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【或】魔女の魔法と呪い

相変わらず、気味の悪い森だ
この森に独りで暮らす魔女は相当の変わり者
‘ミテクレ’の為に大きな代償を払い
欲望のままの対価を手に入れた

小窓に明かりが灯っている
近付いて嘴を鳴らした

よく来たね、と不敵な魔女が顔を出した
「ホーホーーホー-ホー」
そうかい、ご苦労さん
相変わらずあの子たちは歪だね、と
幼い顔が眉間に寄せられた皺を邪魔している
「ホーホーホーホーー」
(バアさんほどじゃないよ)
魔女は返事することなく両手で顔を覆った
嗤い苦しんでいるような息絶え絶えな姿に
鳴くのを忘れたが魔女は気にすることなく
息を整えて話し続けた



今日母さんと姉さんに会ってきたんだ
と、魔女は言う
相変わらず二人とも私を近所の年若い人間の、小娘だと思っているんだ
「ホーホホー」
そうだよ、それが代償さ
姉さんはもう273歳だよ、手も顔もカサついてしわくちゃさ、毎朝鏡で見る私の顔と同じようにね、嗚呼、ほんとう、よく出来た魔法だろう?

「呪いでしょ」
嘴を衝いて出た言葉に魔女は微笑む
私にとっては魔法だよ、そろそろあの子たちにも独奏を惹かせてやったらいいさ
と、魔女が金色の髪を靡かせて甲高く笑った

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