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【或る端役の話】盗賊の炎と旅人

「お前さんも、こんなに弱ちまって___」
盗賊の長が炎に語りかけた
「___________」
ええ、なんだって、?と振り返ると
若い衆に連れてこられた少年の目に艶やかな炎が見えた
「気に入られなかったら諦めな」
若い衆の一人がそう言って少年を炎の目の前に差し出した
言わずもがなよ、と盗賊の長は目を細めた


「____________」
少年の目の奥に焼き付く面影に問いかけた
少年の閉じられた記憶の匣に触れてみた

「-/---/-..;____\|」
そう言われたのは
炎自身の記憶だろうか

少年と対峙するために火種から離れた炎は
弱々しくも妖しげに揺れた
ほんのわずかな一瞬
光を瞬かせて少年の左胸に消えていった
少年を見送ったあと若い衆は変わらず酒盛りを続けた

盗賊の長だけが
明るいままに主のいない焚き火を眺めていた

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