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シマエナガと図書館へいく。

私には4人の子どもがいて、40歳で産んだ末っ子は初めての女の子。
現在小学一年生。
クラスでは一番背が低い。
お姉さんのように大きな同級生からは「赤ちゃんみたい」と愛でられ、
喜んでいる。
大学生、高校生、中学生の大きなお兄さん3人に囲まれている娘。
我が家ではいつも、小鳥さんとか、ひな鳥とか呼ばれている。
そんな小さな娘を、娘が大好きな「シマエナガ」にたとえて、娘との小さな日常生活を綴っています。

日曜日の午後は、図書館にいく。
私とシマエナガのルーティンだ。

用事があっていけないときもあるけれど、
なにも予定のない午後は、母娘ふたりで図書館で過ごす。

午後、のんびりソファに座ってくつろいでいると、
「図書館いこう。百人一首の本が借りたい」
とシマエナガの方から誘われた。

シマエナガは学校で使っているすみっこぐらしの図書バック、
私は無印良品で買ったキャンバス地の白い手提げを持ってでかける。

いや、それだけでなく、
シマエナガは去年ディズニーシーで買った、
シェリーメイのぬいぐるみ型の肩掛けバックを下げている。
「それ、図書館にそれいる?」と聞くと、
「中にロザリオ入れてるの。何かあったとき守ってくれるでしょ。」

ロザリオというのは、聖母マリアへの祈り(アヴェ・マリア)を繰り返し唱える際に、その回数を確認するために用いる道具のこと。

シマエナガは生後1か月たらずでカトリックの洗礼を受けていて、
生粋のカトリック女子だ。

ロザリオのお祈りはすべてやると、大人が唱えても30分くらいかかる長い祈りだが、シマエナガは4~5歳くらいのときから大人と同じようにすべて唱えることができるようになっていて、びっくりされたこともある。

カトリックの信仰を真っすぐ持ちながら、シェリーメイのようなディズニーキャラクターもかわいがる、というのがシマエナガの魅力だと思う。

***
シェリーメイのぬいぐるみ型バックを下げて、家の外にでると、
「自分の自転車で行っていい?」
とピンクの自転車を出してくる。

「私が先頭ね、ママは後ろをついてきて」
と言われ、二人で自転車で図書館へ出かける。

自転車は乗れるようになったけれど、
まだ一人で乗らせるのは心配なので、
自転車に乗るときは大人と一緒に出掛けている。
だから、近所の図書館へ行くのも、
私たち母娘にとってはまだまだちょっとした冒険気分。

自転車に適した歩道をほとんどいくのだけれど、
前からも後ろからも歩く人、自転車の人と通りすぎるため、
シマエナガが誰かとぶつからないか、
あちこち確認しながら母は走る。

***
図書館にいくと、シマエナガは必ず図書バックに入りきらないくらい、
たくさんの本を10冊くらい借りる。

私はシマエナガに読み聞かせしたい本、
自分の本など組み合わせて借りる。

私が自分の本をゆっくり選んでいる間、
シマエナガは子どもの絵本コーナーにあるイスに座ってさっそく借りた本を読んで待っていた。

百人一首の本は、

を借りた。

歌を覚えるだけでなく、
その意味や詠まれた背景を知りたい。

斎藤孝さんのこの本には、
その歌が詠まれた当時のエピソードなどが
一つ一つの歌ごとに書かれているので、
私も勉強になるし、自分が覚えて解釈できた範囲で、
シマエナガにも話して聞かせている。

この前、テレビのニュースで富士山が見える映像が出てきて、
シマエナガは、
「あー、田子の浦の歌みたいだね」と言っていた。

こうやって、シマエナガの中では、
百人一首の
✓「田子の浦にうちいでて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」の歌
✓富士山が見える情景
✓富士山を見てきれいだなと思っていた昔の詩人

そういったものがつながっている。

***
今日、図書館でシマエナガのために私が選んだ本はあと2冊。

どちらも、私が小学生のときに読んでいた本。
私には子どもが4人いるが、上の子3人はみな男の子で、
だから私が好きで読んでいた本でも、読んであげてなかった本はいろいろある。

4人目で初めて女の子が生まれ、
私が自分の少女時代を思い出す機会が増えた。
「そう、そう、私ってこういうのが好きだったんだよね。」と。
こと絵本に関してはそれがとてもうれしくて、
娘を授かったことに、神様にいつも感謝している。

***
子育てしていて本当によかったな、と思うことの一つが、
絵本の世界を楽しむことができていること。
自分が小さいころには出会えなかったたくさんの宝物のような本に、
子どもたちのおかげでたくさんたくさん出会うことができた。

だから、娘と図書館にいく時間は大切にしたい。
「もう、一緒にはいきたくない、読み聞かせはしなくていい。」
そう言われてしまうまで、
できる限り長く続けて、絵本の世界を楽しみたい。

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