環
最近インストールしたアプリについて 日常用 ・通販サイト ・ポイントカード代わりのアプリ 言わずもがなの日常用 ネット通販は田舎こそ恩恵有り 9つだった買い物用アプリが14個に激増 ウインドショッピングしてることのが多い 8年目の革財布とこれからも変わらぬ付き合いを続けたいからキャッシュレスしない ガソリンだけはカード払い、ガソリン代はケチるなと元くるま屋の父が言うから。 勉強用 ・韓国語勉強するアプリ ・新聞読めるアプリ ・聖書読めるアプリ ・料理のアプリ 韓国語の
相変わらず、気味の悪い森だ この森に独りで暮らす魔女は相当の変わり者 ‘ミテクレ’の為に大きな代償を払い 欲望のままの対価を手に入れた 小窓に明かりが灯っている 近付いて嘴を鳴らした よく来たね、と不敵な魔女が顔を出した 「ホーホーーホー-ホー」 そうかい、ご苦労さん 相変わらずあの子たちは歪だね、と 幼い顔が眉間に寄せられた皺を邪魔している 「ホーホーホーホーー」 (バアさんほどじゃないよ) 魔女は返事することなく両手で顔を覆った 嗤い苦しんでいるような息絶え絶えな姿に
「わたしもラベンタ欲しいなぁ」 昼休みにラベンタと会話する友達のマリノに呟いた。 「ライヒんちお母さん厳しいもんねぇ」 ラベンタをカバンにしまってマリノは答えた。 「真ん中のお兄ちゃんも中学に入ってやっとだよ?!うちのクラスだってほとんど持ってるのに、、、」 昼休み中、好きなように過ごすクラスメイトをぼんやり見渡した。 「またお母さんに頼んでみたら?それかお父さん、、それか上のお兄さんでもいいじゃん。」 「ん〜、、、。またお母さんに頼んでみる。」 母以外の人に頼んでも、結局の
「この子のラベンタはどんな子かしら」と生まれたばかりの娘を見つめた母親は呟いた。 『ラベンタは、ヒトに見つめられた時初めて生まれ、その瞳を開けます。生まれたラベンタは、初めて見たヒトを主人とし、主人の人柄を学んで育ちます。ラベンタは、主人と共に生き、生涯支えていきます。』 この国でラベンタを持たない人はいない。皆遅くても18歳までにはラベンタを持つ。ほとんどのラベンタは、幼年期には良き遊び相手となり思春期には仲の良い兄弟姉妹、友達のようになり、青年期からは主人が望む関係性
「あぁ、どうしてそんな哀しげに弾くんだ?」 「君こそ勝手なアレンジはやめてくれ、陰気な曲調は梟にドヤされるんだから」 「ねえ、お客人だよ」 「あぁ、お客さんだね」 『さぁさぁお客様、今宵は僕達の演奏を聴きに来てくダサッてッぇ_____あぁ、ありがとうございます。』 少年は湖に映った月に見惚れているようだ 「ねえ、何しに来たんだろうね」 「あぁ、尋ねてみようか」 「手短に済ませてくれ」 三人三種そう言うと企むように目配せをして 少年に三つ問いかけた ※ 「ねえ、これ元に
「お前さんも、こんなに弱ちまって___」 盗賊の長が炎に語りかけた 「___________」 ええ、なんだって、?と振り返ると 若い衆に連れてこられた少年の目に艶やかな炎が見えた 「気に入られなかったら諦めな」 若い衆の一人がそう言って少年を炎の目の前に差し出した 言わずもがなよ、と盗賊の長は目を細めた 「____________」 少年の目の奥に焼き付く面影に問いかけた 少年の閉じられた記憶の匣に触れてみた 「-/---/-..;____\|」 そう言われたのは 炎自
今日は誰でもいい誰かの目にわたしが映らないだろうかって日、こういうのひさしぶり わたしという自己愛の強いニンゲンはわたしからわたしに愛着を溢れさせて満たして過ごしてるから 愛着を持てない日なんかはわたしがわたしを認識できなくて どうやって正気に戻るんだっけ あの特有の、窓がなくてベッドのある部屋に行かなくても 不快にさせないために清潔を保たれた車に乗らなくても 言われたい言葉を言ってくれる相手を見つけなくても 戻れる方法 今日はすきな音楽を聴いてられない 今日はすきな人たち
わたしが何かを文字にするとき いつも頭の中の一枚の静止画から始める その画の細部を書きたいとき ここは何色なんだろうか ここはどこの線とどこの線の繋ぎ目だろうか なんて考えて書くから わたしの文章は静止画であって 物語も細長い静止画を右から 切り取ったようにコマ送り 頭の中を模写してんの 短い文章を書くときは 読みながら書くから口が喜ぶ言葉を選びがち 譜面を作れたらいいのに ギターでもピアノでも弾けたら楽しそう 文章から文章を作るとき こんなこと書いたら元の書き手を 動
