「私の詩」(詩)
私の中の詩
たましいのスケッチだと言ったり
窓枠で切り取った世界の一瞬だと言ったり
私の鼓動をうつしたものと言ったり
口の端に上った音だったり
それはつまり本体よりも本体らしい顔をした
つまみ食いの一口
私を語らず
私の語りたいもので描かれた
私の細胞に触った光と影だ
私の詩を抱いて
私は眠り 起き
あなたに会い あなたを去る
何度も振り返りながら
私の詩が花だったなら
大きな大きな花束をおくった
いや そうじゃなくて
あなたの踏みしめる一面を彩っただろう
私の詩
手紙には成れなかった一文
名前を貰う前に泡へと生まれ変わる
それにそっと 生者の仮面をつけたもの
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