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とし総子
2024年9月16日 06:55
眠れない夜を書き続けていたら眠らない夜を愛していたわずかな歪みが私を保つ理解の端々の崩壊が私を溌剌をさせる醒めない夢は嫌いじゃない永遠を約束しながら灯火を吹き消して私は夜を纏う
2024年8月12日 21:54
本を一生愛しています本を一生愛していきます本に一生愛されて生きていくのを許しますそれはとても幸せですそしてとても浮世ですけして離れないものだと誓います
2024年6月27日 15:50
詩が書けなくなることってあると思う?私はずっとずーっと書いていたいわ書けなくなっても無茶を書きなぐっていると思う言葉は我慢強いもの私のそばにずっといたもの詩が書けなくなったらってこわくない?こわいだけどこわくていい大切にも乱暴にも不埒にも扱うって丁寧さはかわらない私は言葉が好きいつまでも書いてる
2024年6月11日 08:39
トカレフかっこいい銃ね私のこめかみが強請ってしまうカトレアなんて可愛い花なの耳に挿したいアネモネ私の心にあのようなものを与えてよああ 味わい深い白いマイクをなぞる私はメロウにカナリアに成り夜を明かさず消えてしまう煙る幻あなたの紫煙になりたいわ
2024年5月29日 21:22
花が湧く咲くために咲くためにすきまを探り当ててひかりをきき分けて花が湧き上がるつよくあたたかい拍手はないとめどない平日夕暮れうつくしくも派手さはない一点花は湧く沸き立ち蕾は顔を上げるさあ咲け
2024年5月26日 11:37
書かなければ死ぬと思うこんなにも読むために私が集めた本たちに呆れられようと私は書く合間でしか読むことのできないよろしくない読書家だとみなが理解してくれたためやはり書くほうを選び選び本を途中で閉じるのです静かすぎる唇に投げかけるものを淵に滲ませ閉じた本は またひたと時の安らぎに自己の痛みを放つのです
2024年5月12日 09:03
生まれた場所は、それは小さな島だった。 自然は豊かで、花や蝶の彩は、鳥や魚にも写し込み、そこへ差し込む光さえ様々に様子を変える。うつくしい島。わたしの故郷。 そこにわたしが居られなくなったのは突然だった。 ある夕暮、これからを誓い合ったひとと浜辺を歩いていた。 可愛らしい子供たちが笑いながら手を振った。振り返すわたしに、そのひとは静かにこれからのことを話していたのだった。子供が群れて家
2023年5月29日 21:22
すこし動けば 床にへばりつくこの身体で 書いていく 荒れ野を行く夜暴風の砂浜黒い黒い海が聞こえるときも日を撫でるのと同じこの手が 書く幻も 死も 水際も花も 癖も 土の目も胸を萎ませながら血の流れ 骨の重みも 組み込んで私で 書かれている
2023年12月24日 17:03
私の中の詩たましいのスケッチだと言ったり窓枠で切り取った世界の一瞬だと言ったり私の鼓動をうつしたものと言ったり口の端に上った音だったりそれはつまり本体よりも本体らしい顔をしたつまみ食いの一口私を語らず私の語りたいもので描かれた私の細胞に触った光と影だ私の詩を抱いて私は眠り 起きあなたに会い あなたを去る何度も振り返りながら私の詩が花だったなら大きな大きな花束をお
2023年12月13日 21:14
木こりよ私の内の山肌が光に飢えて 細やかに震えるだから腕のいい木こり私の内に繁る樹々を切っておくれお前は大きな斧を振りかぶり固い手は握りしめ静かに脈を打つように長く生きた私の樹々を安らかに横たえてくれる木こりお前の朝は早く 日が熟れる頃に手を止めて必要な動きで一日をおさめる夜は星を仰ぎ休んでくれ山はその肩を抱くだろう柔らかに草は足を撫でて木こりああそ
2023年12月7日 09:12
私は私の文章を知らなかった私の中で私の文章は面白味が薄くありきたりの風景の連続をどうにか整えて色を感じることができる程度の文章だと思っていた はじめて視るときには疑問に浸されじっくり見つめると ぼんやりと影が捕えられそっと覗いてやると やっと中心の輪郭を見るそんな分かりにくいものだったとは一切 横切りもしなかったそういった私にひとは驚いた目 ひとの目に反射するさまを
2023年11月10日 20:06
私が孤独だったとか私が苦労を呑んできたとか私が憐れな日々を抱いていたとかたとえ私が綴った日記にだって言われたくはない私を呼ばわれるものは私を総じることができるものは生きても死んでも私だけだ
2023年11月8日 19:49
孤独は 骨その枝々に繁るいつまでも若葉のままの自由余り気味の羽は肩を凝らせる