三国6丁目

出会いと別れを、つづります。

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記事一覧

12.終わり

すべてが終わった。 もう何も考えられない。考えたくない。 生きるか死ぬかも、もうどうでも良い。 腹が減らない、 眠れない、 朝起きられない、 何もする気が起きない。…

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11. 異変

専門科で改めて診察を受けてください 健康診断で、ある数値がひっかかって 内科でさらに血液検査をする必要がでた。 毎日、遅くて、不規則で、 コンビニ弁当で済ませてき…

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10.それぞれの生活

彼の辞令が発表された。 予想されたことではあったけれど とても驚いた。親しくなれたばかりなのに。 これから、お花見やピクニックや、 ユニバなんかも行きたかったのに。…

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#3ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

同性の恋愛感情について、否定はしない。 好きなものは好きなのだ。 これをしようと、あれをしようと、 どれしようと他人には関係のない話し。 恋愛は、身勝手すぎるくら…

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9.変化

お互いの気持ちが最高潮に達する頃だった。 「よかったな、栄転だ。」 上司から声がかかり、異動内示が告げられた。 行き先は、地方の広いマーケットである。 確かに、今…

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8.どっぷりと浸かって

初めてのデート。二人っきりの時間。 久しぶりの男女の関係。 あとで現実を知ることになるが、まだこの時は自分たちだけの時間に、どっぷりと浸かって、本当に幸せな時間…

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7.想いを重ねながら

初めてのデートは他愛のない、どこにでもあるショッピングモールに決めた。お互い、男女を出さずに済む。 言うなれば「いつも行き慣れた場所」だ。 とは言え、会社での「…

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6.線を超えたとわかっていながら

イルミネーションを見て、カフェでおしゃべりして、お互いがお互いを必要としていることに、気がついてしまった。 メッセージのやりとりは、帰宅後にやりとりするようにな…

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#2ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見…

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#1ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見…

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#0ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見…

12

5.超えてはならない線を目の前にして

二人とも身体が冷え切っていた。イルミネーションの夜に限って、風も強く、ひどく寒かった。駅の地下街で少しほっとしていたとき、彼女が言う。 子どもたちにはご飯を作っ…

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4.家族

イルミネーションなんて、見ないよ、寒いし。 だいたい、このご時世に人混みに行くの?風邪ひくよ? 街中が、ジングルベルやイルミネーションに彩られる頃、我が家ではこ…

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3.はじまり

距離が縮まった私たちは、本当によく世間話をした。 話題のお店、美味いスイーツ、天気や噂話、、 新しいエンタメに、J-POP、よく教えてもらった。 そんな時、繁華街のイ…

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2.出会い

出会いは ドラマチックではない。 私は転勤族の管理職。彼女は、部下。 彼女は子供もいるシングルマザーで、バリバリ働いている。公私ともにいろいろな苦労をしていること…

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1.恋

長らく恋などしていなかった。 自分の気持ちに蓋をしていたんだ。 愛情を注ぐ家族はいるけれど、恋しているような感情はない。 結婚して何年も経ってしまえば、だいたいど…

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12.終わり

すべてが終わった。 もう何も考えられない。考えたくない。 生きるか死ぬかも、もうどうでも良い。 腹が減らない、 眠れない、 朝起きられない、 何もする気が起きない。 テレビが、会話が、聞きたくない。 身体は回復し、動く。 辛くない。 軽い運動から始めても良いようだ。 でも、そんなことはどうでもいい。 看護師と、リハビリの担当と、主治医以外に誰とも話さない。 家族と会話はしない。 求められた会社への書類は提出した。 必要なことはしている。 生きていない。実感がない

11. 異変

専門科で改めて診察を受けてください 健康診断で、ある数値がひっかかって 内科でさらに血液検査をする必要がでた。 毎日、遅くて、不規則で、 コンビニ弁当で済ませてきたからか。 家飲みが増えてしまったからか。 毎日、やるせない夜が多いからか。 時々に、回数は減っていたが 彼女との電話は、できている。 あの声が、癒してくれているのに。 しかし、何かが調子悪い。 検査の結果が、想像を超えていた。 すぐに入院と手術が必要なほどに進行していた。 悪化していた。 転移は今のところな

