Mimico

フランス在住。 映画、旅行、占星術、建築、アート、インテリア、写真が好き。 欧州暮らし…

Mimico

フランス在住。 映画、旅行、占星術、建築、アート、インテリア、写真が好き。 欧州暮らしで日々感じたことを綴ります。

最近の記事

優しさ

夫の働く幼稚園での話。 夫の受け持っているクラスには一人、自閉症の子供がいるらしい。 その子は落ち着いて座っていたり、ほかの皆がしていることを一緒にするということが難しいそうだ。 しょっちゅう叫びまわったり棚の上にあるものを全部落としたり本棚を倒したりするらしい。 他の子たちはというと、割とそういうものという風に受け入れているらしい。 昨日はその自閉症の子が教室の後ろの方で椅子に上って叫び始めた。 興奮して椅子から落ちると危ないと思った夫は、「危ないから降りなさい」と言って

    • オルフェオ

      この間ふと思い出した。 10年近く前に知り合ったお爺さん、オルフェオ。 その日、夫は休みで私は仕事がある日だった。 夫は暇つぶしに海沿いのベンチで日光浴中、隣に座ったお爺さんとどちらからともなく世間話を始めた。 何やら気が合ったようで1、2週間に一度くらい同じ場所で会うようになったとか。 彼は有名なインテリアデザイナーだったらしく住む街の歴史にも詳しく、芸術にとても造詣が深い。 次からは家にコーヒーを飲みにおいでよと言われたらしく、行ってきた日は大興奮で帰ってきた。 何やらと

      • 当たり前の暮らし

        数日前からガスが止まっている。 住んでいる建物内の誰かがガスの匂いがするとガス会社に連絡したらしく、点検の為に止められている。 家はコンロとお湯、暖房がガスなのでかなり不便。 暖房はもう春めいているのでいいとして、コンロとお湯は本当に不便だ。 おまけに最近オーブンが壊れてしまったので料理をするのにとても困る。 グルテンフリーの食事でなければならない夫は出来合いのものは食べられないため自分で作る必要がある。 (外食や出来合いの食事に使われる添加物や調味料には微量ながら大抵グル

        • 食べ物のルーツ

          もうすぐラマダンが始まる時期だ。 この時期になるといつもGriwechというアラブのお菓子を思い出す。 北アフリカで生まれ幼少期を過ごした夫はマグレブ(北アフリカのモロッコ、チュニジア、アルジェリア)の料理もお菓子も大好きだ。 アラブ圏のお菓子の中でもこのGriwechが好きだという。 私はというとアラブ圏のお菓子は正直に言うとあまり好きではない。 揚げてあったり蜂蜜をふんだんに使ってあったり、ナッツ類がこれでもかと入っていたり、食感や味がリッチすぎる甘すぎると感じるから。

          初めての不思議体験

          引き寄せの法則、シンクロニシティ、予知夢、心霊体験、デジャヴ、ドッペルゲンガー。 この世には不思議な事象が沢山ある。 あまり自分には縁がないと思っていたけれど、ここ数年実体験として経験することが多々あった。 あまりにも具体的で「私」に向けられたメッセージ、そう感じる体験をしたここ数年だった。 その中でも初めて体験した不思議なシンクロニシティ体験をひとつ紹介する。 夫と一緒に暮らしてもうすぐ15年。 何を隠そう、約4年前まで喧嘩をしたことがなかった。 お互い争いを避けたがる

          初めての不思議体験

          犬派、猫派

          あなたは犬派?それとも猫派? 私はずーっと長いこと猫派でした。 なぜって、まず見た目が美しい。 ピンととがった耳やそこから伸びる、ついつまみたくなる毛、完璧な横顔のフォルム、触りたくなる後頭部、ガラス玉のような目、ヒクヒク動くおひげ、揃えられたふくふくの前足にそっと行儀良く乗せられたしっぽ。 何を取っても完璧な美しさ。 気ままで自分の思うままにふるまう自由さ、気高さ。 おまけに仕草が優雅で華麗で、手触りが滑らかで柔らかくて心地良く、ずっと見ていたく、触っていたくなるから。

          犬派、猫派

          凪いだ朝の海はガラスのよう

          凪いだ朝の海はガラスのよう

          タイミング

          約1年ぶりに日本に行って来た。 パンデミック終了(?)後の所謂開国から上がりっぱなしだった航空券の値段に慄いてなかなか買えずにいた。 先日町中でたまたますれ違った友達との世間話でロンドン発の航空券が格安であることを知った。 すぐ調べると、いつも見ていた値段の半額。 半年くらい先に帰ろうと漠然と考えていたけれど、特に先伸ばしにする理由もないのでこれを好機と捉えて帰ることにした。 彼女にすれ違わなかったら知り得なかった情報。 日本では行楽シーズンということもあり、どこも人出が

