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5年ぶりのロンドン

5年ぶり、すごく久しぶりにロンドンに行ってきた。
ブレグジット、パンデミックを経ての再訪ということでどこがどう変わったかな、と観察しながらの旅だった。
以前ほどのダイナミックさや創造性は感じなかったものの気さくで陽気でにこやかなロンドニアンは健在だった。
How are you? ってお店に入ってすぐ聞いてくるあれは何て対応するのが正解なんだろう。
あとはサービスで気軽にお酒を勧めてくるのがらしくて笑ってしまった。
普通に洋服を見たいだけだし、午前中11時だったんだけど…。

後は5年前に行ったときに凄く気に入ったメイフェアのバーがあり、どうしてももう一度行きたくて再訪。
ところがスタッフ、客層、雰囲気がガラッと変わっていて、なんだかとても残念な雰囲気だった。
以前は品のいいスタッフととても綺麗なカクテルを作ってくれるバーテンダー、ホワイトカラーのビジネスマン、ギャラリーなどで働く人たちの仕事後のひと時を過ごす場所に見えた。
受付の豪華な花飾りや内装、調度品も質が高く上品で気分をあげてくれる場所だなと感じた。

行った時間帯が違うのもあるけれど、今回は一目見てそうとわかる高級娼婦とギラついたビジネス成功者、中途半端にカツラのずれたトランスジェンダー女性たち。
トランスジェンダーの方々は普段は何とも思わないのだけど、彼女たちはカツラはずれているわ化粧は崩れ放題だわで詰めが甘いというか、だらしなさが目に付いてしまった。
明らかにツーリストの夫と私がとても場違いな人たちに映ったようで、いろんな方向からの視線を感じた。
ブランド物で身を固め、偽物の胸と唇で獲物を誘う仕草や目つきで男性に擦り寄る女性陣、一人お酒を飲みながら関心なさそうな素振りで値踏みするように女性達を観察している男性陣。
自分がいくら稼いでいくらの家賃を払い、何を所有しているかしゃべり続ける男性グループ。
場違いすぎて居心地悪すぎて早々に出てしまった。
外に出ると路上生活者が数人いて、変なものでも食べてしまったのか、寝袋の中で呻きながら吐き続ける声が辺りに響き渡り、その横には剥がれかけたハマスに誘拐された人達のポスターが。
あの夜は端的に言って世界の縮図を見たというか、闇を見たというか。

一昔前はお金持ちは上品で美しく憧れる要素も沢山あったのに随分変わってしまったなと思った。
今やいわゆる高級ブランド品のディスプレイもそれら企業が使うアイコンも魅力的には全く映らなくて。
私が変わったのか世界が変わったのか。
きっとどちらも変わったのだろう。
というか私はそういう企業のターゲットではないだろうから刺さらなくて当然か。
心底ハイドパークでリスや鴨を愛でてる方が性に合うと思った。

ロンドンは公園が多くて緑が豊かで都会と自然、動物を両方楽しめる魅力的な街だなと思った。
何より大きな美術館やアートギャラリーが沢山あってやっぱりこういうものは都会のいい所だなと思った。

それにしても旅行中って普段と違うもの興味を惹かれるものが沢山でついご飯を食べるのを忘れるというかタイミングを逃してしまう。
気がつくと血糖値が下がってしまってフラフラになるから、可愛いカフェの沢山あるロンドンは助かった。
やっぱりロンドンといえばクリームティー!
スコーンとクロテッドクリーム、美味しい紅茶をあちこちで楽しんで来た。
一番のお気に入りはコヴェンガーデンのホテルのカフェ。
何故かいつも空いていて居心地がよく、スコーンも絶品。
ここは5年前と変わらず上品で居心地が良かった。

今回一番便利だなと思ったのが、公共交通機関を利用するのにクレジットカードひとつで済んだこと。
乗車チケットを持ってなくてもコンタクトレスの対応のクレジットカードさえあればそれで決済が済む。
チケットを買うのに券売機に並ぶ必要も窓口に行く必要もない。
レストランもお店もカード支払いしか受け付けない所も割とあり、変わったなと感じた。
ただ決済ごとに手数料を取られるため、たいした額ではないとはいえ外国人に取ってはちょっとイタイなとは思った。

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