pifty|大学生散文

日々の出来事で考えすぎる人の面倒な日記。文章は現実かもしれないし、非現実かもしれない。…

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日々の出来事で考えすぎる人の面倒な日記。文章は現実かもしれないし、非現実かもしれない。日常で忘れられていくちょっとした心の動きの備忘録。

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  • 大学生散文|感情紀行記

    感情の動いた時を書き記す【感情紀行記】をまとめています。

最近の記事

【感情紀行記】未知なる自然

 自然の中で生きていきたい、とか、自然と共存した生活をしたいとかいう人は、一定数いる。確かに、ふとしたときに自分もそう考えることもある。しかし、本当にその状況になったら、そうは思わないかもしれない。  数日前、散歩をしていると、建物が解体され、地表が見えていた。20年近く生きてきて初めて見たこの土地の地表に思いを巡らせた。土を見たことがないわけではないのだが、植木とか、道路の脇にある花々など、人工的に区画整備された、人工的な自然の土でしかない。先述した空き地のようなものも、

    • 【感情紀行記】自分気褄

       感情の起伏が抑えられているというのはここ最近のトレンドであった。自分は、そもそも感情が割と豊かな人物であった上に、その感情に左右されやすいので、感情は、時に武器にしつつ、生活の足枷となってきたのだ。人の機嫌に合わせるのも難しいのかもしれないが、自分の機嫌を操舵する方が難しいのではないかと思う。そのため、感情を抑えたり、仕舞い込んだりするのがいつの間にか上手くなってしまった。そして、いつしか感情を表立って見せることが少なくなっていった。  先日、例の付き合っている人と、ひょ

      • 【感情紀行記】自給自足

         少しずつ時が過ぎ、誕生日を迎えることを、年齢を重ねるという言葉が相応しくなってきた。そろそろ独り立ちも視野に入れなければいけないこの年齢に、危機感を覚えた。今すぐに全てを自分でできるようにならなければいけないわけではないものの、この状況で練習しなければ、惨事を引き起こしかねない。  そういうことで、まずは人間の基本、食事作りを始めた。今まで、趣味と言える料理などは作ってきた。簡単なクッキーやスコーン、いちごジャム、チャーハンなどだ。他にも、簡単な朝ごはんくらいは自分で作る

        • 【感情紀行記】人成

           何か仕事を成し遂げてからではないと日本では休めない、休んではいけないという風潮がある。しかし、フランスなどではバカンスを取る。それを比較して、「人間が何か成し遂げるなんて無理なんだから先に死んでしまう」と言われた、という動画を見た。人間は何かを成し遂げなければならないのだろうか。何かを成し遂げるものなのだろうか。  人間の成し遂げることは文明社会の後付けだという結論に至っている自分は、何か社会の中で成し遂げたいとは思わなかった。しかし、自分の中で譲れない点を決定的に得ると

        【感情紀行記】未知なる自然

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        • 大学生散文|感情紀行記
          123本

        記事

          【感情紀行記】ご希望

           以前、旅行中にICカードへの入金が足らず、乗り越し清算を友人が強いられる場面があった。乗り越し清算の機械へと向かうと、機械は「ご希望のチャージ金額を押してください。」と音声を読み上げた。  大変に丁寧なコメントであるし、わかりやすい音声である。しかし、乗り越し清算をしなければならないというのは、チャージをしなければゲートを通過できないわけだ。今回のパターンでは、一度ゲートを通過することを阻まれ、仕方なく精算機に向かっている。そんな中で、ご希望してチャージしたい人は多くない

          【感情紀行記】ご希望

          【感情紀行記】人生に慣れる

           暖かい日差しが差し込み、明るく照らされる部屋を出て、まだ寒さの残る廊下を通る。春になり、朝の寒さも少しずつ和らいできた。  冬に、新しく家具を新調するため、家具屋さんに出向き、家具を注文した。するとなんとも配送時期が遅く、待っているうちに春になってしまった。今まで愛用していた家具を全て分解し、玄関へと搬出する。数日間のうちに次々と粗大ゴミとして搬送されていく。青春とも言われるような、人生の大事な時期を共に過ごした、夢の詰まった家具たちが玄関でポツンと並ぶその姿は、侘しさと

          【感情紀行記】人生に慣れる

          【感情紀行記】春満月

           ここ数年間、自分は孤独である、という現状をコンプレックス、ひいては悩みの種として抱え続けてきた。実際は、家族や親戚、友人たちに恵まれていたので、完全に孤立、孤独であったわけではなかった。しかし、何か社会に対して自分は一人で向き合っているような、少なくともペアではないような感覚に襲われていた。しかし、生活と、それを支える精神がものすごく強力なスタビライザーによって支えられるようになった。自分の確実性や、自分を構成する何かが足らないという状況から、変わったのだ。これまでにないス

          【感情紀行記】春満月

          【感情紀行記】正義の名前

           冬の夕さがり、数日間で急激に寒さが増し、冬へと本格的に突入した。冬といえば、暖かなココアが美味しい。そういうことで、ココアを買いに出かけた。そうは言っても、なんだか少し健康的そうで、朝も飲みたいと思えるmiloを買っている。コンビニでは、新たに増えた、湯河原に公用車で通っていそうな某元東京都知事のような男性の店員さんが会計を済ませてくれた。そんな店員さんは、会計を済ませるとなぜか、プラスチックの白いスプーンをつけてくれた。そのまま粉を食べるとでも思ったのだろうか。そんなこと

