黄鶏

終活の一つとして、生きてきた痕跡を残すつもりで始めました。日記、詩、戯曲。 読書感想文…

黄鶏

終活の一つとして、生きてきた痕跡を残すつもりで始めました。日記、詩、戯曲。 読書感想文みたいなものはインスタに載せています。

最近の記事

噛む噛む毎日

小学3年生の息子の音読の宿題が「寿限無」だった。噛みまくっているのでリズムをつけて読むことを提案したら数回口にするだけで諳んじる事ができているので子供の習得の速さに脱帽する。歌もそうだ。歌詞がなかなか覚えれず止まる私と比べ、速いボカロの曲をスラスラと口遊んでいる。半世紀生きた自分も何故か小学校の時好きだったチェッカーズや中森明菜さんの歌は今も歌えるから子供の時は好きな事を覚える脳の発達が違うのだろう。 自分は30歳代前半までは演劇人生だったので「寿限無」よりは「外郎売」の日

    • 死んでしまった私の部屋で

      先日、ある物を取りに行くために、久しぶりに実家に帰った。実家といっても車なら2時間以内の場所なので年に一度くらいは寄るようにしているのだが、親の顔を見るために居間に上がるだけで自分の部屋に入るのは13年振りだった。 長男が産まれた時には里帰りで一ヶ月弱滞在したのだが普段は仲の良い母なのに産後の私は上手く頼る事ができなくて、すぐに自宅のマンションに戻った。自分の部屋に入って何かをする余裕はなかったのだ。今回、古い漫画と昔観た映画のパンフを手元に置いておきたくなり、いくつかある

      • バターとルッキズム

        ルッキズムという言葉を最近知った。 面食いみたいなもん?と思ったのだがWikipediaを読んでいるとどうもカッコいいのが好きというよりは容姿が魅力的でないと蔑む傾向、みたいな印象を受けた。 私はデブの類である。どこにでもいる容姿。 痩せていたと言えるのは小4から小6くらいで、思春期を過ぎてからはいつも痩せたいと食べたいを往復しているようなおばさんその壱。 柚木麻子さんのベストセラー本「BUTTER」を読んだ。 この話は簡単に言うとスレンダーな週刊誌記者の町田里佳が、バタ

        • 無敵になりたいわけじゃない、多分

          小学三年生の息子が「歌ってみた」にハマっている。Youtuberがボカロの曲を歌っている動画を観て知ったようだ。 もちろん、息子が「歌ってみた」の動画をあげているわけではない。我が家ではゲームは一日一時間と決めていて、その中でならYoutubeを観てもいいことにしているので、動画を繰り返し観て、巻き戻し観て、自由帳に歌詞を書き、覚えて歌っているのだ。 その姿を見て私も同じような事をしていたな、と懐かしく思う。カセットデッキの巻き戻しを押し、再生を繰り返し、大学ノートに歌詞

        噛む噛む毎日

          クリスマス・ブルー

          クリスマスが嫌いだ。いや、正確にいうと嫌いではない。嫌いではないけど好きではない。どちらかというと嫌いかもしれない。いや、この際だからハッキリ言う。嫌いなのだ。 初めのうちに書いておくと、キリストのお誕生日なんか、他国の祝いなんか関係ねぇ、思っているわけではない。 小さい頃はサンタを信じたりはしなかった。親にプレゼントは貰ったけど、ケーキを食べたりツリーを飾った記憶はない。かといって親に恨みなどないし、寧ろ感謝しかない。 自分が親になってからは、ツリーを飾るようにしたし

          クリスマス・ブルー

          イヤイヤ英語にカムカム英語

          長男が英語に苦戦している。中学に入って初めは、英語の授業はゲームを交えたコミュニケーション(英語でジャンケンとか)みたいなことばかりやっていて楽しそうだったのだが、二学期に入ってから雲行きが怪しくなってきた。期末テストの結果はとうとう平均に届かなかった。 我が家の息子達は塾に行っていない。理由は色々ある。基本的には勉強はしたいならやれ、くらいの方針なのだが、本音は今以上に煩い母になりたくないからである。 私は演劇ばかりの人生だったし(高校は公立、大学は実技で推薦入試を合格

          イヤイヤ英語にカムカム英語

          低気圧BBA

          更年期と月に一度の訪問者により、どうしても心も体も落ちる時がある。 予定があれば薬と気合いで騙し騙し動くものの、何もない日は一日中怠惰だ。ましてや今日は雨。三拍子、いや寝る根拠が四拍子揃う。 といっても布団の中で動かず一日中ゴロゴロできるわけもなく、最低限の家事だけはこなして、あとはこの鬱々した感じを紛らわすために、ライナスのようにブランケットを纏い切磋琢磨する。 切磋琢磨と書いた途端に罪悪感に襲われた。何をしているのかというと結局はゲームと暴飲暴食だからだ。 普段と

          低気圧BBA

          星めぐりの歌をお守りに

          #スキな3曲を熱く語る でこれより前に二度参加させてもらった。 他の方の投稿を少し拝見してみたが、私のは知らない人の方が多い音楽ばかりでわかりづらいと思った。普段は最新のJ-POPもロックもゲーム音楽も聴くので、最後に日本語の詩で好きな曲の中から、比較的わかりやすい曲を選んでみることにした。 題して「宮沢賢治に纏わる私の好きな3曲」 私は宮沢賢治さんが好きだ。わたしが「やさしさ」を考える時(多分これは一生のテーマなのだ)、「やさしさ」を問われる場面に出会した時、彼が私の事