言葉や出来事や時間が降って 積もる前に文字に起こそう 書ける時に何から書いたらいいか悩むから プールの授業の後の塩素の匂いと 風に靡くカーテン、漕ぎ出す授業 砂埃に見舞われるグラウンドの石灰の白線 図書室の天窓から落ちる西日 友達の持ってた赤いガラケー どこでも軋む床に蒸し暑い学校 朝礼前の酸素が薄い教室 放課後の居残り学習、青くさい、くさすぎる春 学生時代をやり直したら不登校は確定だろうか 嫌いなものをどう嫌いなのか考える時間が あるかないかの違いは大きい 好きなものをど
この夏の目標を言いたいのに、もう梅雨入りでぬるっと夏の暖簾をくぐってしまった。わたしのスマホに並ぶ字面はお淑やかな雨を彩度の高い言葉に換えた素敵な誰かの文章たち。 古き良き日本の四季より異常気象に慣れ親しんだ最近は異常な暑さや大盤振る舞いの大雨に、まず言葉を選ぶ感性を失くしそうになる。更にはキャパを越えてくる仕事の拘束時間が私でいる時間を簡単に削り減らす。脱毛症とは今年からの付き合いで、半年記念日を迎えた。 やり残したことを抱きしめたまま眠りにつく毎日が、優しくしてもらったこ
マキちゃんは恋愛脳な上に顔が良いから、本人が望む限り彼氏いる状態が途絶えなかった。それでも高校時代は、彼氏より私や萩原といる時間が長かったはずだから、大抵のことは気にならなかった。だから、気付くのが遅れたんだとも思う。一度私が堪えたことと言えば、マキちゃんらしくない程に彼氏に入れ込んで三人の約束をドタキャンした時は、つい萩原に彼氏彼女ってそんなに良いの?と聞いてしまったことがあった。萩原は歯切れの悪い受け答えで、そういうのはマキに聞きなよ、と最後に言った。 マキちゃんの恋愛脳
待ち合わせの駅前でキョロキョロしていると 「ユリ!」 とマキちゃんが駆け寄ってきた。既に懐かしさで心が揺らいだ。 「萩原、夕方から来るって〜」 出来るだけ穏やかに言った。数年ぶりに会ったように思えない親しみと、何年も会うことがなかった事実に違和感を覚えた。 「何で私たちずっと会ってなかったんだろうね、会わないどころかどこに住んでるかさえ知らなかったなんて。」 同じことをマキちゃんが考えていたことに嬉しくなって、思わず笑った。 「とりあえずお茶しに行こ!いっぱい喋りたい」 マキ
「最近よく思い出すことがあって。高三の時のマキちゃんの面接練習に付き合ってた時に、その息抜きでマキちゃんに面接風に聞いたことがあるんだけど、私が売り物になるケーキを作ったとしてどういう風に売ったらいいと思いますか、て言ってみたの」 「あぁ、マキ、経済学部志望だったから?経済学部って何やるかよく分かんなかったけど」 「そうそう、私もよく分かんなかったけどマキちゃんもよく分かってなかったのが面白かったよね。」 「それでなんて答えたの?」 「ユリが売りたいって思えるものなら、どんな
「こんなはずじゃなかったって思うことある?」 と、ユリは萩原に聞いた。 「ないね。逆にある?」 「うーん、今だね。」と苦々しく笑った。 伝票に名前を書きながらの会話は顔が見えなくて、それが助かったような惜しいような気持ちの狭間でホッとしてる気持ちが勝ってる自分を疎ましく思った。 「まあ、あんまり思い悩んでも良くないね。配達ありがとう、君にこれをあげよう」 明るい口調で伝票といつものマカロンを渡された。 「じゃあまた、来週」と言うと 「週末会うでしょ、三人で」 さっきとは違う、
「私の夢は◯◯ホテルでスイーツを作ることです。」 「え?!それだけ??」と私はお腹を抱えて笑った。これは、放課後私の大学入試の面接練習をユリに頼んで、一通り終わった時に息抜きにと専門学校への入学が決まっているユリの必要のない面接練習をした時のことだ。 「じゃあ、これ圧迫気味面接にするね。どうして◯◯ホテルなんですか?他じゃダメなんですか?」 いつもは歯切れの悪い喋り方をするユリがこの面接練習(遊び)の時はあんまりはっきり話すもんだから意地悪したくなった。 「年に数回、母と◯◯
夢を見た。 仕事終わりに寄ったスーパーで買った弁当と缶ビールが入った袋を片手に部屋になだれ込んだ。ソファーとテレビの間に仕事着のまま倒れ寝そべるのが‘マキ’の帰宅後の習慣だった。ここのところ営業先への出向や新規開拓、部下の育成、雑務処理に追われて出突っ張りで家ですることと言えば食事と風呂と睡眠くらいだった。明日は久しぶりの休みだ、せめて溜まったゴミ出しくらいはしないと、七日分のゴミを袋に纏めたところで携帯が鳴った。「チッ」と舌打ちをして深いため息を吐いた。また社用携帯を持ち帰