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バックパック世界半周の旅を終えた今の気持ち

世界半周の旅を終え日本に帰国しました。このnoteのマガジンはまだタイのバンコクで止まっていて全てを書けてないのですが、旅の順番通り書くとまだまだ時間がかかるし気持ちも冷めてしまうので、ここでまとめることにします。少し長めですがお時間あればお付き合いください。(写真をすぐ見たい人はこちら

なんで旅した?

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暇だったからです。というのは半分冗談で、予想外に人生に時間の余裕ができたからです。僕は大学は文系学部でテック系のデザイナーになりたく、2年休学してIT企業のインターンとして働き、昨年復学して就活を終えました。

内定をもらい「やっと一人前のデザイナーとしての一歩を踏み出すぞ!」と意気込んでいましたが、卒業して社会に出るまでまだ半年もあることに今更気付き、微妙に長く自由な時間ができてしまいました。

英語力を伸ばしたく語学学校に行くことも考えましたが、就活中いろいろ相談に乗ってもらっていたデザイナー師匠のしょーこさん(@shokolog711)に

「東京で働くんでしょ?英語は使わなかったら絶対忘れるよ。そんなもんインドの砂漠でラクダに乗ってた方が何倍も有意義やわ!(?)」

と言われ、単純な僕は「それもそうだな...」と思い、それだったらリモートワークをして少しでもお金を稼ぎながら、世界旅行的なことをしようか考え始めました。

昔から世界一周的なことは憧れがありました。特に、FACTFULLNESSの共訳者でエンジニアの上杉周作さんメルカリでCEOの山田進太郎さんのブログの世界一周エントリーはよく読んだものです(もちろん旅に出る前も)

いろいろ調べてみると、物価の安い国を回ればドミトリーで今のご時世一泊1000円以内で泊まれることが判明。それなら憧れをそのままにするのではなく、今しかない貴重な時間で夢を実現しようと世界へ飛び出しました。

どこを周った?

期間は4ヶ月、周った国は10カ国、滞在した都市は20都市です。長い文章はいらん!という方も多いと思うので、以下に各国の写真と回想録を。

1. ベトナム🇻🇳/ ホーチミン
旅の初めの地ベトナムのホーチミンでは、リモートワークをしながらお洒落なカフェやスパ、美味しいご飯を食べオペラハウスのショーを楽しむも、何か物足りなくたまたま訪れた「ベトナム戦争証跡博物館」に衝撃をうける。

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(友達に教えてもらったおしゃれカフェ)

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(ホーチミンオペラハウス )

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(カオスなバックパッカー街、ブイビエン通り)

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(ベトナム戦争証跡博物館での衝撃)

✍️旅の初めは、騒がしい都市ホーチミン
✍️ホーチミンでベトナム戦争の歴史を追う
✍️あらゆる文化が入り混じる映画のような街


2. カンボジア🇰🇭/ プノンペン、シェムリアップ
次に訪れたのがカンボジア。プノンペンでは、メコン川をいつも眺めて旅に慣れ、その後ポルポト政権による人間とは思えないほどの残虐的な歴史を知り悲しみに浸る。

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(メコン川のある日常)

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(カンボジアのスコール)

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(時計台のあるセントラルマーケット)

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(トゥールスレン収容所で残虐な歴史を知る)

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(キリングフィールドの慰霊塔 )

✍️メコン川のある暮らし/カンボジア
✍️旅することは、共感力を養うこと
✍️カンボジア貧困の理由をあなたは知っているか?


