半年くらい前の、日本に一時帰国中だった時の話。 その日は京都にいた。 京都は帰国する度に行く、大好きな土地のひとつ。 京都にいる時は私はとにかく歩く。 バスは混むし地下鉄は景色が見えないからつまらない。 なので歩く。 グーグルマップ様様で、あれがあればどこだって歩いていける気がする。 一度なんかは京都に来れたのが嬉しすぎて楽しすぎて、清水寺近くに取っていた宿から出発してまず祇園をぐるっと回って、錦市場を往復し、祇園白川を歩き、南禅寺、哲学の道からまた歩いて下鴨神社と上賀茂神
約ひと月前からずっと続いていた咳が、最近ようやく治った。 お医者さん曰く特に何のウイルスというわけではないらしいが最近よく流行っているらしい。 感染症や病気ではないとしても咳をし続けるのはなかなか辛かった。 処方された咳止めの薬やシロップもあまり効果はなく、一番症状が和らいだのは辛子の湿布だった。 辛子の湿布は手作りできる。 粒マスタードをすり潰したものと小麦粉や米粉をお湯で混ぜ、ガーゼやタオルに塗布して胸元か背中に湿布する。 数分経つと辛子の効能で湿布部分が熱くなってき
ロンドンではいつものように美術館・ギャラリー巡りをしてきた。 今回初めて行ったのはロンドン大学内にあるピートリー博物館。 大量のエジプトコレクションを無料で公開している。 大英博物館のエジプトコレクションよりは見栄えはしないもの、重要でないものなのかもしれない。 だが展示品との距離がとても近いことや展示の仕方が無造作で大量で、コレクションがより身近に感じた。 とっても気さくなスタッフがいろいろと説明してくれるのも嬉しくありがたい。 こういう物凄く精巧な昔から残っているもの
ロンドンに行ってきた。 何かと停滞している時には旅に出るのが一番だ。 やっぱりこの街が好きだ。 特に新緑が映えるこの季節、公園がたくさんあるロンドンは格別に美しかった。 ロンドンくらい緑豊かな首都って珍しいんではないだろうか。 と思ったらロンドン住民の90%が公園から徒歩圏内に住んでいるらしい。 しかもロンドンの公園は大抵古いので木々が大きく、首都に居ながらにして森の中を歩いているような感覚を味わえる。 ハイドパークなんて特に中に入ってしまえば360°木々に囲まれてビルも
夫の働く幼稚園での話。 夫の受け持っているクラスには一人、自閉症の子供がいるらしい。 その子は落ち着いて座っていたり、ほかの皆がしていることを一緒にするということが難しいそうだ。 しょっちゅう叫びまわったり棚の上にあるものを全部落としたり本棚を倒したりするらしい。 他の子たちはというと、割とそういうものという風に受け入れているらしい。 昨日はその自閉症の子が教室の後ろの方で椅子に上って叫び始めた。 興奮して椅子から落ちると危ないと思った夫は、「危ないから降りなさい」と言って
この間ふと思い出した。 10年近く前に知り合ったお爺さん、オルフェオ。 その日、夫は休みで私は仕事がある日だった。 夫は暇つぶしに海沿いのベンチで日光浴中、隣に座ったお爺さんとどちらからともなく世間話を始めた。 何やら気が合ったようで1、2週間に一度くらい同じ場所で会うようになったとか。 彼は有名なインテリアデザイナーだったらしく住む街の歴史にも詳しく、芸術にとても造詣が深い。 次からは家にコーヒーを飲みにおいでよと言われたらしく、行ってきた日は大興奮で帰ってきた。 何やらと
数日前からガスが止まっている。 住んでいる建物内の誰かがガスの匂いがするとガス会社に連絡したらしく、点検の為に止められている。 家はコンロとお湯、暖房がガスなのでかなり不便。 暖房はもう春めいているのでいいとして、コンロとお湯は本当に不便だ。 おまけに最近オーブンが壊れてしまったので料理をするのにとても困る。 グルテンフリーの食事でなければならない夫は出来合いのものは食べられないため自分で作る必要がある。 (外食や出来合いの食事に使われる添加物や調味料には微量ながら大抵グル
