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「フォトギャラリー」でご利用頂いた記事(2020.9~)

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みんなのフォトギャラリーで共有した写真を使って頂いた記事をまとめました。使ってくださった方に感謝を込めて...!
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#小説

月のナイフ

月のナイフ     男には新しい友達ができた。  妻と子を一緒に亡くして、途方に暮れ…

麦牛乳
1か月前
6

読書の夏だ!私的夏に読みたい小説4選

こんにちは、しらないです。 みなさん今年の夏の予定はいかほどですか?海に行ったりお祭りに…

しらない
1か月前
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公募ガイド社、第30回・高橋源一郎先生「小説でもどうぞ」にて「最優秀賞」を受賞しま…

☆公募ガイド社、第30回・高橋源一郎先生の「小説でもどうぞ」にて「最優秀賞」受賞 この度、…

鹿石八千代
3か月前
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邪宗抄[短編小説]

 都の中で中納言の藤原通家様ほど信心深い貴族がいらっしゃいましょうか。  毎年何があろう…

柳川海月
7か月前
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明〜ジャノメ姫と金色の黒狼〜第8話 慈愛(4)

 (何でこんなことになったんだろう?)  アケは、広いお風呂の中で窮屈さと居心地の悪さを感…

織部
8か月前
25

豆腐料理専門店しば奴(しばやっこ)柴犬の着物女将がおもてなし

  晩秋の古い街並みを ひとりふらりと散策しながら ふと見つけた薄い麻色の暖簾 柔らかい午…

いろどり川。時代の流れに押し流されるように、古い昔からの産業はいつの間にか滅びてしまう。しかしその伝統をさまざまな思い出で守ろうとする人達もいる。

「自分にもっと力があれば・・・」 と奈月は心の底から思ったことがあった。 「でも、どうにもならない・・・」 そう思い返した時の歯がゆさが、 今の奈月の原動力かも知れない。 奈月の父が、家業の呉服屋を閉めたのは、奈月が 高校に上がったばかりの頃だった。着付けの面倒な 着物を女性が身につけなくなったのは、時代の流れ だろう。しかし、江戸時代から続いた暖簾をおろす ことは、生活の為とは言え、父にとっては命を引き さかれる思いだったに違いない。 「お父ちゃんの力になりたいんや」 そう

【感情紀行記】パッチ

 書き出しが思いつかない。数日間。いや、数週間、気を病みに病ませていた。浮世離れしたよう…

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雑貨屋『このは』のお話。その6「ポスター」

「もみじさん、喜んでくれるかなぁ」  私は出来上がったポスターとお土産の入ったバスケット…

歴史小説『はみだし小刀流 一振』第6話 傾奇者

宇喜多直家はその後、戦国の梟雄と呼ばれることになっていく。たった一人から始まった彼の復讐…

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銀色の恋人

銀色の恋人  ロボットの登場するSF小説です。  とはいえ、難しいことは、ほとんどありませ…

弟切千隼
1年前
9

【第2章】運命の薬との出会い

青森の大学生活1997年春。 僕は青森で大学生になった。 遅い春だった。 都内の国公立大学も…

彩人
2年前
4

800文字日記/20220314mon/010

猫に起こされる。6時41分。東の空は赤い。昨晩飲んだ風邪薬が効いたか体調は良くなった。雀(…

ペンギン図鑑 【ショートショート】

私はまったくのうわの空だった。 目の前にいる上司の言葉は、 右から左へ通り抜けていく風と同じだった。 私はただ、 上司のシャツに散らばるペンギンを数えていた。 上を向いたり下を向いたり、 斜めに傾いたりするペンギンの絵柄を 目で捕まえては、 私の架空の籠の中に ひょいひょい放り込んでいく。 十六羽目、捕獲。 ああもう少し腕を上げてくれれば、 次の一羽を捕まえられるのに。 「ねえきみ、僕の話、聞いてる?」 はっとしてシャツから目を上げると、 じゅっと音がしそうなほどに 上司