          【感情紀行記】正義の名前

          【感情紀行記】家族と共に

           我が家には大変ポンコツな母がいる。自分を産み育ててくれた親に対してポンコツというのは何事かという問題はあるのだろうが、そういう社会の目に忖度せずに申し上げれば、ポンコツである。全てがポンコツというのではない。一部分ではとても優秀であるし、とてもデキる人である。  そんな母がなぜポンコツかといえば、忙しなく、どことなく抜けている部分があるからである。決してボケているわけではないのだけれども、少し考えればわかるような当たり前のことを聞いてきたり、物にぶつかったり、ひっくり返し

          【感情紀行記】家族と共に

          【感情紀行記】世直し階級社会

           最近、急速に動画市場を席巻しているショート動画というものを見ている時に、惑星が地球に衝突しようとするような動画が流れてきた。  その動画は、地球にいる人の視点で、ぐんぐんとその惑星が近づいている様子を動画に撮っている風であった。妙にリアルで、見入ってしまった。コメント欄には重力がなんとかなど、色々と理系的分析で持って批判がなされていたのだが、個人的に気になったのは、近づく惑星の手前で発射されていたロケットだ。地球の終末感を描くための脱出ロケットだと思われる。少なくとも自分

          【感情紀行記】世直し階級社会

          【感情紀行記】寂しさと期待と

           寂しさというものにはわりかし耐性がある方であった。もちろん、人並みには寂しいと感じることはあったものの、それは、一人でいるということを持って発生していた様に感じる。  大学も終わり、春休みへと突入した。しかし、付き合っている相手は、実習という大変に気を病むよな大変な期間へと突入している。事前に、連絡もあまり取れないし、会うこともできないだろうという話をされていたために、旅行を入れていた。しかし、いざ実習が始まってみると、お互いに会えないという事実に耐えきれず、会う予定を立

          【感情紀行記】寂しさと期待と

          【感情紀行記】沈黙のコンセンサス

           常識や日常における当たり前はどこから来るのだろうか。そして、いつ、その常識に馴染んだのだろうか。自分には、時々驚くような発言をする常識のない後輩がいる。  その後輩は高校生の時、「ボディソープは体に使う、シャンプーは髪の毛に使う。リンスは残っている顔に使うものだと思った。」と言っていた。そういうわけで、彼は高校生になるまでリンスを顔に塗っていたようだ。まぁ、一般社会からしたら恐るべき発想による、恐るべき行為だ。しかし、その後輩のリンスを顔に塗るという当たり前はいつの日か形

          【感情紀行記】沈黙のコンセンサス

          【感情紀行記】有閑階級

           丁寧に暮らしたい、そう願ってやまない季節がやってきた。常々思っているものの、やはり夏よりかは、寒いの冬の方が身がしまって、何か丁寧に暮らしていこうと思える。そんなことで初めた、「丁寧な暮らしライフプロジェクト」。暮らしなのにライフという、頭痛が痛くなるようなネーミングだが、完璧は求めない、なんとなく自分が丁寧に暮らせているな、と思えたら良いということで、この乱雑なプロジェクト名を命名した。  ここで言う丁寧な暮らしというのは、一つ一つの動作や、物にこだわりを持って、優雅に

          【感情紀行記】有閑階級

          【感情紀行記】小さな世界

           幼い頃は、世界が有限だった。有限だったからこそ、世界は無限に続いていた。小学生の頃は、今では徒歩20分もかからないような場所が広大に広がっているように感じていた。それより外の世界なんて考えたことも、見たことも踏み入れたこともほとんどない。もちろん、旅行やお出かけはすることはあっても、単発的なものであったし、飛び地のような、未知の新たな世界であったことに違いにない。  いつの日からか背が高くなり、耳にはイヤホン、片手にスマホを持つようになり、アクセスできる世界は広く、相対的

          【感情紀行記】小さな世界

          【感情紀行記】反骨のエネルギー

           高校生くらいの頃、飲み物を自宅で丁寧に作ることにハマった。留学した時には、留学先のホストファミリーがコーヒー好きだったこともあり、より深く知りたくなり、様々な土地のコーヒーを飲むことが好きになった。留学先のモールの駐車場にあったマクドナルドのガラス張りの角席でコーヒーを飲むのが週末の何よりの楽しみであった。  高校生の時、そんな趣味も相まって、コーヒーチェーン店で留学までの期間アルバイトしていた。大学に入り、現在行なっている塾講師のアルバイトだけではなく、安定した収入のた

          【感情紀行記】反骨のエネルギー

          【感情紀行記】推進力

           あまり政治に興味のない人でも、テレビなどの媒体に釘付けになって政治家の会見を見たであろうコロナ禍初期、多くの人が不安と非日常への恐怖を感じていたことだろう。例外なく自分もそうであった。  少し周りと違うのは、海外でその経験をしたことだ。ニュージーランドに留学して三ヶ月弱、にわかには信じ難い情報がちらつく。新型コロナウイルスの出現だ。新しいウィルスと言われても、今まで経験したことがあるのは新型インフルエンザ程度である。デマなのか、取るに足らない情報なのかよくわからずに流して

          【感情紀行記】推進力