10.それぞれの生活

彼の辞令が発表された。 予想されたことではあったけれど とても驚いた。親しくなれたばかりなのに。 これから、お花見やピクニックや、 ユニバなんかも行きたかったのに。 なかなかうまくいかないものなんだね。 引き継ぎや引越し準備が忙しいのだろうけど、 毎日遅くまで働いている 夜の電話もだって幾夜もできない時があった あの時はあなたを心配した そして もうダメなのかなって思ったりしたよ。 会えた時には、 あなたはいつも思い詰めたような顔をしていた。 それなのにいつも通り心配し

#3ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

同性の恋愛感情について、否定はしない。 好きなものは好きなのだ。 これをしようと、あれをしようと、 どれしようと他人には関係のない話し。 恋愛は、身勝手すぎるくらいが、 ちょうど良い。 だって恋愛なのだから。 この国では同性間で結婚が できないのだけれど。 私は、本当に死んでも良いと思う恋愛、 冷え切った夫婦関係の下でもう一度 自分を振り返れるような恋愛をして、 それでもなお、今はつまらない生活で時間を潰す。 彼女と出会った時の、 あれはなんだったんだろうかと思うほ

9.変化

お互いの気持ちが最高潮に達する頃だった。 「よかったな、栄転だ。」 上司から声がかかり、異動内示が告げられた。 行き先は、地方の広いマーケットである。 確かに、今の部署より管理スパンは大きく、 やりがいのあるマーケットである。 しかし、だ。 辞令が下され、彼女も知ることになった。 わかっていたけど、今年だなんて辛過ぎる、せめて、来年、、 なにも言えなかった。 こちらはまだ離婚は成立していない。冷え切った完成に「着手」をしようと思っていた頃だったが、急に転勤(転居)が

8.どっぷりと浸かって

初めてのデート。二人っきりの時間。 久しぶりの男女の関係。 あとで現実を知ることになるが、まだこの時は自分たちだけの時間に、どっぷりと浸かって、本当に幸せな時間だった。 寒かったから、よく手をつないだ。彼女の手はガサガサだったが、それが余計に想いを強くしたのは確かだ。家族愛に満ちた手だと思っていた。 何度も見つめあった。大きな瞳に吸い込まれるような感覚で、言葉はいらないと、本当に感じていた。 人目を気にしながら、よくキスをした。マスクをしていても、少しだけ下ろして触れ

7.想いを重ねながら

初めてのデートは他愛のない、どこにでもあるショッピングモールに決めた。お互い、男女を出さずに済む。 言うなれば「いつも行き慣れた場所」だ。 とは言え、会社での「役割」を脱ぎ捨てて、実際に週末に会うとなると、また話しは別だ。緊張する。 メッセージや電話で、相当にお互いのことはわかってきたつもりだが、実際に会って、食事をするのは仕事以上に緊張する。 平日に部下とランチするのは何でもないのに、、 彼女の服装はとても可愛らしかった。着飾ることもなく、シンプルで、活動的で、季節感が

6.線を超えたとわかっていながら

イルミネーションを見て、カフェでおしゃべりして、お互いがお互いを必要としていることに、気がついてしまった。 メッセージのやりとりは、帰宅後にやりとりするようになった。お互いの立場を「終えて」帰宅し、私は晩酌を、彼女は「母親」を一段落する頃に徐に始まる。 今日の仕事の小さな失敗、成功、笑い。お互いが、お互いを欲していたようにメッセージは続けられる。翌日も、その翌日も。 いつしか、明確には描かないが、自ずとお互いの気持ちを確認するようになった。そして、声が聞きたいな、とお互

#2ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見解で、思うことを綴りたいと思う。 そもそも結婚しよう!#1で最初っから離婚を綴ってしまい、離婚ありきのスタートを切ってしまったが、私は結婚推進派である。 恋愛の最終形が結婚であるし、子供が欲しかったらまず結婚である。子供だけが欲しかったら、まずは結婚して離婚すれば良い。養育費もその他の権利獲得してから。。。(また