もうすぐラマダンが始まる時期だ。 この時期になるといつもGriwechというアラブのお菓子を思い出す。 北アフリカで生まれ幼少期を過ごした夫はマグレブ(北アフリカのモロッコ、チュニジア、アルジェリア)の料理もお菓子も大好きだ。 アラブ圏のお菓子の中でもこのGriwechが好きだという。 私はというとアラブ圏のお菓子は正直に言うとあまり好きではない。 揚げてあったり蜂蜜をふんだんに使ってあったり、ナッツ類がこれでもかと入っていたり、食感や味がリッチすぎる甘すぎると感じるから。
引き寄せの法則、シンクロニシティ、予知夢、心霊体験、デジャヴ、ドッペルゲンガー。 この世には不思議な事象が沢山ある。 あまり自分には縁がないと思っていたけれど、ここ数年実体験として経験することが多々あった。 あまりにも具体的で「私」に向けられたメッセージ、そう感じる体験をしたここ数年だった。 その中でも初めて体験した不思議なシンクロニシティ体験をひとつ紹介する。 夫と一緒に暮らしてもうすぐ15年。 何を隠そう、約4年前まで喧嘩をしたことがなかった。 お互い争いを避けたがる
あなたは犬派?それとも猫派? 私はずーっと長いこと猫派でした。 なぜって、まず見た目が美しい。 ピンととがった耳やそこから伸びる、ついつまみたくなる毛、完璧な横顔のフォルム、触りたくなる後頭部、ガラス玉のような目、ヒクヒク動くおひげ、揃えられたふくふくの前足にそっと行儀良く乗せられたしっぽ。 何を取っても完璧な美しさ。 気ままで自分の思うままにふるまう自由さ、気高さ。 おまけに仕草が優雅で華麗で、手触りが滑らかで柔らかくて心地良く、ずっと見ていたく、触っていたくなるから。
凪いだ朝の海はガラスのよう
約1年ぶりに日本に行って来た。 パンデミック終了(?)後の所謂開国から上がりっぱなしだった航空券の値段に慄いてなかなか買えずにいた。 先日町中でたまたますれ違った友達との世間話でロンドン発の航空券が格安であることを知った。 すぐ調べると、いつも見ていた値段の半額。 半年くらい先に帰ろうと漠然と考えていたけれど、特に先伸ばしにする理由もないのでこれを好機と捉えて帰ることにした。 彼女にすれ違わなかったら知り得なかった情報。 日本では行楽シーズンということもあり、どこも人出が
ほんの二か月前のこと。 もうすぐパリに引っ越してしまう夫の友人カップルを家に招待してご飯を食べた。 彼らはカーボベルデにルーツを持つ人達だ。 カーボベルデはアフリカの北西沖合いに浮かぶ群島、だいたいセネガルの横くらいに位置する国だ。 ポルトガルの植民地だったことからポルトガル語の文法を簡易化したようなクレオール語を話し、浅黒い肌をした彼ら。宗教はカトリック。 今回初めて知ったのだが、彼女の母方祖母はポーランド系ユダヤ人だそうだ。 ユダヤ人は基本的に異教徒との結婚に抵抗のあ
5年ぶり、すごく久しぶりにロンドンに行ってきた。 ブレグジット、パンデミックを経ての再訪ということでどこがどう変わったかな、と観察しながらの旅だった。 以前ほどのダイナミックさや創造性は感じなかったものの気さくで陽気でにこやかなロンドニアンは健在だった。 How are you? ってお店に入ってすぐ聞いてくるあれは何て対応するのが正解なんだろう。 あとはサービスで気軽にお酒を勧めてくるのがらしくて笑ってしまった。 普通に洋服を見たいだけだし、午前中11時だったんだけど…。
この間、人と話していてふと考えたこと。 夫は6年ほど前からある食事制限をしている。 長年に渡る様々な体調不良を改善すべく、栄養学の専門医から勧められたのがグルテンと乳製品を一切摂取しないというもの。 大きく崩れた腸内細菌のバランスを整えることが目的で、果物や魚介類を意識的に食べること、整腸剤サプリを摂取することを勧められた。 この専門医は地域では有名なお医者さんで、夫の知人から評判を聞いて紹介してもらった。 なんでも知人の甥っ子が長年の鬱から劇的に回復したらしい。 きっか
無理やりな理由でもって取り付けた 約束片手にいざ出陣