同士が二人でマンションを購入するというのにまず驚く。
でも、相手との生活習慣、生活が合わないという話、相手が家にいるだけで安心できるという話は、どれも結婚生活にも当てはまるなと思った。
オチのない他愛のない話をできる相手がいるって嬉しいことだなと思った。
菅田将暉の『まちがいさがし』の一節、「くだらない話を くたばるまで」がとてもとても好きな私は、そ

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「気がつけば地獄」岡部えつ

面白い。
これで全てが丸く収まった…と思いきや、最後に爆弾が投下される。
夫婦関係について薄々思っていたことを言語化してくれたりして。
浮気相手のナナも一個人としてみれば悪い子ではないけれど。
夫が元々好きなのはナナみたいな女の子で、サニーも結婚前はナナみたいな女の子だったけれど、それは夫の好みに合わせて演じていた節があって本来はもっと自立した女性だったというのがなんとも。

読書メモ 村田 沙耶香『殺人出産』

・先に罰を受けて殺害の権利を得る。その人は讃えられる。一方、罪を犯した人は男女問わず永遠に出産をし続ける。生と死が隣り合わせの画期的なシステム。衝撃的な設定。

・今から100年後、という遠すぎない未来というのがミソだなあと思った。
しかし100年後、人工子宮なども普及して、出産の概念も変化しているというのにパワハラ、セクハラが蔓延っているというのは大変辛い。

・チエちゃんの親御さんは、まだまだ

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【コメディー】事件は、その周りで起きている感想

なんとなしに、NHKアプリをふらついていたら見つけてしまった。面白いドラマを。
主演は小芝風花ちゃん(ドラマ「彼女はキレイだった」ですっかり好きになってしまった女優さんである。)
いま、番組HPを見て納得。
LIFE!のスタッフさんが作ってらしたのか。
登場人物5人ともみんなボケ。微妙にズレたかけあいが面白かった。
4夜連続で終わってしまって寂しい。

あと、小芝風花ちゃんのWikipediaをみ

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映画「不機嫌な果実」感想

1997年公開。主人公は南果歩。
なにがそんなにつまらないの?と言いたくなるほど、主人公はいつも気怠げで不機嫌そうだ。
南果歩のスレンダーな身体と幼い顔立ち、鈴のような声も相まって、未成熟な少女という感じを受ける。
平穏な、すなわち彼女にとってはつまらない日常を自分で変えようとせず、第三者に平凡な日々の打開を期待してしまう他力本願な性格が招く不幸を描いた作品だ。
普通の主婦だったら、白馬の王子様の

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「死ぬまでに行きたい海」岸本佐知子

「死ぬまでに行きたい海」岸本佐知子

元々、岸本佐和子さんの文章が好きだ。
夢の中のような不条理が、すっきりした文体で綴られているところが好きなのだと思う。
この本も好きなエッセンスが詰め込まれていた。
ちょっと近所でも歩いてみようかという気持ちになった。

読書メモ『オタクの息子に悩んでます: 朝日新聞「悩みのるつぼ」より』

最近、YouTubeでジブリの解説動画を見て、岡田斗司夫という人が気になったので読んでみた。
著者近影をみて初めて、数年前、この悩み相談の記事を読んだことがあるし、岡田斗司夫のことを既に知っていたと気づいた。

単に、悩み相談をまとめている本というわけではなく、問題を解決するにあたっての思考ツール、岡田斗司夫の考え方を知ることのできる本であった。
悩みを表面上で捉えるのではなくて、よく分析すること

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読書メモ『髪のこと、これで、ぜんぶ。』

読書メモ『髪のこと、これで、ぜんぶ。』

読んでよかった~~!!

「これは既にできてるな」と思ったり、「そうだったの!!」というような話があったり。

早速、やってみようと思ったことをメモした。

これから全部気をつけて、美しい髪を目指したい。

◆カットについて

「顔・髪質に似合う」+「気分・気持ちに似合う」=似合う髪型

よく着る服、よくするメイクで美容室に行く

◆お風呂場で

こだわるべきは、トリートメントよりシャンプー

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[TV感想]ドキュメント20min.「山本×山本×金子」

https://www.nhk.jp/p/ts/YN5YRJ9KP6/episode/te/W5925LXY23/

こんなテレビは見たことない、
まんまとそう思わされてしまった。

番組後半の、子供の立場から幼少期のトラウマについて話し合う場面に、一番心が揺さぶられてしまったのだけれど、
番組説明を見るとどうも逆らしい。
最初から自分のトラウマについて親に問いただしたかったのでじゃなくて、
親の

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読書感想『長い旅の途上』星野 道夫

読書感想『長い旅の途上』星野 道夫

まるでファンタジーのような未知の世界が描き出されていて、驚きに満ちている。
それでいて、なぜか懐かしい気持ちになってくる。
読んでいて心が落ち着く。
自分の今いるマンションの一室から遠く離れて、アラスカの大地にいるような感覚を味わった。

以下、印象に残ったことのメモ。

・一歳未満の息子を見つめながら、今この瞬間を生きることを考える。
 -カリール・ギブランの詩の抜粋-
 あなたの子供は、あなた

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読書メモ「発達系女子とモラハラ男」

読書メモ「発達系女子とモラハラ男」

鈴木大介著「発達系女子とモラハラ男」
https://www.shobunsha.co.jp/?p=6185

●あらすじ
発達障害の妻に鬱憤を募らせる著者。
しかし、著者自身が脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害になったことで、妻との関係性が変化していく。

●感想
「〜できない」理由を分解して、問題解決していく姿に感銘を受けた。
発達障害をもつパートナーと生きていくには、相手の特性への理解と特性にあっ

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【感想】映画『吉原炎上』その2

■坊っちゃんはなぜ吉原を炎上させたのか
主人公の父親は漁師だったが、船の事故で他界。事故の賠償金を支払う必要があり、主人公は遊女になった。
坊っちゃんは、主人公と同郷の造船会社の社長の息子で、賠償金支払を巡って、主人公を助けられたかもしれない立場にいたらしい。
坊っちゃんは何度来店しても主人公を抱かない。
主人公が抱いてほしいと懇願したら、服を脱げと言う。
てっきり、主人公の性病を疑って

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【感想】映画『吉原炎上』その1

もう一度観たいとは思わないけど、衝撃的な映画だった。

てっきり遊女が恋人と駆け落ちするために放火するのだと思っていたが、違った。
元恋人らしい筋肉質な男性と再開して、この人と駆け落ちするのだと思ってわくわくしていたら、その後、会社の金庫からお金を盗って指名手配犯に…
つら!!

主人公は駆け落ちすることなく、遊女としての人生を全うする。
とはいっても、この主人公、非常に運に恵まれ

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【感想】映画「娼年 」

観ました。
ほぼほぼずっと松坂桃李の尻を観ていました。
わたしが観たのはR-15版で、お尻にモザイクが入っていた。
お尻にまでモザイク入るの?と驚きました。
劇場だと、お尻のモザイクは流石になかったりするのだろうか。
「吉原炎上」を観たときも思ったけど、女性は胸を晒すのに、男性は尻を出すだけっていう、ヌードの程度の違いに、なんだかなあと思います。
女性が胸を晒すなら、男性も男性器をかた

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