#1ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見解で、思うことを綴りたいと思う。 人はなぜ離婚するのか?結婚したときは、あれほどまでに 相手を(お互いを)愛していたのに。 人はなぜ離婚するのか? 理由はとても簡単である。 だからここから先は、本当に離婚をしようと思っている方に読んでほしい。本当に大切なことなので、有料にする。 その理由とは。 ここから先

¥500

#0ショートエッセイ 結婚と離婚について思うこと

一般的に結婚は良いものだと言われ、私も同じように思うけれど、個別に考えれば、すべからく良いものだとは言い切れない。 ものすごく個別性が高い。 あくまでも個人的見解で、思うことを綴りたいと思う。 まず 恋をしよう。恋は、全ての始まりである。 恋が全て 恋からすべてが始まる 学校や、仕事、いろいろ「社会」はあるが、 自分の社会を司る根源は恋である。 「好きだから」で全ての説明がつく。 学校が好き、仕事が好き だから続くのである。 そして好き、の隣にいるのが 恋である。 恋に

5.超えてはならない線を目の前にして

二人とも身体が冷え切っていた。イルミネーションの夜に限って、風も強く、ひどく寒かった。駅の地下街で少しほっとしていたとき、彼女が言う。 子どもたちにはご飯を作ってきているので、少しなら時間があります。 すぐに帰ると思っていた私は、その言葉に驚いたともに、少し複雑だった。 誰にも見られたくないな、、 駅ビルの小さなコーヒーチェーンに入った。あまりに寒くて、二人ともポットの紅茶を頼んだのは笑ってしまった。 手が寒いですよね。 そうそう、オレもかじかんでるよ。 先払いの

4.家族

イルミネーションなんて、見ないよ、寒いし。 だいたい、このご時世に人混みに行くの?風邪ひくよ? 街中が、ジングルベルやイルミネーションに彩られる頃、我が家ではこんな会話が成立する。そもそも、クリスマスのプレゼント、もう頼んであるから大丈夫って、身も蓋もない会話も聞き飽きた。 そんな会話、何かをあげられると思っていたうちは、会話にも艶があったような気もするが、そうこうするうちに家族との距離が開いていった。 転勤の多い会社に身を置き、単身赴任を前提で家を購入。その家は妻の実

3.はじまり

距離が縮まった私たちは、本当によく世間話をした。 話題のお店、美味いスイーツ、天気や噂話、、 新しいエンタメに、J-POP、よく教えてもらった。 そんな時、繁華街のイルミネーションが始まった。 有名なイベントでもあるが、いい年した男が一人でイルミネーションに行くのは気が引ける。シングルマザーの彼女も、行きたいけれどきっかけがなかったようだ。 そんな風にして、初めての「デート」が決まった。 同僚や部下に知れるのは、やはり避けたかった。私のチームには複数女性もいたが、なか

2.出会い

出会いは ドラマチックではない。 私は転勤族の管理職。彼女は、部下。 彼女は子供もいるシングルマザーで、バリバリ働いている。公私ともにいろいろな苦労をしていることは、私は知っている。 彼女はとても優秀で、やる気もある。だから、仕事では鍛えた。 彼女は懸命に仕事で応えてくれた。また私が困れば、一番と言って良いほど助けてくれた。職場での関係は良好だ。 ある時、そんな彼女が失敗して上司である私が火消しをした。彼女はとても反省をしたし、そのプロジェクトの顛末を知りたがった。私も

1.恋

長らく恋などしていなかった。 自分の気持ちに蓋をしていたんだ。 愛情を注ぐ家族はいるけれど、恋しているような感情はない。 結婚して何年も経ってしまえば、だいたいどこの夫婦も同じだろう。大切なパートナーではあるけれど、それは親友であったり、家族であったり、絆であったり、そんな関係性だろう。 お互いが、お互いの役割を、ある意味で淡々とこなすのが、時間という魔物に取り憑かれた夫婦の実態だと思う。 明確な別れの理由がないから、そこにいるんだ。 一緒に積み上げた時間を壊すのが勿体ない