その後に訪れたシェムリアップでは、世界遺産のアンコールワットを見て、少年のようなワクワクする気持ちを取り戻す。

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(世界遺産のアンコールワットを駆け巡る)

✍️アンコールワットで、気分はインディージョーンズ


3. タイ🇹🇭 / バンコク、チェンマイ
バンコクではまさかのデング熱にかかり、1週間ほど寝込む。カンボジアからひとり旅の孤独にかなり辛くなるも、日本人ゲストで出会った友達とバンコクを観光。

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(デング熱で死にかけの中、大量のポカリと喉が通りそうなやつを買う)

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(バタフライピーのライスとトムヤムスープ)

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(ラチャダーナイトマーケットにて)

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(友達と世界遺産アユタヤ巡り)

✍️ 東南アジアで地震と思ったら、デング熱だった話
✍️ 旅で出会った友達とバンコク三大寺院巡り


チェンマイでは、ラプンツェルの舞台になったと言われるコムローイ祭りで、願いを込めてランタンを空に飛ばし幸せな景色に包まれる。

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(空に登るたくさんの願いと想い、幸せ)

✍️ (執筆中)無限のランタン祭りに思いを馳せる


4. ラオス🇱🇦 / ルアンパバーン
ラオスではほとんど何もしなかった。少し働いて旅の計画を立て、暖かくて過ごしやすい、ゆっくりまったりな時間の流れを楽しむ。

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(水の色が本当に不思議なクアンシーの滝)

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(たまたま出会った日本人の方と写真撮影会)

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(早起きして見たラオスの日常、托鉢)

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(ちょっとリッチな最後の晩餐会)


5. イラン🇮🇷 / テヘラン、エスファハーン、シーラーズ、ヤズド 、タブリーズ、マスレ
東南アジアの生活にも少し飽き、知り合った人にお勧めされたのがイラン。

イランといえばテロとか映画「アルゴ」のようなイメージしかなく、行くまでは未知の国だったけど、行ってみるとまぁ平和。

日本に届くニュースと現実のギャップに衝撃を受け、イラン人の旅人に対するホスピタリティー、文化遺産の美しさに何度もため息。

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(黄金に輝くイランの秋)

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(世界の半分イマーム広場にて)

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(朝にしか見れない幻想的なピンクモスク)

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(旅で出会った友達とピンクレイクでドローン撮影)

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(RPGのような北の町、マスレ)

✍️ 旅しながらiPhoneで撮った写真が、テレビに取り上げられた話


6. アルメニア🇦🇲 / エレバン
世界一美女が多いと言われる国アルメニア。イランのイスラムの文化から一転してキリスト教の国に変わり、物価の安さに驚かさる。3000円で一流のオーケストラ観賞し、初めてのオーケストラで感動して涙。

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(甘めのアルメニアワインで1人パーティー)

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(初めての生オーケストラで涙する)

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(孤独を避けるため、クリスマスはミートアップで異文化交流)

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(ジェノサイドでアルメニアの悲しい過去を知る)


7. ジョージア🇬🇪 / トリビシ、カズベキ
物価が安く、Twitterのタイムラインで噂され行ってみたかったジョージア。トリビシの日本人ゲストハウスではブロガー、ライター、Youtuberがいて、ネットの情報は本当だったのだと知る。

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(ライター、ブロガー、ユーチューバー、旅人が集まるカカシハウス)

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(トリビシのウォーキングツアーで教会廻り)

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カズベキでは、雪道をトラッキングして天国に一番近いと言われる教会へ。

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(道中にあるロシア・グルジア友好のモニュメント)

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(雪山をトレッキングして天国へ一番近い教会へ)

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(途中一緒に歩いて教会まで案内してくれた友達)


8. ポーランド🇵🇱 / クラクフ
カンボジアを訪れた段階で、行くなら今しかないと決意したアウシュビッツ/ビルケナウ強制収容所のあるポーランドのクラクフ。

旅の道中でバスに揺られながら読んだ「アンネの日記」「夜と霧」、映画の「シンドラーのリスト」「否定と肯定」の話が本当にあったのだと、想像と過去の遺産を照らし合わせ当時の人たちがどんな気持ちで生きようとしたかを目と体で確認しに行った。

