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『いつものBarで、失恋の謎解きを』 大石大 作 #感想

圧倒的に朝は緑茶派の私が朝から珍しくコーヒーを飲んでいる。書かなきゃいけない本の感想もそろそろ完全に消化される。3連休が終わるということはそろそろ夏休みも終わるということで。

どうしようもない何かに抗い続けるような日々がまた始まってしまうような気がしている。





あらすじ(Amazonより)

31歳、独身の綾は過去の恋愛で、ことごとく理不尽なフラれ方をしていた。
そんな綾が行きつけのバーでママの みひろ相手に過去の失恋話をしていたところ、 大学教授を名乗る常連客の男に話しかけられ……。
社会学や心理学を使って"失恋の真相“を解き明かす連作ミステリー。


31歳の独身女性が行きつけのバーでしている過去の失恋話の謎を、バーカウンターの隅で飲む初老の男性(大学教授)が解きほぐしていくという"ミステリー要素×心理学の話"の短編集だ。主人公綾の初恋や青春時代の恋や最近の失恋まで、いろいろな時代の恋が思い出の音楽とともに描かれている。

私は22歳なので31歳の綾とはジェネレーションギャップを感じつつも、AKBとか逃げ恥とか「その当時流行っていたもの」が思い出されて懐かしい気持ちになった。

この物語は心理学的要素が強い。綾が「意味わかんない」の一言で片付ける過去の恋人の行動を、教授が心理学の"〇〇現象"や"〇〇効果"という言葉で紐解いていく。そこには案外複雑な背景が隠されていたりして。もちろん教授はあくまで行動の背景を綾の言葉から想像しているだけなので、全てが事実とは限らないけれど。
現象の説明をされると「あぁ確かに、自分の身の回りでも そういうことがあったなぁ」と恋愛に関わらず 思わされるのだ。


短編集かつ複雑なミステリーでもないのですごく読みやすい。かといって「恋愛するにあたって参考になるなぁ」という話でもない。

サクッと読める本だった。


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