          星めぐりの歌をお守りに

          同じ阿呆なら踊らにゃSONG

          痛い題名をつけてしまった。 前回の投稿で #スキな3曲を熱く語る というお題に参加し、劇団にいた頃に芝居で使わせていただいた3曲を選んだ。そしてその文末に「間に合いそうなら学生時代にモダンダンスで踊った3曲も次回選びたいと思う。」などと付け足してしまったので、今日はそれを書いてみようと試みている。 昨日まではそれについて書く事を躊躇していた。なぜならその3曲は紹介したところで聴いてもらえる術がないのでは?と危惧したからだ。購入は定価で入手できないし、サブスクは勿論、レンタ

          同じ阿呆なら踊らにゃSONG

          音楽が世界を膨らませる

          #スキな3曲を熱く語る というお題で募集がかかっている。 少し前から私の今までの人生で寄り添ってくれた音楽について何度か書いてきたのだけど、それとは別に今回は違う趣旨で選んでみた。 私は過去に劇団で活動していたのだが、(1996年〜2006年くらい)その劇団は年に一度の本公演と年にニ、三度の自主公演のような公演をしており、自主公演に至っては照明、音響、舞台美術のプランも自分達が担当していた。 長年の活動の中で私が音響担当で音源を選んでいた時もあり、その中で印象に残っている3

          音楽が世界を膨らませる

          私の左の人差し指を知りませんか

          !注意!caution:怪我の描写がありますので、苦手な方はこれ以上読まない事をお勧めします。せっかく来ていただいたのに申し訳ありません… 左人差し指を深く切ってしまった。 キャンプでバーベキューをする時にさつまいもを切るのに急いでいた。台がなかったので横着をして、左手で芋を握り、右手で百均のナイフで切り落とした。さつまいもの薄切りを1枚目、2枚目、3枚目で指まで切ってしまった。人差し指の先、爪の大きさくらいの円で抉れて蓋のように少しだけくっついたまま、血が溢れ出た。痛いし

          私の左の人差し指を知りませんか

          育児と七尾旅人さんと灯火と

          いわゆるワンオペ育児だった。 ワンオペ育児という言葉は、離婚した、未亡人である、単身赴任、夫が闘病中、夫が協力的でない等、事情は様々だけれど、私の場合は夫は健在である。両親・義両親ともに健在。更に人によっては協力的と言われるかもしれない。 夫は家事は頼めばやってくれる。 休日は晴れていれば少しの時間、子供を外に連れ出してくれる。 ゴミを纏めておけば、通勤前にゴミ置き場まで運んでくれる。 ワンオペちゃうやん!と思う方、そうそう、言わなやってくれへんねん!と思う方、どちらもそ

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          涙とユーミンと青い影

          プルコルパルムの青い影が好きだ。日産のCMで前奏が流れていたのを聴いた時、胸の奥が締め付けられた。あれはいつのことだっけ。 今思えば黒歴史のような中学時代だった。 学級委員で、まあまあ良い成績で、斉藤由貴さんやおニャン子クラブの高井麻巳子さんの真似をしていたからそこそこモテて調子に乗っていた。だけど、保健室通いの日々だった。いじめというには大袈裟な視線や聞こえよがし。名ばかりのバスケ部の彼氏。学級委員がトイレに集う派手なクラスメイトを教室に戻さないといけないという任務。 保

          涙とユーミンと青い影

          勿忘草

          「花束みたいな恋をした」をようやく観た。 先に明示しておきますが、私は坂元裕二さんのファンである。そして映画について批評や解釈云々を書くわけではありません。あしからず。 坂元さんの書物は全て揃え、「私たちの教科書」以来のドラマは全て観た。 この映画も初日に行きそうなものなのだが、コロナ禍と若者の恋愛映画であろうが故に…今まで時間を要してしまった。「大豆田とわ子と三人の元夫」が放映されているからそちらに没入し満足していたというのもある。 私が坂元さんに魅了されている理由。そ

          勿忘草

          私とBUMPと劇団と

          BUMP OF CHICKENについて、いつか書こうと思っていた。今でしょ!という気がしたので書くことにする。 きっかけは昨晩ラジオでBUMP OF CHICKENの曲を他のアーティストがカバーをするという特集をやっていたことだった。SONAR MUSICという東京の番組だが、あっこゴリラさんが好きで時々聴いているラジオ番組。4日間に渡り、嵐・スピッツ・宇多田ヒカルと続き昨日がBUMPのトリビュート特集だった。 あと、もうひとつ。NHK朝ドラの「おかえり、モネ」がもう終盤

          私とBUMPと劇団と

          やさしくない私へ

          朝ドラが日課だ。 関西の制作の朝ドラは劇団時代の共演者やお世話になった方が出演してたりするので感慨深い気持ちになったりする。 最近では「おちょやん」の岡安で女将の母役の宮田圭子さんはNHKのラジオドラマでご一緒させていただいたことがあったり、福富の主人役の岡嶋秀昭くんは京都ビエンナーレという催しの芝居で共演させていただいた。 二人とも20年前くらいの話。 今現在の「おかえり、モネ」は関東の朝ドラだが、次週から共演させていただいたことがある佃典彦さんが登場されると聞き、とても

          やさしくない私へ