          タイミング

          繰り返す〈駄文〉

          ほんの二か月前のこと。 もうすぐパリに引っ越してしまう夫の友人カップルを家に招待してご飯を食べた。 彼らはカーボベルデにルーツを持つ人達だ。 カーボベルデはアフリカの北西沖合いに浮かぶ群島、だいたいセネガルの横くらいに位置する国だ。 ポルトガルの植民地だったことからポルトガル語の文法を簡易化したようなクレオール語を話し、浅黒い肌をした彼ら。宗教はカトリック。 今回初めて知ったのだが、彼女の母方祖母はポーランド系ユダヤ人だそうだ。 ユダヤ人は基本的に異教徒との結婚に抵抗のあ

          繰り返す〈駄文〉

          5年ぶりのロンドン

          5年ぶり、すごく久しぶりにロンドンに行ってきた。 ブレグジット、パンデミックを経ての再訪ということでどこがどう変わったかな、と観察しながらの旅だった。 以前ほどのダイナミックさや創造性は感じなかったものの気さくで陽気でにこやかなロンドニアンは健在だった。 How are you? ってお店に入ってすぐ聞いてくるあれは何て対応するのが正解なんだろう。 あとはサービスで気軽にお酒を勧めてくるのがらしくて笑ってしまった。 普通に洋服を見たいだけだし、午前中11時だったんだけど…。

          5年ぶりのロンドン

          器としての私達 《駄文》

          この間、人と話していてふと考えたこと。 夫は6年ほど前からある食事制限をしている。 長年に渡る様々な体調不良を改善すべく、栄養学の専門医から勧められたのがグルテンと乳製品を一切摂取しないというもの。 大きく崩れた腸内細菌のバランスを整えることが目的で、果物や魚介類を意識的に食べること、整腸剤サプリを摂取することを勧められた。 この専門医は地域では有名なお医者さんで、夫の知人から評判を聞いて紹介してもらった。 なんでも知人の甥っ子が長年の鬱から劇的に回復したらしい。 きっか

          器としての私達 《駄文》

          久々の恋【短歌】

          無理やりな理由でもって取り付けた 約束片手にいざ出陣

          有料
          300

          久々の恋【短歌】

          夢の時間

          昨日は久々にオペラ鑑賞に行ってきた。 知り合いから公開通し稽古の入場券を頂いたから。 コロナ以降、元々の出不精に輪をかけて出かけることが減った私には、とても久しぶりの感覚だった。 オペラといってもあまり気合を入れて着飾る人もいないため、適当なワンピースと久々の黒のハイヒールでまとめてみた。 こういう場所に行く時くらいは着飾ることを楽しむのもいいと思うが、フランスではラフな格好をする人が多く、それはちょっと残念に思う。 オペラの演目はラクメ。 イギリス植民地時代のインドが舞

          夢の時間

          泣き虫くん

          私の夫はとても繊細な人で割とすぐに泣く。 最初はそうと知らなかったから、かなり衝撃だった。 ひとまわりも年上の大の大人の男が、おいおい涙を流して泣いているのを目の当たりにしてめちゃくちゃ狼狽えた。 例えば、昔話をしていておばあちゃんを思い出して泣く。 とても厳しい状況、環境で生活している自分の生徒を思って泣く。 好きな映画を見返しては泣く。(特に泣くようなストーリーではない。) 心の故郷であるポルトガルに行く際には、陸が見えてきて着陸する時には必ず泣く。 日本を旅行

          泣き虫くん

          価値観

          数ヶ月前に知り合ったドイツ人女性と初めてゆっくりご飯を食べた。 家に招いてお酒を飲みつついろんな話をした。 彼女は旧東ドイツのベルリン出身で、ベルリンの壁崩壊時には11歳だったそうだ。 壁崩壊前後の生活がどんなだったかを教えてくれた。 一例として、壁崩壊前のある夏の日、母親と一緒に街に出て長い列に並んだ。 数時間後、弟に交代を頼みまた数時間列に並ぶ。 次いで兄に交代を頼みまた数時間列に。 そうして家族が1日の終わりに手に入れたのはスイカひと玉。 なぜならスーパーにはパンや

          夏休み

          またしてもポルトガルに旅行中。 南ポルトガルの漁師の町に来ている。 夏休みには大抵ここに来る。 初めて来た10年以上前は、寂れた飾り気のない小さな町で、哀愁漂う街並みが魅力的に見えた。 ところがここ数年で北ヨーロッパから移住する人がどんどん増えて、あちこちに不動産屋が立ち並び、小綺麗なカフェやレストランが増えて街並みが観光用に整備されてきた。 ちょっと寂しさを感じつつも、古い壊れかけた建物が昔の面影を残しつつ修復されているのはとても良いことだは思う。 ただ不動産の値段高騰で