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(「シンドラーのリスト」の旧オスカー琺瑯工場)

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(アウシュビッツ強制収容所で「労働は人間を自由にする」を見る)

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(持ち主に返されることは決してなかった名前付きの大量の鞄)

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(過酷な列車でここに行き着いた人たちの心境を想像する)


9. ドイツ🇩🇪 / ベルリン
この旅で唯一人に会いに訪れたのがドイツのベルリン。デザイナーを目指し始めた3年前にコンタクトを取り、就活の間背中を押し続け、今回の旅のきっかけをくれたデザイナー恩師のしょーこさん。

3年の時を経てパソコンの画面越しではなく初めて対面し、愛のこもった手作りの日本食を御馳走してもらった。旅の疲れと冬のヨーロッパの暗さになかなか心身崩れかける中、手作りの日本食の優しい味が心までしみた。

ドイツはわずか4日の滞在だったけど、芸術の街ベルリンを感じてきた。

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(人を隔てるベルリンの壁)


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(街の至る所にあるキックボード)

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(ナチスドイツの行いを忘れないためアートの数々)

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(デザイナー師匠に手作りの日本食をご馳走に)


10. モロッコ🇲🇦/ エッサウィラ、マラケシュ、メルズーガ、フェズ
「旅がしたい」そう思い始めたのは、昔読んだ小説「アルケミスト」。唯一旅に持参した2冊の本の一つでもある。

小説の主人公が向かうサハラ砂漠は、日本から見て西の最果ての国モロッコにある。彼と同じように自分も「前兆」にしたがって旅を決意し、最終目的地をここに決めた。

モロッコの最西の港町エッサウィラでは、暖かくて幻想的な海に毎日足を運び、太陽と自然のエネルギーで心身を心まで回復。

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(美味しすぎて毎日通ったミントティーのお店)

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(素敵な海に毎朝晩足を運んだ)

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(幻想的な景色に出会い大歓喜)


そしてついに、懇願のサハラ砂漠へ。ラクダに乗って砂漠に行き、4ヶ月を振り返りながら一夜を過ごし、この旅を終えた。

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旅の目的は?

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旅人と話していると「旅する理由がわからなくなってきた...」と悩む人にたくさん会いました。旅のスタイルは人それぞれですが、長期で海外を放浪するとそりゃ段々母国が恋しくなるし、移動するのって結構大変です。

同じく自分も最初は目的なしに「とりあえず旅しよう!」と飛び出しましたが、それじゃやっぱりいかんと考える中で「1. 感性を磨く旅」「2. 検索ワードを探す旅」この2つを大事にしようと決め、計画やお金の使い方の意思決定の判断基準にしました。

1. 感性を磨く旅
旅する前に新卒デザイナーとして就職活動をしていた時、面接のFBでよく言われたのが、デザイナーとしての「強みが薄い」「感性の部分が弱い」ということでした。

それもそのはず、僕はインハウスでtoB向けのプロダクト開発を行う駆け出しデザイナーとして働いていたので、デザイナー志望の美大生に比べ作品数やクリエイティブな側面では劣っていました。

デザイナーとして、見た目のかっこよさや美しさを今まで意識して磨いてこなかったなーと思い、それなら美的感性をより鍛えようと、ちょうど発売したiPhone11 Proで旅しながら美しい景色を写真に収めては歩き周りました。(ちなみに、イランの美しい文化遺産の写真をSNSにアップしているとたまたまテレビに取り上げられました。

2. 検索ワードを探す旅
この旅で唯一持参した2冊の本の1つが、東 浩紀さんの「弱いつながり - 検索ワードを探す旅」です。この本で東さんは「観光客の哲学」を実践することを説いています。

インターネットは世界を広げたようで、実は自分がフォローする興味や人の繋がりを強めたにすぎません。特にSNSは自分の興味あるものしか流れてこない。そこで大切なのは、観光客として体を動かし続けて、検索ワードを見つけ、すぐ調べてその場で考えることです。

