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梅の花の美しい日に久家さんのトーク


2024年2月24日(土)

雨が続いた後の嬉しい晴れだった。
暖かい。
冬の陽光に照らされた梅の花が美しかった。

梅、好きだなぁと思う。
子どもの頃は桜より地味だなぁと思ってた気がする。
でも今は、桜より、梅の方がずっとときめく。
去年は水戸の偕楽園の梅園に行った。
色んな品種の梅が広い梅園中に咲き誇っていて感激した。
また行きたいなぁ。

表参道で田中綾子さんの個展、恵比寿で川内倫子さんの個展、学芸大学駅近くで久家靖秀さんの個展&トークと、自転車で回った。
目黒のPOETIC SCAPEで柴田敏雄さんの展示をやってると久家さんから聞いた。
知らなかった・・・行きたかった。

田中さんは以前から作品が気になっていて、出来るだけ見させてもらっている。
今回の作品は新しい試みをしていて面白かった。
これからの展開が楽しみ。

川内さんの展示は振り幅が広くて楽しかった。
2002年のアフガニスタンの人々の暮らしを映した映像があって、見入ってしまった。
民族衣装と子どもの瞳が美しい。
そこが知らない世界であることを実感した。

川内さんがコラボした志賀直哉の『城崎にて』の英訳版が置いてあった。
志賀直哉好きで、『城崎にて』好きなので、どんな英訳になってるのか気になった。

川内さんと久家さんは旧知の中なので、この順番で回るのはなんか面白かった。
トーク中も名前が出てきて、僕は一人心の中で楽しんでいた。
久家さんの展示は搬入の際に拝見していたんだけれども、一旦離れてから再び訪れると、また新鮮だった。
自分の内面が、知っていたはずの作品に対して新鮮な反応をする。
面白い。
まだその作品のことを知らなかったらしい。

彫刻家の冨井大裕さんと椋本真理子さんを招いての3人のトークは、お互いの制作態度や言葉の違い、ひいて言えば、世界の捉え方の違いが浮き彫りになって、めっちゃ面白かった。
彫刻でも写真でも(と言うか、広く「表現」というものは)、世界の中で心が動いた場所と瞬間が作品に反映されている、という点は同じだ。
つまり、どちらも、空間と時間という異なる次元の一部を切り取って変換したものが、作品という別の時空間の存在になっている。
でも、その切り取り方や変換の方法、それぞれに対する時間の使い方、そして言語化の方法・・・といったプロセスは、両者の間で大きく違っていたりする。
でも、時々意外と似ていたりもする。
その微妙な、似ていないようで似ていて、似ていないようで似ている・・・みたいな感じ。
トーク中もお互いが近付いたり、離れたりを繰り返し、作家としての内面の柔らかい部分を互いに探り合っていて面白かった。
冨井さんに言わせれば「写真は彫刻」。
でも久家さんからしたら「彫刻は写真」。
三者三様。
それぞれの道を突き詰めた表現者たちならではのトークだった。

久家さんの個展は27日(火)まで。
今なら冨井さん、椋本さんの制作現場を久家さんが捉えた冊子「うつす」も無料で頂ける(以前の号も頂ける)。
無料で頂くのが申し訳なくなる程のクオリティだ。

明日はまた雨らしい。
良き日に良いトークをお聞きできて良かった。

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