普段学校に通いながら、働きながらではなかなか世界の問題を考える時間を持つことは難しい。しかし、観光客として現地に訪れ、そこで考える時間を持つことに価値があるというのが本書の主張です。

昔から歴史や世界史などの暗記科目は大の苦手で避けていましたが、このたびでは実際に観光地を訪れ現地の雰囲気を体で感じ、知らないことに出会ったらググりまくりました。特に池上彰さんの動画や、オリラジあっちゃんのYoutube大学、AmazonPrimeの歴史映画には本当にお世話になりました。


結果どうだった?

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1. なかなか疲れた...けど、めちゃくちゃ楽しかった!
バックパック一つでひたすら歩き回り、約1週間単位で都市や国を移動すると流石に体が疲れることに加え、それぞれの国の文化、通貨、言語、そして歴史を知る度にアップデートしていくと圧倒的にインプット過多になり、それはもう頭がパンパンになります。

ひとり旅は自分のペースで何事も決めれるのがいいけれど、話す友達がいなければ体験も感想も共有できないし、まぁ孤独。また、冬のヨーロッパに向かうほど太陽に出会えなくなるので、心と体が段々消耗していきました。

でも、やっぱりそれ以上に楽しかったです。困難を乗り越えてたどり着く素敵な景色、知らなければいけない歴史の数々、セレンディピティな人や出来事との出会いが、4ヶ月の短くも濃い旅の歩みを押し進めました。

誰に言われるでもなく、限りある資金で自分で情報を集め世界を回るのは、RPGの主人公のような気分でした。そこから学んだことは、人生は困難を乗り越え、自分で切り開いていくからこそ楽しいということです。


2. 人は環境の産物だと体感した

旅をしていると「もし自分がここに生まれていたら?」と何度も考えました。同時に、普段考えていた仕事やキャリアのしょうもない悩みは忘れていました。本当に人は環境の産物だということを何度も実感します。

自分を変えるには、誰と過ごすか、どんな環境に身を置くかが全てだというのは旅して感じた大きな体験値です。これは1ヶ月ぐらいだと思考の量が薄かったと思うので、4ヶ月全力で旅してよかったです。自分の価値観の基盤は、どれだけ出来事に出会い考え続けたかで決まると思います。


3. たくさんの検索ワード、美しい景色、人々に出会えた

最初に決めた二つの旅の目的を、今回の旅で達成することができたと思います。いろんなものを売って買ったiPhone11Proで素敵な写真をいっぱい撮って見て感じ、各国の観光地を巡って文化と歴史を体験し、たくさんの検索ワードを手に入れました。

世界を知れば知るほど、世界にはまだまだ自分の知らない美しいものや、知らなくてはいけないことが溢れていることに気付きました。

そして何よりも、旅 / 観光が好きになり世界をもっと知りたくなった。キャリア = 人生だと思い込んでいた自分には、学生最後のこの4ヶ月の期間はとても実りあるものだったと思います。


限りある人生の時間を何に使おう?

宗教や政治が理由で自由が規制されているイランの人々。ポーランドへ行って知ったアウシュビッツへ収容され、想像を絶するほどの虐待を受けたユダヤの人々、ナチスドイツの行い。

その歴史を知った時に感じたのは、「なんと自分は恵まれ自由に何でもできるのだろう」ということです。

4月から1デザイナーとして社会にでることになります。今は、平成から令和に変わり、コロナウイルスでテレワークが普及したり、あらゆるものがアップデートする時代。この旅で得た点の数々が将来繋がることを信じ、人がよりよく生きられるよう、人に、社会に、そして自分にも、限りある人生の時間を使っていきたいです。

それでは、ここまで読んでくれた人がいればありがとうございました!

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P. S
旅するきっかけをくれ、何度も背中を押してくれたしょーこさん、本当にありがとう!



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